「あ、いや…。でも…、私…、いきなりフランスって言われても…。それに…、また、いつ、陽織に…。」
柚香。
藪岡の声、
「あぁ。確かに…。…実は、私もその事を教授に。…ただ、逆に教授からは、こんな話が。…当然、それを踏まえての事。彼女の事も考えて…。大体…、1か月を想定している。…と。」
柚香、
「1か月…。」
真輝も、
「1か月…。柚香さん…。フランス。」
その声に柚香、真輝に、
「…って…、まだ…、決まった訳じゃないし…。」
藪岡の声、
「そうだ。まだ決まった訳じゃない。但し。こういう事は、まず、現実じゃ、有り得ない。しかも…、フランスでの1か月の生活も、全て、教授が見てくれるそうだ。」
真輝、
「わお。」
「当然、柚香さんには何ひとつ、生活する上で、困るようなことは…。何ひとつ、ないそうだ。確かに、教授も日々の仕事がある。柚香さんにしても、治療、そして療養。」
柚香、
「あ、はい。」
「そして、ひとつ。大事な事だが…。」
柚香、すぐさま真輝を見る。
真輝も柚香を…。
藪岡の声、
「フランスで、柚香さんにはパートナーが付く。それも教授が準備しているそうだ。」
柚香、
「パートナー。」
「フランスで、とにかく生活の中で柚香さん、ひとりでは…。それだけでパンクしちゃうだろ。」
その声に柚香、頭を2度コクリ、
「うんうんうん。」
藪岡、優しい声で、
「優しいパートナーを用意するそうだ。…とは言え、真輝君、心配すんな。女性だから。はははは。」
その声に柚香、いきなり顔を赤く。
真輝、途端に、
「あ、いや。先生。な、な~~に言ってんすか~~。ぼ、ぼくは…、そんな…。そんな…。」
藪岡、
「かかかか。すまん、すまん。」
いきなり、
「柚香…、行っといで。」
幸乃の声。
柚香、すぐさま祖母に顔を落として、
「おばあちゃん。」
スマホから、
「おばあさん…???…幸乃さん…???」
幸乃、スマホに、
「えぇ~~。先生。…ありがとうございます。はは。私…。ちょっと…、疲れましたかね~~。」
スマホから、
「おばあさん。大丈夫ですか~~???…いきなり、倒れたって聞いて…。病院に…。」
柚香、
「おばあちゃん。」
真輝も、
「おばあさん。」
幸乃、布団の中で、
「ごめんね~~柚香~~。そして、真輝君。」
柚香と真輝を交互に見て。
スマホから藪岡、
「幸乃さん。おばあさん。…おばあさん…。どの辺…、辺りから…???」
幸乃、
「布団に入った辺りから…、でしょうかね~~。何だか…、夢を見ていたような…。体がス~~ッと、軽くなって…。そして…、いつの間にか…、落ち着いた。…そしたら、遠くからなにやら声が…。電話している…と、言うか…。」
その声に藪岡、
「ははは。そうでしたか~~。…では、おばあさん、話の内容は…。…と、言うより…、体…。」
「えぇ…。意識はハッキリしてます。…ただ…。体がまだ…、言う事…。」
「病院に…、行った方が…。熊沢先生も、心配…。」
その声に幸乃、
「いいえ~~。柚香がいるんです。いつまでも声、聞きたいですよ。顔も…、見たいですよ~~。」
柚香、
「おばあちゃん。」
真輝もそんな幸乃の声にニッコリと。
藪岡の声、
「まっ。医療従事者としては、病院を、薦めますが…。元より本人の意志。…多分、柚香さんの方が、いい薬かと…。」
幸乃、薄っすらと目に涙を…。そして、目尻から…。
「先生…。ありがとうございます。…そして…。」
柚香を見て幸乃、
「柚香の事、お願い…出来ますでしょうか…。」
柚香、
「おばあちゃ~~ん。」
真輝、
「柚香さん。」
幸乃、
「何かの…、示し合わせかね~~。柚香が…、陽織に…。そして、陽織から柚香に…。…あれから…、もうすぐ…。半年に…。」
柚香も…、目をキョロキョロと、
「…半年…。かぁ~~。」
幸乃、柚香を見ながら、
「それに…。ここに来て、変な夢…と、言うか…。幻…???…やっぱり…、疲れてるんでしょうかねぇ~~。柚香と陽織の両親まで見える。…そして、姿が消えていく。余りにも突拍子もない。…若かった時のまんま…。」
藪岡の声が…、
「おばあさん。」
柚香、
「おばあちゃん。」
幸乃、また口を開いて、
「もしかしたら…、フランスの事…、裕司と萌衣が…。」
スマホから、
「えぇ…。…でも、そう考えた方が…。…もしかしたら…、気持ちが落ち着くかも…。」
そして藪岡、
「あの…、おばあさん。まだ…、その…、夢と言うか、幻…。」
その声に幸乃、
「えぇ。…毎日ではないんですけど…。何かを言っているみたいですけど…。陽織を…。お願い。…だけ…。」
「そうですか~~~。」
そして藪岡、
「まっ。今回の件は、ゆっくりと考えてみてください。」
と、そこまで言って藪岡、
「…と、言いたいところですけど…。ある意味、急ぎます。」
柚香、
「あ、はい。」
幸乃、
「柚香。」
真輝も、
「柚香さん。」

LIBRA~リブラ~ vol,194. 「大体…、1か月を想定している。」
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