「汀柚香。20歳。道路上でいきなり、意識消失。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.146.

ドキドキ ようやく1階。そして、別棟に。

松峰、
「緊急…???」

熊沢、ドアを開いて。

看護師たち、熊沢に一礼を。

池端(いけはた)、訪れた熊沢に、
「先輩。」

松峰もようやく。そして、
「へぇ~~~。いきなり走るから。」

そんな松峰を見て看護師たち、可笑しがり。そして、一礼。
そんな看護師たちに松峰、困ったような笑顔でVサイン。
その笑顔に看護師たち、思わず、はしゃいだように。



救急車、到着。

池端、熊沢に、
「汀柚香。20歳。道路上でいきなり、意識消失。」


ストレッチャーが外に。

救急隊員、
「バイタル、128の76、85と安定。呼吸は浅い。意識消失はそのまま。」

数人で運び込まれる。
そして、ひとりの男性が救急車から。

隊員、医師たちに、
「一緒にいた人です。長篠観音総合にと…。この人から。」

熊沢、男性に、
「ありがとうございました。」

亮輔、
「あ、いえ…。」
そして、
「あ、あの…、彼女。」

熊沢、男性に、ニコリと、
「えぇ。汀柚香さん。…もしかしたら…。陽織…さん…???」

その一言に亮輔、目を丸く…。
「えっ…???…あ、はい。お願いします。」

ストレッチャーはすぐさま初療室に。

亮輔、設備と人数を見て、
「凄ぇ~~~。ひとりを…、何人掛かり…???」

熊沢、
「えぇ。病院とは、こういうところです。」

松峰、熊沢に、
「いやいやいや。びっくり。まさか…、柚香さん…???」

熊沢、そんな松峰に、
「はははは。池端に、感謝ですよ。スマホに、電話くれました。ははは。あいつらしい。」

松峰、熊沢にニッコリと、
「さすが、後輩。…そして、先輩。」

熊沢、そんな松峰に、
「何言いますか、松峰先生も。」

「まっ。確かに。」

熊沢、松峰に、
「ナースも喜んでる。イケメンの松峰先生~~。」

「揶揄わないでください。」
そして松峰、
「そちらの方は…。」

そこにようやく、亮輔に阿須賀。
「亮輔~~~。」

亮輔、阿須賀に、
「おぅ~~。ははは。着いたか。」

「う、うん。陽織ちゃん。」

その声に松峰、
「陽織ちゃん…???」

熊沢、
「えぇ。運び込まれた…、柚香さん…ではなく、陽織さん。」

松峰、両眉の端を吊り上げて、
「はい…???」

亮輔、
「と~~。」
いきなりスマホを…。そして傍の医師に…。
「あの…、すみません。ここ、スマホ…???」

熊沢、
「あ、あ~~。向うの方でしたら、構いません。」
初療室からかなり離れた場所を指差して。

亮輔、医師にペコリと。そして、医師の後ろを…。

松峰、
「彼らは…???」

熊沢、

「分かりません。ただ…、陽織さんと、一緒だった…。…と、言うだけで…。」





「何…????…陽織ちゃんが倒れて救急車…???…で、今、長篠観音総合。なんでまた…???」
スマホからの藪岡の声。

その声に亮輔、
「いや。…そんな事言ったって、俺たち自身、ビックリして。阿須賀と一緒に。」

「あっ、そうか~~。阿須賀ちゃんも一緒。」
そして藪岡、
「とにかく。…あ、いや…。ありがとう。と、言うべきだな。…それにしても亮輔。長篠観音総合。ははは。ファインプレーだ。」

亮輔、ニコリと、
「…んな事、言ってもさ。」

「いやいやいや。咄嗟に柚香さんの以前の入院してた病院なんて、普通、思い出せないぞ~~。はは。大したもんだ。」

亮輔、ニコリとしながら、
「はははは。あ、俺、これから真輝に連絡。」

「おぅ。そうだな、真輝君も心配。俺の方は、おぱあちゃんに連絡するわ。まっ。熊沢先生もいるから、安心だけど。」

亮輔、顔を傾げて、
「熊沢…???」

「柚香さんの…、担当医だった人だ。」

その声に亮輔、目を丸く、ぐるりと。
「へぇ~~~。」

阿須賀はそんな亮輔の傍で…。

亮輔、スマホに、
「あいよ。分かった。」

通話は切れる。

阿須賀、
「亮輔~~。」

「あぁ。今、藪さんには連絡した。」
「う、うん。それより、陽織ちゃん。」

「あぁ。ここにいれば、大丈夫さ。」


そして、戻って。亮輔、医師のふたりに…。
「すみま…せん…けど…。」
目をふたり交互に、
「熊沢…先生…は…???」

熊沢、そんな男性に、目をパチクリと…。
「私…。ですけど…。」

松峰、男性を見て、熊沢を見て、
「…???」

亮輔、恐縮な姿勢で…。
「あの…、私~~。」

その瞬間、阿須賀、
「ぷっ。」
頭の中で、
「…私って…、似合わないって。」
可笑しがりながら。

亮輔、
「藪岡海路の…、その…。」

すぐさま熊沢、
「あぁ~~~。藪岡先生。はぃはぃ。」

松峰、思わず、右目を歪めて…。

熊沢、
「藪岡先生。いつも、お話を…。」

亮輔、恐縮がりながら、
「私…。藪岡の…、何と言いますか…。親戚筋に…。」

思わず熊沢、
「おやおやおや。」

亮輔、続ける。
「…で…。陽織ちゃん。…あ。いえ…。失礼。」

亮輔の隣で阿須賀も、恐縮しまくりで…。

亮輔、
「実は…。陽織…。」
顔を傾げて、
「柚香…さん…。と、同じ、大学で…。」

熊沢、そして松峰も、
「おやおやおや。」
「へぇ~~~。」








LIBRA~リブラ~   vol,172.   「汀柚香。20歳。道路上でいきなり、意識消失。」

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