藪岡、柚香に、「怖く…、ない…???」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.137.

ドキドキ 藪岡、
「普通なら…。…あ、いや…。通常なら…。…まっ。…いや…。確かに、程度の軽い…。精神的に、病んでいる人。いる。自分が今、そして、これから、どうしたらいいのか分からない。自分が自分でないような…。…そして…、誰にも相談する事出来なくって…。遂には僕みたいな…、精神科の…。…でも、柚香さんは…。」

柚香、藪岡を見る。

藪岡、柚香を見ながら、
「もし…、仮にも、また、陽織ちゃんに…。」
一瞬、躊躇っての藪岡、柚香に、
「怖く…、ない…???」

その声に柚香、
「あっ。それも考えました。」
顔を傾げて空を見て、
「あっ。…でも、それ…。…でも…。うん。…考えても…。」

藪岡、
「うん。…確かに。…さっきも言ってたけど…。埒が明かない。」

「あ、はい。…個人的に…。」
柚香、
「…と、言うのも、変な話なんですけど…。私が…、今後…、仮に、陽織になったとしても…。…その時は…。…私の意識は…、ない訳で…。」

亮輔、頷いて、
「確かに。」

「私には…、どうする事も…。」

藪岡、息を吐くように、
「受け入れるしか…。」

「えぇ~~。…だから、いっそ…。…もし、陽織になったとしたら…。陽織って…。どんな感じの…。」

「な~~るほどね~~。」
そして、両太ももに両手をパン。藪岡、
「うん。分かった。」

亮輔、
「藪さん。」

「このまま、見守って行こう。…それしかない。」

柚香、藪岡を見て、
「……。」

阿須賀、柚香を見て、
「柚香さん…。」

柚香、そんな阿須賀を見て、僅かに微笑んで…。

「とにかく、慌てない事。いつも通りに。…例え…、柚香さんが、今後も、陽織ちゃんになったとしても…。普段通りに。行く行くは…、何かが分かってくるかも…、知れない。」

柚香、藪岡を見て、
「はい。」

亮輔、柚香を見て、
「しっかし…。凄ぇな~~。」

藪岡、
「あっ。…んじゃ~~。」
引き出しから自分の名刺を出して、
「これ、僕の名刺。渡しておく。」

柚香、名刺を受け取って、
「あ、はい。ありがとうございます。」

「何かあったら…。…と、言うか~~。なんでも、相談して…。」

その声に柚香、名刺を持ったままでお辞儀をして、
「あ、はい。…精神科医、藪岡海路。」

「あっ。それと…。こっちもだ。」
もう一枚のカードを…。

柚香、カラフルなカードを藪岡から受け取って、
「これは…???」

藪岡、
「あぁ。」

阿須賀、
「あは。私も持ってる~~。」

亮輔、
「エンカントのカード。アルファベッドで、Encanto。それ…、スペイン語。日本語に訳すと~~。…確か…。愛嬌…???…チャーム。」

「そして、魅力や魅惑、そして魔法ってとこか。」
藪岡。
「陽織ちゃんの行く店の名前。営業時間は夜の8時。そして、朝まで。オーナーはスペイン人の女性オーナー。そして、カウンターにバーテンの男性。夫婦でやってる。」

阿須賀、
「結構~~美人なオーナー。優しいし。はは。」

藪岡、
「それは僕も…、請け負う。うん。」

柚香、カードを見て、
「エンカント…。」
そして藪岡に、お辞儀をして、
「ありがとうございます。」

亮輔、両太ももを両手でパン。
「よし。じゃあ~~。この辺で…。俺たちは。」

藪岡、
「あぁ。」
笑顔で、
「ありがとうな。」

阿須賀、ニッコリと、
「はは。」
そして、
「柚香さん。」

柚香、
「あ、はい。あ~~。」
藪岡に、丁寧にお辞儀をして、
「あ、ありがとうございました。」

藪岡、ニッコリと、
「いえいえ。こちらこそ、ありがとうございました。」
そして、
「とにかく。これからの事、まずは、いつも通りに。…また、いつ、陽織ちゃんに変わるか、分からないけど…。」

柚香、
「あ~~、はい。」

「あっ。でもさ。この事…、勝巳にも話しておかないと…。…あいつも…、心配してるぞ、きっと。」
亮輔。


藪岡、
「あ、あ~~。うん。そうだな…。」
柚香を見て、
「その辺は、柚香さん。」

「あっ。はい。…さっきも電話があって…。…でも…、私…。まだハッキリとは…。」

「うん。」
藪岡、
「その事も含めて、お願い。」

「分かりました。」

亮輔、
「じゃあ~~。俺たち。」

阿須賀、
「は~~い。」

藪岡、
「おぅ。わざわざ、ありがとうな。」


3人、診察室を出る。
そして藪岡も、廊下に。

途中、ナースステーションに3人、挨拶をして…。
看護師たちも3人に会釈を…。


看護師のひとり、
「結構…、長かったような…。」

別の看護師も、
「ふん…。…だよね~~。」



エレベーターを降りるまで何も話さずに3人。
そして、歩きながら…。

阿須賀、
「とにかく、おっきぃよね~~。この病院~~。」

亮輔、
「ふ~~ん。」

柚香、
「また…、陽織に…、なるの…かも…。」

亮輔、チラリと柚香を見て、
「う~~ん。…それは…、ある。」

ふと柚香、
「亮輔さん。」

亮輔、
「ふん…???」

「すみません…けど…。ライン…、いいですか…???」

途端に阿須賀、顔をグンニャリとさせて、
「え~~~ぇえ…???」

柚香、
「もし、陽織と…。その時。」

瞬間、亮輔、目をキョロキョロと、
「あっ。あ~~。うんうんうん。OK~~。」

阿須賀、
「亮輔~~~。」








LIBRA~リブラ~   vol,061.  藪岡、柚香に、「怖く…、ない…???」

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