「じゃ、決まりだね~~。」いきなり葉子。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.151.

ドキドキ 「…と、言う事は~~。」
葉子の隣で海江田。
「秀美ちゃんのおかあさん、今、60…???」

思わず虎一郎、
「わ~~お。60~~。」
けれども頭を傾げて、
「…って言うか…、俺のお袋…、今、何歳だ…???」

輪湖、いきなり、
「あんたのおかあさんの歳は、この際、関係ない。」

葉子、目の前の匡子を見て…。
匡子、口を搾って葉子を優しく見る。

「多分、秀美ちゃんのおかあさん、高齢出産で秀美ちゃん、産んで。可愛くて仕方がない。とにかく一生懸命に育てた。小学校、中学校。可愛く、奇麗に育ってくれた娘が、今やたくさんの友達が出来て…。」

輪湖と海江田、
「うん。」
「ふん。」

「…けれども…、それが、度が過ぎた…。つまりは、我が子への独占欲。溺愛。」

虎一郎、
「だからか~~。秀美ちゃんのおかあさん、秀美ちゃんに、友達が出来ても、何とかして、秀美ちゃんは自分のもの。誰にも秀美ちゃんを取られたくない。」

輪湖も、虎一郎の声に、
「うんうんうん。」

秀美、少し、顔を起した風に、
「おとうさん。でも、私に、おかあさんの事、今、おとうさんはどうすることもできない。変な事を言えば、今度は何をしでかすか分からない。だから…。…私もどうすることもできなくって、とにかく時期が時期。大学受験に没頭。…当然、友達のひとりも…。」

輪湖、
「だよね~~。」

秀美、僅かに涙を零した風に、
「そういう…意味では…。受験に…集中…出来たけど…。…でも…。大学に入っても…。それこそ、おかあさん。」

葉子、
「エスカレートしたと…。」

秀美、頭をコクリと…。

葉子、またポツリと、
「…で、現在に…至る。」

「あの母親と一緒にいたら、私、絶対に変わらない。子供の時のまんま。そんなのいや。」

「こんな事言うのは、失礼とは思うんだけど~~。」
いきなり海江田。
「アパートにでも…、独り暮らし…???」

間髪入れずに葉子、海江田の顔を見て、
「課長~~。おかあさん、独占欲強いんです。それこそ、自分の元から大事な娘が出て行く。なんて事になったら、目も当てられない。」
一喝するかのように。

瞬間、海江田、目をパチクリと。そして僅かに体を後ろに引くように、
「あっ。あぁぁぁ。はい。すんません。…確かに。そぅ…。その…通り。」

輪湖、そんな海江田を見て、思わず、
「ぷっ。」
そして、
「ん~~。…確かに~~。まっ。秀美ちゃんが家を出てアパートに…。それが…、一番の解決法。…なんだ…けど~~。肝心なのが、おかあさんよね~~。…どうやって~~。」

「じゃ、決まりだね~~。」
いきなり葉子。

輪湖、そんな葉子に、
「はっ???…じゃ、決まりって…???…葉子…???」

葉子、
「ふん。秀美ちゃんのおかあさん、説得する。」

また輪湖、
「はっ…???…へっ…???」
顔を小刻みに左右に揺らしながら…。そして、
「え゛っ…。ぇえ゛~~~~~っ!!!」
目を真ん丸にして。

虎一郎はヒョットコみたいな顔で、
「お~~い。」

海江田、葉子の隣で、
「ぷっ。なんと。…そう来ましたか~~。」

匡子、いきなり両手を叩いて、
「いやいやいや。かかかか。」

秀美、葉子を見て、
「葉子…先輩。」

葉子、前を向いたままで、
「ふん。それしかないでしょ。今の秀美ちゃんの環境を変えるのには…。…ただ、おかあさんには…、かなりの軌道修正にも…、なっちゃうけど…。」

秀美、少し心配そうな声で、
「う、うん。」

「なんともな~~。」
海江田。
「さて。…と、なると~~。選さん。」

葉子、
「まずは、秀美ちゃんから、おかあさんとの予定。」

「ふん。まっ。道理。」

「…って、海江田課長~~。もしかして…、課長も~~???」
輪湖。

その声に海江田、平然とした顔で、
「ふん。当然。乗り掛かっちゃったから。」

いきなり虎一郎、顔を崩して、
「えへぇ~~~???」

輪湖、
「…って言うか、葉子~~???」

そんな輪湖に葉子、
「ふん…???」
目を右側に寄せて、
「まっ。ひとりよりふたり…???…ふたりより…さんにん…???」

海江田、
「へぃへぃ。サブちゃん。」
グラスをかざして。

佐武郎、ニッコリとペコリと。

その時、ひとりの女性。ドアを開けて、
「へぇ~~。お腹空いた~~。」

匡子、
「いらっしゃいませ~~。」
ニッコリと。

空いてるテーブル席に。傍にはお洒落なキャリーケース。
マスタードイエローのパンツに長袖の白のカジュアルシャツ。
ストローハットを脱いでテーブルに。

そして一息、
「ふぅ~~。」
そして、
「ママさん。ここのお薦めって…???」
女性、メニューを見て…。

そんな女性に虎一郎と海江田、丁度ふたりは、体を斜めに向いているために自然に目に入る。

匡子、女性の声に、
「あっ、はい。」

女性、メニューを見て、
「あっ。あった。このお薦め~~。お願い。」






こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,176.   「じゃ、決まりだね~~。」いきなり葉子。

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