紫、「凄い事になってる。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.150.

ドキドキ 「え、えぇ~~~え~???…光浦総務部長が、そんな…、見ず知らずの…、って言うか…、お姉さんが…、このホテルに…???…しかも…、総務部長として…。入れ代わってた…???」

会議室では杏樹、目を真ん丸に、
「信じ…、られない。」

日比谷、光浦を見ながら、
「まっ。確かに…。私も実際に、上沼美和子さんをこの目で見た訳ではないから、何とも言えないんだ…けど~~。ホテル内を自分の目で確かめるなら、瓜二つの顔が、それぞれ、入れ代わる。ナイスミッション。」
そして日比谷、
「…で、もし。この仮説が、事実であれば…。…さて…、どこまでホテル内の事、内情…、知り得たの…かしら…???」

海江田、腕組みして、
「ん~~~。」

紫、
「凄い事になってる。」

都沢、真顔になって、右手指で顎を撫でながら、
「まさかね~~。…まっ。午前中の対策室では、ここまでは…。ただ…。じゃあ…、あの話は…、ここから…???」

葉子、
「…多分。」

「…と、仰いますと…???」
尚登。

海江田、
「そぅ…、なんでしょうね~~。」

「そして…。ここからが今回のM&Aの実態。」
日比谷。笑顔から真剣な顔になって。

隣で杏樹、
「えっ…???」

「上沼美和子さんが投資に芽生えたのが、高校時代からと言われている。」

杏樹、
「そんなに早く。」

「えぇ。…で、私がさっき、中国に留学と言ったのが、実は、おかあさんが中国にいたときに、子供の頃から世話になっていたのが、天浩(チンハオ)ファミリー。」

杏樹、日比谷を見て、
「えっ…???」

海江田と紫、
「来ましたね~~。」

尚登、
「何と。」

「…で、大学を卒業と同時に、中国で経済、当然、投資が目的ではあったけど…。本格的に学びたい。そしておかあさんが、天浩、今のホテルキャッスルチャイナの会長に相談。天浩は喜んで引き受け、そして、上沼美和子さんは、今のホテルキャッスルチャイナ社長の天佑(チンヨウ)と知り合う。もしかして…、知り合ってから、16年。」

尚登、画面を見ながら、
「凄ぇ~~~。」

「その当時のホテルキャッスルチャイナ社長の天浩(チンハオ)社長の経営手腕は物凄かったらしい。数年で、一大ホテルに成長。業績は上がる一方。またその一方でも、様々な関連会社を設立。これが、上沼美和子にとっては衝撃だった。」

都沢、
「へぇ~~~。」

日比谷、光浦の顔を見ながら、
「…けれども、実際は…、そんな社長の天浩(チンハオ)も、立派な経営戦略を持ちながらも、結構、裏では、法律スレスレの方法も使っていたと…。」

尚登、腕組みしながら、
「ん~~。」

杏樹は黙ったままで日比谷の話を。

「そして…。」
日比谷、
「やがて…、そのホテルキャッスルチャイナも、代替わり。今やホテルキャッスルチャイナ、完璧に、天佑(チンヨウ)がその実権を握っている。当然、親譲りの方法は絶えず。…で、日本に帰ってきてからも上沼美和子さんは、常に天佑(チンヨウ)と…、連絡、し合っていたんじゃない…???」

「そういう事か~~。」
尚登。

「…そして、上沼美和子さんは、数年掛けて、ベンチャー企業を立ち上げた。それ以前にも、それらしい布石となる会社を立ち上げては会社名…、変えていたようだけど…。現在のベンチャー企業が、本領発揮。」
日比谷の顔が笑顔に変わる。
「そして、今。ホテルキャッスルチャイナの手を借りてでも、横浜トランキルマンヘブンズホテルを手中に収めたい。ただ、今現在の上沼美和子が横浜トランキルマンヘブンズホテルを手中に収めたとは言え、業界からは、まず無名に近い。それよりも、世界で名だたるホテルキャッスルチャイナからのM&Aであるならば、それが成功した暁には無名ではあるが、実績としての将来は約束される。」

美琴、ここまでの話を聞いて、
「なんと…、お粗末。」

その声に尚登、美琴に振り向いて、
「え…???」

「でもね~~。」
日比谷。
「これって…。まっ、確かに、未だにM&Aとしては成立していない。けれども、実際に世間様に知れ渡っている訳だから~~。列記とした犯罪。未然とは言え…。そして…、仮に、成立したとする。…と、なれば~~。金額的には億単位のお金は流れる事に成る。…なんだ…けど~~。」
そこまで言って日比谷、
「あっ。でも…、無理か…。仮に…、あなた…、私の目の前にいるあなたが…、上沼美和子さん…であるとして…。あなた…、監獄行きよ。」
そして日比谷、
「何故だか分かる…???」

それでも光浦は黙認したままで…。

画面を見ながら葉子、そして日比谷も、同時に、
「犯罪デューデリジェンス。」

杏樹、日比谷に、
「えっ…???」

瞬間、海江田、そして紫も都沢も、
「えっ…???」






こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,146.   紫、「凄い事になってる。」

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