「でも…、羨ましい…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.153.

 ドキドキ 「でも…、羨ましい…。」
いきなり秀美。

その声に輪湖、
「へっ…???」
秀美を見て…。

葉子も秀美を見て、
「ん~~~???」


後ろの方から、「すみませ~~ん。」その声に秀美をチラリと見た佐武郎が、声の下に。


虎一郎、秀美に、
「羨ましいって…、何が…???」

その声に秀美、
「同じ大学出身でも、全然違う。それに、海江田課長とでも、凄い息ピッタリで…。」

瞬間、虎一郎、
「ぷっ。は…???」

けれども虎一郎以外の輪湖と匡子は、僅かに顔を下に向けている秀美を見て、
「えっ…???」

葉子は空を見ている。

獏も空を見て、左手3本指で口を覆うようにして、
「ふ~~ん~~???」

虎一郎、
「まっ。でも、秀美ちゃんは、まだまだ、これから~~。ようやく、仕事も…、慣れてきたんじゃない…???」

輪湖、そんな虎一郎の頭を左手甲でペン。
「バカ。」

匡子、思わず、
「まっ。そりゃあ~~。ねぇ~~。偶然にも、偶然が重なって…。獏は、私の甥。まぁ~~。叔母が、店やっているって…。それに、百貨店にも近い場所で…。だから、朝以外は…。今は…。」
そして匡子、
「それに…、仕事でも、今は、その…なんだ…???M&A…っての…。なんとかの…、メンバー…なんでしょ。」

獏、
「対策室ね~~。」

匡子、一瞬も秀美を見て、頭の中で、
「…この子…。」

輪湖も秀美を見て、頭の中で、
「…もしかして…、秀美ちゃん…。あ、れ~~~。」







店の帰り道、虎一郎、秀美に、
「はは。秀美ちゃん、全然、いつもと同じだったじゃん。サブちゃん、チラチラと秀美ちゃん、見てたようだけど…。それほど…。」

その声に輪湖、
「コイチ、あんたね~~。」
そして、呆れたように、
「さすがは、デリカシーなし。」

その声に虎一郎、
「はぁ~~あ~~???」

輪湖、葉子を見て、
「ねっ。葉子~~。」

葉子は、口を真一文字に、目を丸く、
「まぁね~~~。まっ。とにかく、いつも通りのコイチだよ。」
そして葉子、
「秀美ちゃん、いつも通りの秀美ちゃんでOKよ~~。」

秀美、葉子を見てニッコリと、
「はい。」




そして…それぞれが駅の構内で別れて…。

輪湖と葉子、ふたりは同じホームに。

輪湖、葉子に、
「ねね、葉子~~。」

葉子、
「ん~~~???」





店ではまだ獏が…。客の帰った後始末に佐武郎と匡子。
そしてまた別の客が入ってくる。

匡子、
「いらっしゃいませ~~。」

「ママ、いつものね~~。」
「OK~~。サブちゃん。」

匡子に佐武郎顔をコクリと。

獏、ビールを飲みながら、
「さすがに、選葉子、だよな~~。感情表現はなくとも、考えている…と、言うか、インスピレーションが凄い。宮越先生とも、堂々と…。な、感じ~~???」

匡子、その声に、
「うんうん。そうみたいね~~。…でも、ヨウちゃん、あの子、何処からそんな…???」
そして匡子、
「とにかく、不思議な女性~~。」
そこまで言って匡子、獏に、
「それでも…、彼女、ナンシーとは顔…、全然…???」

獏、いきなり出て来た名前に、
「えへ…???」
そして顔を傾げて…。でも、
「ふん。全然。」
顔を左右に振る。

そんな獏に匡子、両眉を吊り上げて、
「ふ~~ん。」
そして口をへの字に、
「変なの~~。誰が見ても、瓜二つじゃないのさ。」





輪湖の声に葉子、
「やっぱりねぇ~~。」

輪湖も、
「ねね、葉子もそう思ったでしょ。」

「…と言うか、あの時、多分、匡子さんも、そんな風に…。」
前を見ての葉子。

電車が近づいてくる。

輪湖、
「課長は…、感じなかったのかな~~。」

葉子、前に進みながら、
「さ~~ねぇ~~。」

「…と言うか、葉子~~。あんたはどうなの…???…秀美ちゃん、葉子、課長と息ピッタリって…。ん~~???」

葉子から電車に足を、そして、輪湖に、
「はっ…???」
そして、
「へっ…???」

輪湖、葉子に、
「だから~~。」

空いているシートに腰を下ろしながら葉子、
「何…???…どういう事…???」

「課長の事~~???…葉子、どんな風に思ってるかな~~。」
そして輪湖、葉子の傍に座り、
「なんちゃってね。」

葉子、間髪入れずに、
「怒るよ。」

瞬間、輪湖、
「へぃへぃ。」

葉子、ポツリと…、
「こんな私、どこがいいのよ…???」


電車が動き出す。


葉子、またポツリと、
「そっか~~。サブちゃん、秀美ちゃんをか~~。…まっ、確かに…。チラチラとは…、見てたよね~~。」

輪湖、
「さっすが、葉子、見てるじゃん。」

「そりゃ、そうでしょ。これでも教育係~~。」
「はいはい。でした~~。」

「…とは言え…。秀美ちゃんは、海江田課長かぁ~~。」

輪湖、顔を揺らしながら、
「ふ~~ん。さてさて。どうなるぅ~~???」





虎一郎、吊皮に掴まりながら、目を丸く、口を思いっきり絞って、頭の中で、
「…なんなんだよこのおばはん、香水、きっつぅ~~~~。」






こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,135.   「でも…、羨ましい…。」

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