路上で進む気配なく、止まったままの車。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.149.

ドキドキ 「へぇ~~。そぅなんだ~~。」
目を真ん丸にして葉子。

ビールを飲みながら稜平、
「なんなら…、四方山話ついでに、話、してみよぅっか…???…って言うか、一度…、会ってみる…???…予定…、入れてみるけど…。物凄い、人となりの良い人。」

その話に葉子、ますます目を丸く、
「へっ…???いいの…???」

稜平、つまみを食べながら、

「かかか、いいに決まってる~~。娘が困ってんだ、当然だろ~~。」

葉子、すかさず口をにんまりとさせて、
「さっすが~~とうさん。恩に着る~~。」

稜平、右手を左胸に、
「何なりと。お任せあれ。」

そこに爽太、
「ただいま~~。」

由佳理、
「あっ、うん。爽太~~。おかえり~~。シンガポール、どうだった~~???」

爽太はこの1週間、海外旅行の添乗でシンガポール入り。
東京に帰ってきたばかりだった。

爽太、すぐさまキッチンに入るなり冷蔵庫から缶ビールを、
「暑いに決まってる~~。…でも、さすがに気持ち良かったよ~~。みんな、喜んでくれた~~。」

由佳理、ニッコリと、
「うんうんうん。良かったね~~。」

「シンガポールか~~。たま~~には、行ってみたいね~~。」
稜平。

「…って、言うか、とうさんの場合は、取材でしょ。ははは。」

そんな爽太に、稜平、ニッコリと、
「まぁな。」




カフェ匡子。匡子、獏が帰って凡そ1時間後。

匡子、
「サブちゃん、そろそろ上がっていいよ~~。」

そんな匡子に佐武郎、ニッコリと。そしてお辞儀をして。

匡子もニッコリと、
「うん。お疲れ~~。」




獏はまだ、マンションの手前数百メートル地点をテクテクと。




そして、こちら。輪湖は、既にベッドの中、モデルのレオ様の抱き枕を抱きながら…。

そして、こちらは…、虎一郎。Tシャツに短パン、机の上のパソコンの画面を…。
仕事の持ち帰りの様子。

そして、こちらは…。パックをしながらパジャマ姿で胡坐の秀美。
ファッション雑誌を繰っている。

選家では、爽太が先にシャワーを浴び、そして葉子がこれからお風呂へと…。





そして翌日。海江田と都沢、そして紫と葉子はいつものように専用カーで横浜に。
日比谷は別行動にて横浜入り。


そして、先にホテルに着いていた日比谷、杏樹と尚登に出迎えられ…。
お互いに名刺交換。

日比谷、
「初めまして。扶桑の日比谷と申します。」

杏樹、
「初めまして、トランキルマンヘブンズの久留巳…と、申します。」

尚登も、
「初めまして。同じく、阿刀田と申します。」

そしてふたり、共に、ソファに座るように。
そして尚登、フロントに向かって。





「おっかしぃなぁ~~。さっきから…、全然…進まないんだけど…。」
都沢、ハンドルを握って、人差し指でトントンと。
路上で進む気配なく、止まったままの車。

助手席で、
「ふ~~ん。」
海江田。

紫、
「あ~~っと、あった、あった。やっと出た~~。事故だわ、やっぱ…。」

隣では葉子が指でササササッと。

そして紫、
「わ~~~。10キロの渋滞。」

海江田、
「うそ。」

ようやく、車一台分がゆっくりと…。

葉子、
「都沢さん、その信号、右、お願いします。」

その声にいきなり都沢、
「え゛っ!!!右って…、方向…、全然、違うけど…。」
後ろを見て葉子に。目を真ん丸にして。

タブレットを見ながら葉子、
「お願いします。」

「あ…、は、はい。」

紫、体を葉子に傾き、
「何、見てんの…???」

葉子、画面を見ながら、
「100メートル先の交差点、右です。」

都沢、
「あ、はい。」

海江田、すぐさまナビをチェックして、
「ん~~~???」
そして、自分もタブレットを…。スワイプ、そして拡大。

都沢、
「ここを…。右…。」
そして、走ると、
「えぇ~~~。思いっきり…、方向…、真逆~~。」

その声に海江田、
「いいから。」

都沢、
「へっ…???」

すると、また葉子、
「もうすぐ行くと、三叉路に…。その三叉路、真ん中に入ってください。」

都沢、
「三叉路…、三叉路。あっ、あった。」

海江田、
「左は、入ったら、行き止まり。」

その声に都沢、
「うそ。」

葉子、
「そのまま真っすぐ。」

都沢、
「え…???…でも、どんどん離れちゃって…。」

海江田、
「いいから…。」

紫も懸命にタブレットを…。そして、葉子のタブレットの画面を見ながら…。
「葉子…、どこ見てんの…???」

都沢、
「へっ…???高速っ。」

「そのまま入ってください。」
キッパリと葉子。

「うそ~~。」

海江田、

「入って、次で下りる。」

「はい…???」
「そして、次で下りて…。」

都沢、
「いやいやいやいや。何処走ってんのか…、さっぱり…。」

「その道、真っすぐです。」

葉子。

海江田、
「ふんふんふん。」

そして紫、
「ひゃ~~。や~~っと現在地、分かった~~。」






こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,104.   路上で進む気配なく、止まったままの車。

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庄司紗千「海をこえて」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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