通に顔を近づけて、「ありがと。5トンのダイナマイト。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

THMIS mama “お洒落の小部屋”

好きになれない。  vol.203

ドキドキ 匡子、リビングで2人にコーヒーを…。そして、2人に、
「サ~~ンキュ~~。」
通に顔を近づけて、
「ありがと。5トンのダイナマイト。」

その声に通、
「気を付けてよ~~。いきなり、油で揚げた途端に、バン。堪ったもんじゃないからさ~~。」

椅子に座りながら匡子、愛生に、
「まだ言ってるよ。」

愛生も、
「かかかかか。」

匡子、
「あっ、そうだ、通ちゃん、獏、日本に来てる。」

途端に通、
「え――――――――っ!!!」
いきなり椅子から立ち上がり、ソファまで急ぎ足で…、
そしてソファに倒れこんでクッションを頭に。
「え――――――っ!!!いつ…???いつ…???…バクハツすんのよ。大変、大変。」

そんな通に愛生、
「ぶっ。くふ。」

いきなり匡子、通に、
「そっちのバクじゃない。私の甥っ子のバク。」

いきなり通、ダラリとしながら立ち上がり、
「何よ、それ、最初に言いなさいよ。」

瞬間、匡子、愛生に、そして通りに口を尖らせながら、
「いやいやいや。最初っから、言ってるじゃないよぉ~~。ねぇ~愛生ちゃ~~ん。」

愛生、
「あ、あの…、匡子さん、獏って…???」

匡子、
「あぁ~~。そっか~~。愛生ちゃんは、獏、知らない…かぁ~~。」

「ロンドン生まれのシカゴ育ち。外資系のマザコンと雑誌の編集者のファザコンの間に生まれた変態男。」
椅子に座ってコーヒーを飲もうとした途端に、匡子の右手が通の頭の後ろを、パコーン。
通、
「…って、痛い。」
匡子を睨んで…。

愛生、クスクスと笑って、思わず両手で口を…。
「カカカカカ。」

匡子、
「誰がロンドン生まれのシカゴ育ち。なんで、外資系のマザコンと雑誌の編集者のファザコンの間に生まれた変態男よ~~。列記とした真面な日本人っ。な~~に言ってんだか~~。小さいときから可愛がってたくせに~~。」

愛生、
「へっ…???…そうなんですか~~???」

「う~~ん。元々は、私の兄貴が2つ星の店のスーシェフをやってた通ちゃんの味に一目惚れをして通い始めてて。それから通ちゃんとプライベートでも仲良くなって~~。兄貴が仕事で失敗したときに~~。外資系の仕事を兄貴に紹介してくれたのが~通ちゃん。だから…、結構兄貴とは付き合い、長いよね~~。」
匡子。
「でぇ~~。通ちゃんが自分の店を持って~~。その頃、私も自分の店持ちたくって…。その時に、兄貴から紹介してもらったのが、通ちゃん。」

愛生、その話に、
「へぇ~~~。全然、知らなかった~~。」

「しかも…。」
「ふん…???」

「何と。」
匡子、通の顔を薄目で睨みながら、
「その、外資系のマザコンと雑誌の編集者のファザコンをくっ付けたのも、通ちゃん。」

「うっそ~~~~。」
びっくり仰天の愛生。

匡子、自分もコーヒーを飲んで、
「ホント~~。」

通、
「まぁね~~~。参ったか、どんなもんだぃ愛生~~。かかかかか。」

「でぇ~~。」
続ける匡子、
「その、雑誌社のファザコン。獏の母親なんだけど~~。海江田鏡花。その鏡花さんの知り合いで~~。高村家の食卓のファンになったのが~~。扶桑の陣屋亜沙子と、蔵井氏学~~。」

「へぇ~~。そんな繋がりがあるんだ~~。うんうんうん。だからか~~。扶桑の財務企画の歓送迎会って、いつも、ウチなんだ~~。」
「まぁね~~。ウチよりは、数倍、広いから~~。」

「…で、獏、こっち来て、何してんの…今…???」
通。

「うん。扶桑の…、営業推進部の課長だって。」
「へぇ~~~。姉御と学ちゃんから、何も、聞いてないけど…。ふ~~ん。」

「何やら、財務企画に、6月から新しい子、入ってくるから、そっちの方が…大変じゃないの…???」
「あ~~、あ~~。うん。確かに、そんな事、言ってたね~~。…で、ヨウちゃんと輪湖が、その教育係。」

「うんうん。そうそう。…へっ…???通ちゃん、知ってたんだ…???」

「ふん。いや、姉御と学ちゃん、ヨウちゃんと輪湖に、その事、言ってたからね~~。俺の目の前で…。そっか~~。獏、営業に…、ねぇ~~。…あの子…、向うで、結婚しなかったんだ…???…てっきり…。結婚して永住…。かかかか。」
けれども、その瞬間、通、思わず愛生の顔を見て…。

その顔に愛生、いきなり、
「…ん…???」

匡子も、
「…へっ…???」

思わず通、ニッタリと…。
「えへへへへへへ~~。」

愛生、
「はっ…???」

匡子、両目を右左に…。そして、手を叩いて、
「あっ!!!わっ!!!」

愛生、いきなり、
「えっ…???…何々…、ふたりして~~。」

けれども匡子、
「…ん…???…でもな~~。」
腕組みして…、体を斜めに…。

通、いきなり匡子に、
「何…???…あんた…???…なんか文句あんの…???」

そんな通に匡子、
「はぁ~~あ…???…何も言ってないでしょうが~~。」






こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,036.   通に顔を近づけて、「ありがと。5トンのダイナマイト。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



《PR》
庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」

※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。

アメーバ