涼香、2階の3人を見て僅かに右手を上げて手を振る。
その姿が見えたのかその3人も涼香を見て手を…。
涼香、
「ウチのクラスの3人。いっつも一緒なの。」
恵、
「へぇ~~。涼香さんと同じクラス~~。」
そして…、翌日の部活にも、またその翌日の部活にも…。
「はぁあ…???またあの3人…。良く続くな~~。」
3年の勝浦智一(かつうらともかず)。
「かかかか。飽きねぇな~~。確か、涼香と同じクラスの…。一人は…、知ってるけど…、他のふたりは…。ん~~。」
内村洋二(うちむらようじ)。同じく3年。
「真ん中の、黛智花(まゆずみともか)しか、俺には分かんねえ。」
智一、
「まぁな~~。学年、トップクラスだろ。」
「あぁ。」
休憩中もその3人は互いにお喋りをしているのだろうか、バスケ部の様子を見ている。
和真、将輝に、
「将輝~~。理沙さん…、今年、まだ見ないけど…。」
その声に馨、将輝を見て…。
将輝、
「あぁ~~。おじさんもおばさんも、ちょっと忙しくって、この2週間は無理かもって…。リハと病院には何とか調整して行っているみたいだけど。」
和真、
「ふ~~ん。」
「なんてったって、おじさんは検察事務官、おばさんは元パラリーガル。忙しいよな~~。」
その声に部員の面々、いきなり、
「え゛―――――――っ!!!」
「うっそ!!!」
ドリンクを口にした己龍は、いきなり、
「ぶ―――――――っ!!!」
尚哉、
「おぃおぃ。それ、本当か~~???」
将輝、キョトンとした顔で、
「えぇ…。」
和真、
「かかか。凄ぇなこりゃ。マジで…???涼香もそれって…。」
涼香、
「えぇ…、しっかりと聞いてる~~。本人の口から~~。」
「おやおや。」
すると和真、
「それにしても涼香、あの子たち、毎日毎日…。」
涼香、
「ふ~~ん…???あぁ。智花と和咲(かずさ)、柚花(ゆか)ねぇ~~。かかかか、あの3人、いっつも一緒だから~~。いいんじゃない。」
その時、その2階から3人が右手でおいでのゼスチャー。
涼香と恵、顔を見合わせて。涼香、自分を指差して…。
すると3人もコクリと頷く。
涼香、顔を傾げながら、3人の方に。
すると3人の内のひとり。真ん中の智花が抜け出して、駆け足で下に…。
涼香、そんな智花に、
「何…???どうしたの…???」
すると智花、涼香に耳打ち。涼香、その声に目をパチクリと…。そして…、
「…まぁ…。邪魔にならない…ようなら…、良いけど…。」
すると智花、両手でパチパチと…。またすぐに2階に。
涼香、部員たちの下に。
そんな涼香を見て尚哉、
「ん~~???」
「近くで見てていいかって…???」
その声に弓狩、
「ほぅ~~~。」
「邪魔にならないように…、なら、いいわよって…。」
和真、
「ふ~~~ん。」
すると3人、スルスルと恵の隣に、
「こんにちは~~。」
恵、
「あっ、こんにちは~~。」
ペコリと。
そして3人、
「お邪魔しま~~す。」
弓狩、3人を見て、
「どうぞ、どうぞ。」
するとまた3人、
「ありがとうございま~~す。」
尚哉、
「よ~~し、始めるか~~。」
そして、また練習再開。
その光景を見ながらの3人、いろんな場面で両手を叩いて何度も頷く。
そんな3人を見ながら涼香も、笑みを、
「ふふ。」
そして、練習が終わる頃には3人共に弓狩たちに丁寧に頭を下げて、
「ありがとうございました~~。」
弓狩も、頭をコクリと、
「ありがとうな~~。」
3人、体育館を出ていく。
そして…、次の週の月曜日も…。
尚哉、3人を見て、
「しっかし…、マメだね~~。」
和真、
「かかかか。ほんと。」
そして…、火曜日。
弓狩の隣には、理沙。そして、涼香の隣には和奏。
そして、3人がまたスルスルと。3人、見掛けない女性2人を見て、
「……。」
智花、恵に、
「ねね。弓狩監督の隣の…、車椅子の…。…と、涼香の隣…。」
恵、
「あぁ~~。はい。瑞樹理沙さんと、そのおかあさん。」
その声に智花、顔を傾げて、
「みずき…りさ…???おかあさん…???」
すると今度は、和咲、
「えぇ…???ウチの高校…???」
恵、
「あ~~、いえ…。名城高校の…。」
智花と和咲、
「名城…???…名城の子が…、なんで…???」
恵、
「えっ…???…あっ、いや…。」
そして恵、涼香に、
「涼香先輩。すみません。」
涼香、
「えっ…???どうしたの…???」
すると智花、涼香の隣の人を見て。
涼香、
「へっ…???…あ~~。ふふ。」
和奏を見て…。
「瑞樹さん。」
和奏、キョトンとして涼香を、
「えっ…???あっ、はい。」
すると3人、頭の中で、
「…綺麗な人~~…。」
信じて…良かった。 vol.168. 涼香、「ウチのクラスの3人。いっつも一緒なの。」
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