将輝を自宅の前で下ろして和奏、
「じゃね、またお願い。」
将輝、
「ありがとうございました。いつもごちそうになって。」
「ううん。…あっ、それと…、今度は麗亜ちゃんも連れてこっか。いっつも麗亜ちゃん、家でお留守番なんて…。今日、流美さんは…???」
ガレージの方を見て…。
2台分のガレージ。車はない。
将輝、
「もしか…して、買い物…???」
そして和奏を見て、
「はい。分かりました。麗亜には言っておきます。」
「うん。ありがと。じゃね。」
夕方、蒼介が理沙の怪我を、
「おっと~~。」
理沙、
「うん。でも今はもぅ、なんともないけど…。」
蒼介、
「それにしても、初シュートかぁ~~。」
「うん。なんとかね~~。」
「でぇ~~。何々、ラーメン拓~~???」
「すんごい美味しいの。」
その声に蒼介、
「かかかかか。未だにあの味は健在なりってか~~。最近、行ってないなぁ~~。」
「おじちゃん、首を長くして待ってる~~って。」
キッチンで和奏。
「だよな~~。」
「ねね、それともうひとつ、ビッグニュース。」
理沙。
蒼介、
「ビッグニュース…???」
和奏も、
「ビッグニュースって…???…他にも何かあるの…???」
理沙、
「うん。おかあさんには、この怪我、保護室で診てもらったって言ったけど~~。何と、その保護室の元看護婦さんって言う人。薬師丸ひろ子にそっくり~~。」
和奏も蒼介も、
「へぇ~~。」
「顔も声もそっくりでもぅ~びっくり。」
和奏、
「いるのね~~。そう言う人って~~。」
理沙、
「うん。…そして、これがまた凄い。」
蒼介、
「えへ…、まだあんの。」
顔をコクリと理沙、
「なんと、その看護婦さん、漆原総合病院の元看護婦さん。」
すぐさま和奏、
「え~~~~。」
蒼介、
「おぃおぃ。」
理沙、思わずうふふ感で、
「今度行ったら、聞いちゃおぅっ。」
和奏、冷蔵庫から缶ビールを…。そして蒼介の前に、
「ほぃ。」
「おっ、サンキュ~~。」
そして蒼介、
「あっ、そうだ~~。」
和奏、
「う~~ん…???」
「今度さ、スポーツセンターに、ビデオ持ってってよ~~。」
和奏、瞬間、
「あっ、そうだ~~。うんうんうん。忘れてた~~。かかかか。もぅ~~。理沙の体とバスケばっかりに頭が行って~~。ビデオ、あったね~~。」
すると和奏、
「あ~~ん、もぅ~~。この前のバーベキュー、ビデオ、撮り損なったよ~~。」
理沙、
「ビデオかぁ~~。」
蒼介、
「あ~~。今じゃ、ふたりとも、大きくなって、あんまり撮る機会ないけど…、小っちゃいときは、とにかく撮ってばっかだったから。」
「へぇ~~。」
和奏、
「うんうん。今度、持っていこう。」
けれども理沙、
「な~~んか、恥ずかしいって…。思ってるの…、私だけ…???」
瞬間、和奏と蒼介、目をキョロキョロとさせて…、
「うん…???」
そしてお互いに、
「ぷっ。」
蒼介も和奏も、
「まぁまぁまぁ。」
理沙、そんなふたりに、
「なんだか、おとうさんもおかあさんも、私…。」
蒼介、
「な~~んでもないって~~。」
理沙、すぐさま、口をぐんにゃりとさせて、
「ふ~~ん。」
夜、ベッド上で和奏、蒼介に、
「ねぇ、蒼介~~。」
「ん~~???」
「今日さぁ。私、凄いの、耳にしたんだけど…。」
その声に蒼介、
「えへぇ~~~???」
「理沙、将輝君の事、将輝って、呼び捨て。」
いきなり蒼介、
「うそっ!!!」
「ううん、ほんと。」
いきなり蒼介、和奏の方を見て、
「あの理沙が、将輝君嫌いの理沙が、将輝君を呼び捨て…???」
「うん。」
そして和奏も蒼介の方に体を、
「今日、もしかして、あの怪我で、何かあった…???」
いきなり布団の上で腕組みの蒼介。
「ん~~~。」
体を元の位置に和奏、
「ふふ。今度、小野倉さんに聞いてみよぅ~~っと。」
蒼介、
「うんうんうん。かかか、だ~~な。」
次の日曜日の部活で…。
涼香も弓狩も、将輝から話を聞いて、
「へぇ~~。理沙さん、初シュートかぁ。」
「かかかか。しっかりと、進展してますね~~。」
椅子に座りながら、ポットの飲料を飲んで、
「その調子、その調子。うんうん。」
瑞樹家では、杏美達が遊びに来ていて、
「あん。明後日からは、中間試験だよ~~。」
その声に理沙、
「アズたちはまだいいよ~~。私なんて、2か月遅れてるんだから~~。もぅ~最悪~~。追いつかない、追いつかない~~。」
雅美、
「かかかか。確かに~~。」
信じて…良かった。 vol.120. 蒼介、「それにしても、初シュートかぁ~~。」
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