「ふぅ〜〜。やっと着いた〜〜。」理沙。 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.150.

ドキドキ 「ふぅ〜〜。やっと着いた〜〜。」
理沙。

「だ〜〜ね〜〜。」
将輝。

「かかかか。まさか、おかあさんもおとうさんも来れなくなるなんて…。」
「そういう…事も…、あり…だ〜〜ねぇ〜〜。」


蒼介も和奏も、急遽、仕事上の都合で急ぎの要件が入っていた。
致し方なく、和奏の車で理沙も将輝も最寄り駅まで。
そこから電車で障害者スポーツセンターの最寄り駅まで。そこからは徒歩である。


スマホで現在地から障害者スポーツセンターまで。

理沙と将輝、
「えっ…???」

そして顔を見合わせて、
「意外と、近〜〜い。」
「うんうんうん。歩いて…、もしかして…、10分…???」

理沙、
「かかかか。」



そして…。

小野倉、
「あれ…???…今日は…、おかあさん…か、おとうさん…???…えっ…???」

理沙、
「それが〜〜。」

話を聞いて小野倉、
「おやおやおやおや。そっか〜〜。かかか、忙しいね〜〜。おし。んじゃ。」

理沙、
「はい。」

将輝、
「ども。」


そして、いつも通り。整列から…。ゲームが始まる。

小野倉、ゲームを見ていて、
「かかかかか、これも菅田君の御蔭かな、日に日に動きが良くなってきてるじゃない。ん~~???」

その声に将輝、照れながら、
「そんな事ないっすよ~~。」
少し赤ら顔に。
「…けど、やっぱり、実際にゲームしてみるのって、本人にとっては、一番なのかも…知れないっすね~~。」

小野倉、腕組みをして、
「あ~~。」


そして、第1ピリオド、5分が過ぎた後。

いきなり小野倉、
「あ~~~っと。わお。」
将輝を見て…。

将輝も、
「いぇ~~い。」

すぐさま小野倉と一緒に拍手。

小野倉、
「凄ぇ~~。初シュート、決めた~~~。かかかか。」

将輝、
「うんうんうん。」

理沙、女の子とハイタッチ。そして大柄の男子ともハイタッチ。

小野倉、
「いやいやいや。うんうんうん。」

その、理沙のシュートで、何かしら流れが変わったかと…。
その時、男性同士がぶつかり合いながらもパスを理沙に。
…けれども、そのパスが乱れて少し理沙の…、わずか離れた方向に…。
懸命に右手を伸ばした理沙。
その時すぐそばにいた男子も手を伸ばし、瞬間、理沙は車椅子毎転倒、
その拍子に男子の車椅子も…。

いきなりその場を立った将輝、
「理沙っ!!!」

小野倉も、
「おっと~~。」

将輝、すぐさま駆け足で理沙に。
「理沙。理沙。理沙。大丈夫か、理沙。」

頭と肩から床に倒れた理沙。目を閉じたまま。
わずかに身体を起こされて、ようやく目を開ける。
「痛った~~~。」

「おぃおぃ、大丈夫か…???」

その声にようやく気付く理沙。
「あった~~。」

 

男子の方はひとりで何とか体勢を起こして、倒れたままで、
「ごめんなぁ~~。大丈夫か~~???」

将輝、
「どっか、痛いとこ…???」

小野倉、
「菅田君、ちょっといいかな…。」

将輝、慌てて、
「あっ、はい。」
理沙の体を支えたまま。

小野倉、
「おぃしょっと。」

将輝とふたりで車椅子と理沙の体を元に。

小野倉、掴んだ車椅子のハンドルを将輝に、
「少し、休んでて。」

将輝、
「あっ、はい。」
将輝、車椅子を押して。

理沙、
「わ、私…。」

将輝、
「パスを、受け損ねて…。」

理沙、右肘から肩に左手を…。そして頭の右にも。そして右手で頭を…。
「あっ。そっか~~。」

理沙の頭を見て将輝、
「どっか、痛むとこは…???」

小野倉、倒れた男子の下で…。男子は右手を掲げて。
そして小野倉も右手を。そして理沙の下に。
「大丈夫ですか~~???…どこか、痛むとこは…???…ちょっと、袖、肩までいいですか…???」

理沙、言われる通りに袖を肩まで捲って…。

「特に…問題、ないようだけど…。」

理沙、
「少し、肘と肩、頭が…。床に倒れたショックで…。」

「あ~~。ん~~。まっ、本格的なゲーム。特に、プロのゲームになると、今みたいな事って、よくあるんだけど…。」

将輝、
「僕らだって、試合で、相手とぶつかり合う事なんて、しょっちゅうですから…。」

「うん。でも、それは健常者の場合…。こっちは障害者だから…。」
そして小野倉、
「無理する事、ないよ。」

その声に理沙、
「あっ、はい。」
そして右手で髪を…。

瞬間、将輝、
「お~~~い。」

その声に理沙、
「えっ…???」

将輝、理沙の右手を取り、理沙の指でこめかみの上の部分を…。

理沙、瞬間、
「あいた。」

「傷になってんぞ。少し血も。」

小野倉、
「…ん…???」

理沙、
「うそ。」
そして自分の右手の中指を見て、
「わっ。」

小野倉、
「とにかく、場所を変えよう。」






「ふぅ〜〜。やっと着いた〜〜。」理沙。

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