一樹、
「あぁ。昨日、涼香さん、先生に電話してから将輝君にも電話しているはず。」
話を聞いて理沙、
「そっか~~。」
「で、瑞樹はどうなんだ…???」
「うん。」
理沙、
「おかあさんにも話したけど~~。うん。私、やってみたい。」
瞬間、一樹、ニッコリと、
「そか。うん。じゃ、先生から涼香さんには連絡しとく、OKだって。あっ。けど…、おとうさんには…、この事…???」
「あ~~。」
理沙、少し顔を傾げて…。
「…でも。うん。おとうさん、仕事から帰ったら私から言う。先生からおかあさんに電話があったから、大丈夫だと、思うんだけど…。」
一樹、その声に、
「分かった。…一応、先生から話、進めておくから。」
「は~~い。」
「じゃな。」
トレーニング・ウエアの一樹が画面から消える。
鴻上高校バスケ部。
涼香、
「将輝~~。」
名前を呼ばれて将輝、涼香と弓狩の下に。
弓狩、
「涼香君から聞きました。よろしくお願いしますよ、将輝君。」
その声に将輝、
「あっ、はい。分かり…ました。」
翌日には理沙、午前中にリハビリ、そして午後からは漆原総合病院へと。
駒田、和奏と理沙から話を聞いて、
「おやおやおや。理沙君、今度は障害者スポーツセンター。」
目を見開いて、
「かかかかか。それは凄い。うんうんうん。とにかく頑張れ。かかかか。いやいや、先生からも大絶賛するよ。何々、自分の患者だった女の子が、ここまで頑張れる。かかかか。こっちが頭が下がる。」
駒田、話しながら薄っすらと目に涙を…。そして、笑いながら、左手中指で左目尻に、
「いや~~。嬉しい~~。かかか、ありがとうな~~、理沙く~~ん。」
そしてナースステーションでも、看護師たち、
「うそ――――――っ!!!障害者スポーツセンタ~~???」
凪、
「いやいやいやいや。凄いじゃん。…で、あの、担任の…、八倉先生と、そして将輝君…???」
理沙、頭をコクリ。
和奏、
「もぅ~~。とにかく、みんなに応援してもらって~~。」
春風、
「主任~~。かかかか。」
そして、
「あん。今日、師長、休みだから~~。ラインで知らせてあげなきゃ。」
そして春風、理沙を背中から抱き締めて、
「や~~るぅ~~。」
そして看護師たちを見る目にうっすらと涙。
その涙を見て凪も薄っすらと、
「うんうんうん。まだまだこれから。頑張れ~~。」
「ねね。…で、将輝君とは…???」
いきなり須美。
瞬間、凪、
「こら~~。須美さ~~ん、それはタブ~~。」
その声に須美、
「あっ、すみませ~~ん。」
和奏、そんな須美に苦笑いを。理沙は唇をすぼめて…。
そして和奏、理沙、看護師にさよならを…。
和奏と理沙の後ろ姿を見て凪、
「もぅ…、理沙さん、車椅子、ひとりで大丈夫だもんね~~。」
春風、
「うんうん。凄いよ。」
看護師たちにも応援をもらい、そのまま、一旦は帰宅。
そして、和奏も理沙もトレーニング・ウェアに着替えて鴻上高校に。
ここでも既に理沙の車椅子を押す人はいない。
むしろ、自分で車椅子を操るときかないのだ。
和奏、体育館のドアを開けて。
涼香、
「おっ、来た来た。」
和奏、理沙、涼香、そして恵と弓狩の下に、お辞儀をしながら…。
涼香お辞儀をして、
「いらっしゃい。」
恵、
「はは、理沙さん、元気~~。」
理沙、恵に、
「うん。」
弓狩は椅子に座って、笑顔のままで、そして右手をふたりに。
和奏、
「弓狩監督、今回は、ありがとうございます。」
その声に弓狩、
「ほっほっほっ。いえいえ。とんでもない。」
右手を振り、
「何、久しぶりの会合でバッタリとセンター長に会いましてね~~。」
練習を見つめて弓狩、
「将輝君に、お願いしようと…。…で、涼香君に。」
和奏、
「ありがとうございます。理沙。」
理沙を見て。
理沙も、
「ありがとうございます。」
涼香、理沙を見てニッコリと、
「…で…???」
首を傾げて、
「うん…???」
理沙、
「はい。やってみます。」
涼香、
「うん。」
恵、ホイスル。
「ピ――――――ッ!!!」
部員たち、動きを止めて、それぞれが、
「おっ。」
「あは、来たね~~彼女。」
和奏と理沙に右手をかざしながら集まる部員たち。
和奏、お辞儀をして。
理沙、部員たちに右手を、
「こんにちは~~。」
信じて…良かった。 vol.101. 「私、やってみたい。」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。