馨、
「いやいやいや。全然そんな風には…。」
間髪入れずに栞奈、
「ビンゴ~~。剣道~~。」
将輝、
「え~~~???」
馨、
「全~~然…、想像…付かない。」
栞奈、
「かかかかか。しかも、アズちゃんと一緒に、中学ん時には剣道やってたの。」
将輝、
「えっ…???あずさんも…???」
その瞬間、理沙、
「ぷっ。あずさんって…。」
杏美、思わず目をパチクリ。
栞奈も、
「くくくくく。」
将輝、
「えっ…???俺…、今、何か変な事言った…???」
まだ、
「かかかか。」
笑いが止まらない理沙。
栞奈も、
「くくくく。」
けれども、杏美だけ、膨れっ面をして、
「おぃ。理沙。それって…、私に対して失礼じゃな~~い~~。」
蒼介、笑いながらも、
「かかか。うんうん、アズちゃんに対して失礼だ~~。理沙もお姉ぇも~~。」
すかさず栞奈、自分に指差して、
「えっ…???…って、私も…???」
首を傾げて。
蒼介、
「そうだよ~~。お姉ぇだって笑ったし~~。」
そして蒼介、将輝と馨に、
「あのね。…ん~~。でも…、しょうがないかぁ~~。みんな、杏美ちゃんの事、あず、あずって言っているから。」
将輝、その声に、
「へっ…???あっ、いや…。え…???違うの…???」
蒼介を見て、栞奈や理沙を見て、そして杏美を見て。
馨もポカ~~ンと…。
蒼介、
「水森杏美。さん。だよ。」
将輝、
「水森…杏美…。」
瞬間、
「わっ。…あ~~。だからか~~。あずって…。」
杏美、将輝と馨にチョコンとお辞儀をして、
「水森杏美です。コンニチワ。」
途端に馨、そして将輝もチョコンと頭を下げて、
「こ、こんにちは。」
すると杏美、
「へっ…???…玄関の前に自転車あるけど…。自転車で…???」
将輝と馨、
「あっ、あ~~。家の人は…、仕事だから…。」
「俺は…、将輝に…言われて…。」
蒼介、
「まま、ふたりの方が、バスケ…、本格的に見れるから…。な~~に、今の…凄かったよ。さすがだわ。」
栞奈、
「うんうんうん。」
「理沙も、鴻上のバスケ、見てるけど…。家でも気軽に見れると…。…って言うか…、こんな事言ったら、ふたりに申し訳ないけど…。」
将輝と馨を見て蒼介。
将輝、いきなり右手を振って、
「いえいえ。そんな。なぁ~~。」
馨を見て。
馨も、
「え~~。とにかく、自宅にこういうのあるなんて、俺なんかにしたら、もぅ、羨ましい限り。」
杏美、
「自転車で、どのくらい…???」
その声に将輝、
「え…っと~~。」
「45分くらい…、掛かったかな…。」
馨。
途端に栞奈と理沙、
「へぇ~~~。45分。わお。」
「あっ、でも、信号も入ってだから…。」
将輝を見て馨。
栞奈、
「あっ、そっか。」
蒼介、
「いや。でも凄いよ。将輝君は先週の日曜日に初めて来て、それで今日だから…。」
馨が、
「うん。全然迷わずに…。おま、良く真っすぐ…。」
そんな馨に栞奈、理沙、杏美、
「へぇ~~~。」
杏美、
「元々、道…、知ってたん…。」
首を傾げて、
「な~~、訳…ないよね~~。」
すると杏美、意地悪な顔で、
「何か…、訳アリ~~???んふ~~???」
馨が将輝を見る。
将輝、途端にわずかに赤くなり、
「ん…。いや…。そんな…の…は、ないけど…。ま…。前に…通った時、あったから…さ。」
馨、
「前に…って…???」
目をパチクリと…。
「ふん…???」
蒼介、
「まままま。いいじゃない、いいじゃない。うんうんうん。」
「お姉ぇ~~。ちょっと手伝って~~。」
リビングから和奏の声。
栞奈、
「あ、は~~い。」
そして栞奈、リビングに。
和奏、
「丁度、10時だからね~~。」
テーブルには飲み物とフルーツ。そしてお菓子。
栞奈、
「わお。」
「どうする~~???…天気もいいから、庭で食べちゃう…???」
「オ~~ケ~~。私、運んじゃう。」
和奏、ニッコリと、
「サ~~ンキュ~~。」
栞奈、トレイを持って庭のテーブルに。
「はい、10時のおやつ~~。」
蒼介、
「おっと、こりゃいいや。みんな、食べよ、食べよ。」
けれども蒼介…、
「…とは言え、椅子が…、かかかか。4つしか…、なくって…。」
すぐさま将輝、
「いやいや。俺たちは…。なぁ、馨~~。」
馨も、
「えぇ、全然、立ったままで…。」
和奏もトレイにグラスを…。
信じて…良かった。 vol.092. 将輝、「えっ…???あずさんも…???」
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