将輝、そんなふたりの反応に嬉しそうに、
「ほら、スラムダンクの三井寿、スリーポイントの…。」
すかさず杏美、
「うんうんうん。知ってる、スラムダンク。三井寿。あの…不良が、心改めてバスケに。」
理沙も、
「うんうん。最初は長髪で…。でも…。」
将輝、にこやかに、
「へぇ~~。知ってんだ。はは。」
馨も、
「はは。」
けれども、
「…ってか、俺より、お前じゃねえか、将輝。」
そしてふたりの女子を見て、
「こいつは、ゲームの要、ポイントガード。」
杏美と理沙、またまた、
「ポイントガード…。」
杏美、斜めに空を見て、
「…って事は~~。スラムダンクで言う…、宮城リョータ…???」
将輝、いきなり笑って、
「かかか。凄ぇ~や。知ってる~~。」
理沙、
「えっ…???…でもさ。宮城リョータって…、ゲームの要…なの…???」
馨、
「まっ、確かに、スラムダンクじゃ、ほら、主人公の桜木、そしてゴリの赤城が要って印象あるけど…。」
理沙も杏美も2、3度、頷く。
「…でも、スラムダンクじゃ、ゴリはセンター。桜木はパワーフォワード。でも、宮城リョータのポイントガードって言うのは、実は…、コートの中で、一番遠くの場所からチーム全体を見渡せる場所からの攻撃。」
そして、
「だから、ゲームの流れやメンバーの動きを見ながらゲームをどうやって進めるか、それを判断する役割…、それがポイントガード。つまりは司令塔の役割なんだ。」
「へぇ~~~。知らなかった~~~。」
目を見開きながら理沙、杏美。
そして理沙に杏美、馨のその声に隣の将輝を見て。目をパチクリ。
すぐさま将輝、顔を右左に、
「な…、なんだよ。」
瞬間、理沙も杏美も、何故か分からず、共に将輝に拍手する。
途端に将輝、顔をヒョコンと、
「えっ…???」
理沙、杏美、
「凄~~~い。」
須美、
「ぷっ。」
栞奈、
「おやおや。」
馨、将輝を見て、
「かかかか。」
将輝、途端に、
「そ…、そんな…、凄か…ねぇや。」
杏美、
「そっか~~。あの…、三井寿かぁ~~。」
将輝、
「だろ…。身長、185。でかいだろ。」
理沙と杏美、頭を2回、コクリ。
「でも…、まっ、俺と同じくらいの身長でもっと体格のいいのがウチにはいるけど…。」
理沙、杏美、
「へっ…???」
「バスケ部主将の、且元尚哉(かつもとなおや)。これがでかい。」
将輝、
「もしかして…、お前より、身長、高くねぇ…???」
「そぅか…???」
腕組みして馨、
「ん~~。そう…。」
右斜め上、空を見て、
「かもな~~。…まっ、けど、やっぱり、将輝には勝てねぇよ。」
瞬間、理沙、杏美、
「へっ…???」
「さっきから言ってるだろ、ポイントガードだって。まっ、確かに俺は、スリーポイントは得意だけど、コートの下は案外苦手なんだ。その分、将輝は外でも内でも関係なく早い。しかも、ドリブルテクニックは…都でも…、もしかしたら…トップクラス…???」
瞬間、またまた理沙と杏美、口に両手を、
「うそ―――――――っ!!!!」
栞奈、
「わお。」
須美も、
「凄~~い。」
将輝、馨の右二の腕を自分の左肩で押して、
「バカ、持ち上げんなよ。」
馨、杏美に、
「スマホ…、持ってる…???」
杏美、
「あっ、う、うん。」
少し赤らめた顔で…。右肩に掛けていたショルダーバッグの中から、
「あっ、は、はい。」
馨の前に差し出して…。
馨、
「ちょっといい…???」
杏美、
「うん。どうぞ…。」
と、言いながら、自分のスマホを見守るように、自然に馨の左傍に…。
馨、サササササとスマホを…。
杏美、
「ふんふんふん。わっ!!!」
馨、
「これっ。」
杏美にそのスマホを渡す。
杏美、
「わあっ。」
すぐさま杏美、理沙の下に、
「理沙理沙理沙理沙。」
いきなり自分の下に来た杏美に理沙、
「ふん…???」
「これこれこれこれこれ。」
栞奈も須美も、
「ん~~~???」
杏美のスマホの画面に…。
将輝、馨に、
「な~~にしたんだよ~???」
馨、そんな将輝を見てニッコリと。
理沙、
「わっ。スリーポイント~~。」
そして、数秒後、
「あっ、敵ボール取った。早っ。うわっ。いやいやいや。この大勢で、これで、入る~~。凄い~~。」
観客席からの撮影で、残念ながらハッキリと顔は確認しにくいが…。
信じて…良かった。 vol.036. 「…まっ、けど、やっぱり、将輝には勝てねぇよ。」
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庄司紗千 きっと大丈夫
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