薫子、「じゃ、いつも通りにねぇ~~。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

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好きになれない。  vol.130.

ドキドキ 丸1時間半、薫子と凛久、お互いにしっかりと汗を掻いて…。

薫子、
「さてと~~。上がりましょうか。」

凛久、
「そうですね~~。了解です。」

「じゃ、いつも通りにねぇ~~。」
そう言って自分から先に、ルームのドアに向かう薫子。

凛久、その瞬間、
「へっ…???いつも通りに…って…???アレ…???…なんか…いつもと様子…、違うんだけど…???…俺の…思い違い…???」

けれども数分後には…、凛久のその思い違いは…、嬉しい思い違いへと…。


いつもの居酒屋に向かった薫子と凛久。
何かしら薫子のテンションが高い。
しかも、凛久の話より、薫子の話の方が、長いのである。


食べて、飲んで凡そ1時間。

凛久、
「先生~~。どうしたんですか~~今日は~~。なんだか~~。」

その声に薫子、
「あっ。…そういえば…、羽田さん…。どうしたのかしらね。今日…。霧島さんと一緒だとばかり思ってたけど…。」

その声に、凛久、
「あ~~。それなんですけど…。なんか変なんですよね…。」

「変…???」
「えぇ…。しばらく…ジム…、休むわって…。」

薫子、瞬間、
「へっ…???羽田さん…、ジム、休む…???」

「えぇ~~。」
凛久、枝豆をつまみながら…。


しばしの…ふたりとも…、沈黙。


ビールを一口、薫子。
「霧島さん…さぁ~~。」

凛久、いきなりの薫子のその声に、
「えぇ~~。はい。」

「もぅ~~。こうやって…会うの…。よそぅ…。」

凛久、いきなりのその薫子の声に、胸がドキン。目をパチクリさせて、
「えっ!!!…いや…。あの…。その…。先生。成宮先生。一体。何…???何が…どうして…。なんで…???…そんな…???…僕、何か…変な事…???えっ…???うそうそうそうそ。勘弁…。」

物凄い慌てようの凛久。

そんな慌てる凛久を見て薫子、思わず目をパチクリ。
「霧…島…さん…???…なんで、そんな…ムキ…。」

凛久、また声を張り上げるように、
「ムキになるって…。当たり前…。」

瞬間、薫子、
「あっ。ごめん。」
そして口を噤んで目を真ん丸に。

凛久、途端に、
「はっ…???」

薫子、今度は顔を顰めて、
「ちょ~~っと、飲みすぎたかな~~。」
そして顔の前で両手を合わせて、
「ごめん。」

凛久、そんな薫子に、
「はい…???」

薫子、唐揚げを食べて、そして口を押えて、
「うんうんうん。ごめん、ごめん。私の…、言い方が悪かった。」
そして凛久に薫子、舌をチロリと…。

そんな薫子に凛久、ようやく気を鎮めて…。

凛久、薫子に、
「どう…いう…???」

薫子、右目を瞑って、口を真一文字に…。
「まっ、誰だって~~、もぅ~~。こうやって…会うの…。よそぅ…。な~~んて言ったら…、慌てちゃうよね~~。かかかか。」

凛久、
「せ…、せんせい…???」

そして薫子、今度は、腕組みした両肘をテーブルに、
「霧島さん。」
今度は薫子、真顔になって…。

そんな薫子に凛久、今度はキョトンとさせて…、そして左眉を歪めて…。
「……???」

「霧島さん、これからは…。こんな風にして会うんじゃなくって…。」
そして薫子、今度は椅子の背もたれに背中を…、
「堂々と…、会う事にしましょ。」

その声に凛久、不可思議な顔で…、
「堂々と…???」

薫子、今度はニッコリと…、そして頭をコクリと、
「ふん。堂々と…。」

その瞬間、凛久、いきなり表情を変えて、喜ばしい顔で、
「先生っ、じゃっ!!!」

その声に薫子、
「うん。」
そして薫子、残り少ないピールをまた一口。そしてボタンをポン。
凛久に、
「霧島凛久、好きになるのをやめて~~。好きになることをやめるの…、やめた。」

その声に凛久、思わず目をキョロキョロと…。
「えっ…???え…???…じゃ、じゃあ~先生。」
何かしら、ホッとしたような顔の凛久。

薫子と凛久の席に店員。

薫子、
「すみません、生おかわり。お願いします。」

店員、
「かしこまりました~~。」
席から離れる店員。

薫子、
「茉祐子、おかあさんにしあわせになってもらいたいって…。」

凛久、目をパチクリと…、
「せんせ…い…。」






薫子と茉祐子~その愛~   vol.239.   薫子、「じゃ、いつも通りにねぇ~~。」

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