「それからだよね。人をしっかりと…見なきゃだめって…。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

THMIS mama “お洒落の小部屋”

好きになれない。  vol.130.

ドキドキ 「何バカな事考えてんのよ、あんた。侑里っ。…って。」
侑里。
「どうして悠一朗さんじゃダメなの…???…訳分かんない。…あ、ごめん。私の旦那の名前ね。羽田悠一朗って言うの。」

わずかに頷く茉祐子。

「…フリーランスがダメって言う訳じゃない。…けど…、彼に着いて行ってこれからどうするの…???何の担保もない。逆にアナタ、その彼…???髙階(たかしな)さんって言ったかしら。」
侑里、茉祐子に、
「もうひとりの男性の事ね…。」
そして、
「その人…、しっかりと支えていけるの…???…もし彼がサッカーでスランプに陥ったら、頼る人もいない国で…。英語も話せない。後悔するの、目に見えてる。」
口をへの字にして侑里、
「まくしたてられた。」

茉祐子、目をパチクリと…、
「へぇ~~。」

侑里、
「それからだよね。人をしっかりと…見なきゃだめって、自分に言い聞かせたの。…。…って言うか…、ある意味、今の旦那がいたから…、ここまで来れた。かかか。ふたりの娘にも恵まれたし…。考えてみれば、今の旦那が私には…ベストな選択。法律家、弁護士だからね~~。」

その話に茉祐子、口を尖らせて、
「へぇ~~。弁護士さんなんだ~~。羽田さんの旦那様~~。」

「うん。…まぁ~~。メディアで宣伝され…る…、ほど…じゃないんだけど…。まぁまぁ…な、法律事務所。」

茉祐子、
「ふ~~ん。」
そして、
「ふふ。羽田さんの旦那様、凄いよね。弁護士さんなんて…。…あっ、それに、お子さんも…、可愛いし。」

その時侑里、顔を傾げて…。そして、
「あ~~。うんうん。デパートで茉祐子さんと先生…、会ったもんね~~。うんうんうん。」
2、3回頷いて侑里。
身体をシャキッとさせて、
「そんな訳だから、茉祐子さん。大丈夫…???」

その声に茉祐子、唇を絞って、小さく頭をコクリと…。
「うん。」

けれども侑里、微笑んで、
「…な~~訳、ないかぁ~~。」
そう言って、椅子の背もたれに背中を…。
「今は…私がいるから…、だけど~~。ひとりになったら…。辛さ…、出て来るもんよ~~。」

茉祐子、その声に…、唇を尖らせて、
「…だと…、思います。…けど…。」

侑里、
「けど…。」

茉祐子、
「もぅ~~。分かっちゃった事だから…。」

その声に侑里、
「……。」

「とにかく…、私が幾ら、霧島さん、追っ掛けても、霧島さんの気持ちは変わらない。」

侑里、小さく頷いて…。

茉祐子、
「そして…、そんな霧島さんが、おかあさんの事、好きなんだったら、おかあさん、素直に霧島さんの気持ち…受け止めて欲しい。私は…そっちの方がいい。」

侑里、その話に腕組みをして、
「……。」

茉祐子、続ける。
「私…、少し…、時間は…掛かると思うけど…。…でも…、それが自然なんだったら、そうした方が…。…ううん…、それが…、いいと思う。」
そして茉祐子、侑里を見つめる。

侑里も茉祐子を見つめる。僅かの沈黙。

そして侑里、茉祐子に、
「ごめんね。こんな話…して…。」

そんな侑里に茉祐子、懸命に右手を振って、
「いえいえいえ。私の方こそ…。…でも、助かりました。…ん~~。私、ひとりじゃ、全然、全く…、これからどうすればいいのか、全く分かんなかったし…。」
そして、
「逆に、勇気を振り絞って、おかあさんに話したら…。」
そこまで言って茉祐子、チロリと舌を出して、
「全然、状況…、変わんなかったなぁ~~って…。」

「うん。多分ね~~。」
侑里、
「もしか…すると…。ひょっとすると、第三者がいた方が、解決できる…。な~~んて事も…、あったりして…。」

茉祐子、その声に、
「はい。」

その瞬間、侑里、
「あ~~っと、ごめ~~ん。話しに夢中で…、飲み物も減らない。…しかも…、食べるもの…、全然注文してないし…。」

茉祐子も、
「あっ。」

「茉祐子さん、お腹…空かない…???」

茉祐子、
「食べ…ますか…???」

侑里、途端に、
「うんうんうん。食べちゃお、食べちゃお。」






薫子と茉祐子~その愛~   vol.230.   「それからだよね。人をしっかりと…見なきゃだめって…。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


《PR》
庄司紗千 花笠音頭

※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。

アメーバ