「おっはよ~~。」
千晶、ビルの手前の通りで…。
茉祐子、千晶を見て、
「はい、おはよ。」
「ねね、あれから霧島さん…???」
茉祐子、
「うん…???…あぁ…。うん、かかか。何も~~。」
千晶、そんな茉祐子を見て、
「あっ、そっか~~。」
そして、
「ねね、…で、昨日…何処行ったの、ふたりで…???」
茉祐子、
「ん~~。ふふふふ。」
エレベーターに乗るふたり。ドアが閉まり始める。
そのときドアの遠い向こうには巴と和歌葉。
その数10分前には薫子、仏壇に手を合わせて、
「行ってきます。」
愛耶乃、本部長室自室のパソコンを見て、
「わお。」
迅、本部長室に、ノックをしてすぐさまドアを。
「本部長。」
勢いよく…。
愛耶乃、その迅の顔を見て、
「うん。」
迅、プリントアウトした資料を掲げて、
「凄いですよ、物凄い反響~~。」
「…の、ようね~~。」
化粧品会社エクレールの、この夏に先駆けてリリースされたオールインワン・アイリーン。
CМ放送後、そしてナターシャの雑誌の広告から発売日からいきなり右肩上がり。
愛耶乃、
「ん~~~。OK~~。」
迅、
「幸いなことに…、茉祐子については、まだ…何も…。」
「ふ~~ん。」
そこに愛耶乃のスマホに、着電。
「あら…。」
迅に、
「篠田先生。」
「わお。」
「お世話様です。先生。宇治川です。」
スマホの向こう、
「お世話様~~。本部長~~。今回のCМ、凄い反響~~。」
その声に愛耶乃、
「はい。ありがとうございます。こちらも…ありがたい限りで…。」
「うんうんうん。そのよう…。こちらこそ、ありがとうね~~。…そして、彼女…。」
そしてそこまで言って真理、
「かかかかか。凄~~い。」
その声に愛耶乃、
「はっ…???」
真理、佐那の顔を見て…。佐那、ニッコリと…。
真理、
「ここ、数日前から私の事務所に、アイテム身に着けている女性、どちらのモデルさんですかって問い合わせが凄いの。」
その声に愛耶乃、目をパチクリさせて、
「えっ…???えぇぇぇぇぇぇ…???」
迅、そんな愛耶乃を見て、眉を歪ませて…。
「…???」
愛耶乃、
「あっ、あ~~~はははは。そ…ぅ…ですか~~。あ、いえ…。成宮に関しては、私どもの方には…何も…。」
真理、その声に途端に、
「あら…。そ…ぅ…。ふ~~ん。エクレールには問い合わせ…なしで…、こっちに…かぁ~~。…でも、本部長、お礼を込めて。ありがとう。…そして、ごめんなさいね~~。」
愛耶乃、少し困ったような顔で…。
「は…、はぁ…。あ…???」
真理、
「彼女、成宮さんのお陰で、物凄いアイテム、絶好調、既に最初の入荷分は完売、注文がとにかく凄いの。…それに、その波及なのか…、他のアイテムもまた好調。かかかか、彼女、凄いわ~~。」
愛耶乃、その声に、
「わお。」
「そっか~~、成宮さんの事…まだ、エクレールには…。」
愛耶乃、すぐさま、
「あの、先生…、申し訳ないんですが…、その…成宮の…、モデルの事は…。何分…。」
真理、その声に途端に目をパチクリと…、
「へっ…???成宮さんの事…。」
そしてすぐさま、
「かかかかかか。だ~~いじょうぶ~~。しっかりと…、企業秘密としておりますので…。かかかか、本部長、篠田真理事務所の人でもないんです。個人情報は…当然、極秘です。お任せください。」
その声に愛耶乃、途端に両肩を落として、ホッとした顔で、
「ありがとうございます。」
そして、
「CМが放送されてから、テレビ局にも成宮の事で問い合わせがあったらしく…。」
「うんうん。なるほどね~~。…あっ、ごめんなさい本部長、これから打ち合わせで…。成宮さんによろしく。あなたのお陰で、アイテム、順調って…。」
「はい。ありがとうございます。すみません。わざわざお電話。」
「ううん、いいのよ。とにかく、今後ともに、よろしくぅ~~。それじゃ。」
「はい。ありがとうございます。」
通話は切れる。
迅、
「なんて…???篠田先生…???」
愛耶乃、
「何と、篠田真理事務所には、茉祐子の件で、問い合わせが凄いって…。」
その声に迅、
「え゛――――――――っ!!!!」
薫子と茉祐子~その愛~ vol.195. 「お世話様です。先生。宇治川です。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。