「あっ、姉貴。…確か、正樹おじって、警視庁の…捜査…二課…だったよね。」
瑠唯子に健之。
瑠唯子、
「えぇ…、そう…だけど…。」
健之、スマホで電話番号…、
「ちっ、俺のには…ない…。」
「あぁ~。おじちゃんの電話番号だったら…私のに…。」
瑠唯子、バッグからスマホを出して…、
「あぁ~~ほら。」
健之に差し出して…。
健之、
「おっと~~。」
夕美子、和弘、顔を見合わせて、
「凄い。」
そして健之の顔を見て、
「矢萩さん、警察に知り合いいる。」
ふたり同時に。
健之、
「親戚に、刑事がいてね~~。…って言うか…。ふたり同時に。…仲…、良いですね~~。」
その言葉に、また顔見合わせる夕美子と和弘。そして、お互いに赤くなって。
「な…、な~に言ってるかな~~。矢萩さん、もぅ~~。」
さっきから鼓動が高鳴っている夕美子。
まだ繋っているスマホに、
「あっ、おじちゃん、一旦電話切るよ。」
洋造、
「…あ、あ~~。おまえら…、なんか、あったか…???…とにかく…、何か分かったら、連絡くれ。…ったく。何が一体、どうしたってんだ。早瀬が、そんな…、人様に迷惑掛けるような事…。」
夕美子、
「分かってる。じゃね。切るよ。」
そして健之の顔を見つめる夕美子。
そして、和弘と瑠唯子も…。
夕美子、
「刑事って…、あの…、テレビに出て来るような…???」
健之に向かって。
健之、スマホを右耳に当て、そんな夕美子の前で左手の平を縦に。
夕美子、ボソリと、小さな声で、
「ごめんなさい。」
健之の耳に響く通話中の電子音。
健之、
「ちっ、話し中…。」
一旦切断ボタンを、そして再び…。
夕美子に、
「捜査二課の刑事なんだ。」
その声に夕美子、
「ふ~~ん。…捜査一課って…、良くテレビに出て来るよね~~。」
和弘、
「あ~~、でも、それは殺人とかが、専門ですからね~。捜査二課は…。」
「おっ、今度は通じた。」
健之。
警視庁捜査二課の自分の席で正樹。
一旦切ったスマホを机に置いた、…と思ったら、またの着電に、
「…ん…???瑠唯子…???」
そしてまたスマホを取り上げ、
「もしもし、瑠唯子。どうした。今…忙しい。」
「正樹おじ、俺、健之。」
夕美子と和弘の顔を見合わせながら…健之。
正樹、
「…ん…???健之…???後にしてくれるか。今…。」
「正樹おじ…、今…テレビで…、インサイダー取引規制違反って…???」
今度は瑠唯子を見て…健之。
正樹、
「ん~~???あ~~。マスコミでも…流れているようだが…。それが…何か…???」
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