前回の日記からの続きです🌟

https://ameblo.jp/mi-ttan/entry-12328592850.html

 

 

運命的な出会いをしたアンティークのミカエルメダイ。

 

 

 

購入することを決めた私は店主のSさんに

 

・表と裏の空間にある「✳︎」の模様には図象的にどのような意味があるのでしょうか?
・このメダイはどこから、どんな方から入手されたのですか?

 

このような質問をしました。

 

 

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表と裏の背景のポチポチは☆だと思っていましたが、言われてよくよくルーペで見たら☆でなくてこれはブルターニュの紋章に使われているエルミーヌ・プランというティンクチャーです。



 

エルミーヌ・プランの紋章

 

 

ミカエルメダイ拡大図



エルミーヌ(オコジョ)といえばフランス王ルイ12世の妃、ブルターニュ女公アンヌ・ド・ブルターニュの紋章【王冠を被ったエルミーヌ】でおなじみですが、エルミーヌを開いた毛皮の図を簡略化したものが、エルミーヌ・プランです。

メダイの入手はメダルを得意とする(専門店では無いですが)フランスの骨董商(度々お世話になっています)から購入しました。



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ブルターニュの紋章!?
モンサンミッシェルってノルマンディー所属じゃなかったっけ?と思い、調べてみたら

ブルターニュとノルマンディーは昔からモンサンミッシェルを取り合っていた仲みたいで

 

現地にはこんなクッキーが売ってたりしますw

(まぁ静岡と山梨が富士山の見え方を競い合う、みたいな感じなのかな、とw)

 

 

え、じゃあこのメダイはブルターニュで作られたものって事なのかしらん?キョロキョロ

 

しかし画像を拡大してよく見てみないとわからない位の細やかさだよ。

すごい技術。

 

 

 

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現行品のメダイとアンティークのメダイの決定的な違いは、現代のものはコストが安い鋳造法です。

まず原型をWAXで作り、それを石膏で固めます。石膏ごと焼くと、中のワックスが溶けて空洞ができます。その空洞に溶けた金属を入れて、メダイの金属原型を作ります。それを、ゴムに埋没させて、切り込みを入れて中の金属性メダイ原型を取り出し、ゴム型を作ります。このゴム型に今度はひたすら、解けたWAXを注入し、大量にWAX原型を量産します。その大量のWAX原型をツリーといって大量に枝からメダイWAXが生えたものを作り、それをまた石膏で固めて、焼いて、できた空洞に溶けた金属を入れると、大量の金属製メダイが中に出来上がっています。それを切り離して、磨いて完成。 

 

何度も型をとっているので、元の細かさが最終的に無くなります。 

 

 

一方アンティークのメダイは、コインや硬貨と同じ製法のプレス製法です。

オス型(凸)メス型(凹)表面と裏面の型を丈夫な金属で作って、間に金属の板を挟んで圧力と重力でバチン!と押し切ります。 これをオス型メス型が消耗して使えなくなるまで繰り返します。 金属の板の厚みがあればあるほど機械に負担がかかるのと、大掛かりな設備を要するので、ものすごいコストがかかります。 

 

前述の、鋳造法の原型代が2万だとすると、プレス型は安くてオスメス両方で軽く10万以上です。 現行品のメダイだけでなく、現代のジュエリーや金属製品の殆どが鋳造法で作られているのは一番にコストが安く済むから、という理由です。 一方貨幣にプレス型を使われているのは、簡単にコピーできないほどの緻密な柄、精密な彫りのものが、精巧に、バラ付きなく同じ物を造れるから、という理由です。  

 

 

アンティークのメダイは、そのような大掛かりで物凄いコストが掛かる製法をあえて使える時代背景にあります。 古きよき時代、良い物を作るのにコストを惜しまない、現代じゃ絶対出来ない事をやって、それが残って生きた証拠となっているのが、アンティークのメダイです。

 

自分はアンティーク販売を始める前はずっとジュエリー業界で企画・デザイン、また後年は母校で教える仕事をしておりまして、 こういった作り、現場を知ってるだけに、アンティークの表面的な美しさだけでなく、時代背景とか、当時の財布状況とか、全部込みで 興味が物凄くあって、また夢中になりました。

 

 

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ふおおおお。。。お願い乙女のトキメキ乙女のトキメキ乙女のトキメキ

ひとつのメダイを作るのに、こんなに膨大な量のエネルギー(コスト・技術・愛情などなど)が込められてるなんて。。。

知らなかったよぉ〜〜〜😂😂😂😂(知れてよかった!)

 

 

ブルターニュの職人さんが、モンサンミッシェルとミカエルに敬意を込め

虫眼鏡とかで見ないと分からない位小さな模様で郷土愛を忍ばせ丁寧に作ったものを

フランスのどこかの誰かがずっと大事にしていて、それをフランスの骨董商さんが手に入れて

イタリアに住むSさんが骨董屋さんから譲ってもらって今度はわたしのところにやってくるなんて。

 

なんだか本当にすごい壮大な事だと思うんですよね乙女のトキメキ乙女のトキメキ乙女のトキメキ

 

 

という訳で次回は本物を手にした時の事を綴りますニコニコ

 

 

その3に続く…✨