北朝鮮狂瀾 | 松下げんき産業のブログ

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まず自分が元気になる。

最近読んだ本の中で、バツグンに面白いのが

『ロンドン狂瀾(きょうらん)』。

1930年のロンドン軍縮会議を舞台に、

アメリカ、イギリスを相手にして、日本の外交スタッフが、

軍艦の建造数を決めるために丁々発止のやり取りをする、

その経緯が事細かに描かれた出色の小説です。

 

1930年というと、やがてくる戦争に向けて、

世界の軍拡競争が盛んになった時期。

そのまま行くと、各国とも財政破綻するというので、

お互いに軍艦建造数を制限しようと集まった会議です。

会議を描いた小説なんて、堅苦しくつまらん、

と思いがちですが、さにあらず。

 

国際間の交渉ごとというのは、

こういう会話が行われているのかという、

そのひとつひとつが克明に描かれていて、

合意に向けて、少しずつ少しずつ詰めていく過程が、

リアルによーくわかります。

 

その間、英米が強気で出て来ることもあれば、

裏の交渉のため、酒場でのやりとりもあったり、

日本の海軍は終始、意のままにならぬなら「交渉決裂」と叫んだり、

その強硬姿勢を控えめにさせるために、外交官が知恵を出したり、

まさに、手に汗握るという表現そのもので、

国際会議というものが、見事に紙上で再現されています。

 

それを読んだ後で、いまの米朝交渉を見ると、

そういうことか、というのがよく見えてきます。

北朝鮮が「こちらだけに核放棄を強いるなら

米朝会談も取りやめる」と、またゴネ出しました。

これなんか、交渉ごとの常套手段。

あまりに古典的すぎて、アメリカ側は失笑してる、

とも言われてるぐらいです。

 

この米朝会談、必死なのは北朝鮮の方です。

必死ゆえに、とにかくやれることは、すべてやってきます。

それは付き物、と思っているぐらいがちょうどいいでしょう。

メディアが大げさに取り上げるのをよそに、

舞台裏では、激しいやり取りがありながらも、

着々と交渉が進んでるものと思われます。

 

6月12日まで、まだ日数があります。

北朝鮮は、まだまだ手を打ってくるでしょう。

外交の飛び道具には、こういうのもあるのか、

と学習する機会にするのもいいかもしれません。