ブログネタ：好きな人のことを考えると苦しい？幸せ？
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恋いし恋いしと鳴く蝉よりも
鳴かぬ蛍が 身を焦がす
詠み人知らず
忘年会のシーズンに突入し、彩音の部署でも浮かれたニュアンスが漂い始めていた。
どこの課の誰が彼女と別れたらしい。 どこの部長が別居中らしい。
そんな無責任でとりとめのない会話が囁かれているさなか、
彩音は１５分おきに携帯を覗き込んだ。
「オダギリさん、なんかあるの？そわそわしてるけど？」
オペレーター室長・原田千絵の声が鋭く響いた。
「なんでも、なんでもないです、あ、うちの猫の具合が悪くて、家から連絡あったかなって・・・」
「それは心配ね。だけど仕事中はどうにもならないんだから、携帯をしまって」
小さく返事をして、彩音はバッグに携帯をしまいこんだ。
待っているのは松井からの連絡だ。
一年前にブログを通じて知り合った松井が今日、日本に戻ってくるのだ。
フライトが順調なら、飛行機はもう羽田に到着している時間だった。
教えてほしいといわれ、携帯の番号をメッセージしたのが先週末。
転勤族の松井がイギリスに在住してると知って、ブログを読み始めたのが一年前。
コメントやメッセージなどでコンタクトをとり続けていたのは、海の向こうに住んでいるから、
会うことがないだろうという安心感からだった。
会うことがない安心感が、いつしか逢えないもどかしさ近づいてはいたものの、
晩熟の彩音は自分の気持ちに向かい合うことをせずにいた。
好きになっても、遠い人。
好きにならなかったら、近い人。
そう言い聞かせている時間は、天敵のいない温室に暮らす蝶の命のように煌いていた。
突然の帰国。
それは一時的な出張ではなく、海外出張を終えた東京本社での勤務だということを、
松井のブログで知っていた。
「そろそろ帰国して、自分の未来を日本で見つめたい」
「次の海外はダレカとでありたい」
パートナー探しを積極的に打ち出し始めた松井のブログに、コメントを書かなくなったのは、
帰国したら会おうと誘われるのが怖かったからだった。
外国でたくさん綺麗な人を観てきている人に、あえっこない。
安物の服しか持っていないし、英語も話せない。
憧れでもある松井に、値踏みされる視線を浴びせられたら、きっと恥ずかしさと苦しさで窒息してしまう。
けど、けど、この一年間、誰のブログ更新より楽しみにしていたもは、松井というオトコ。
それは紛れもない事実だった。
前向きな言葉。 意欲的に仕事の姿勢。 堅物であるジレンマを笑い飛ばす潔さ。
休日になると時間がある限りヨーロッパを回り、海外在住組のブログ仲間と面会し、
人生を明るく謳歌している堂々たる漢。
つながりを持った人との付き合い方もまた、心地の良いかっこよさがあった。
松井に会った誰もが、ブログで松井の奥ゆかしさと慎み深さを併せ持つ
堂々たる雄姿を讃えていた。
人の影にこっそり隠れていたくなる彩音にしたら、眩しい存在だった。
同じクラスにいたとしても、きっと記憶されない存在だろうな。同窓会で再会しても思い出がないとか。
そんなことを思いながら続けてきた一年だった。
その松井から、連絡先をといわれたのは、きっとブログ仲間に会うきさくな感覚だろうと
浮かれすぎる気持ちを抑えようと必死だった。
夏休みに国連関連の仕事をする女性と会っていたわ。
あのノリなんだから、いい気にならないならない。彼なら私を軽蔑なんてしないわ。
ちょっとあって、あ、こういう人だったんだ、またねって終るのよ。気にしない気にしない。
呪文のように自分に言い聞かせながら、トイレに立つふりをして携帯を持った。
見ると一件の不在着信があった。
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いっけねーーーー
ついこの短歌を思い出したら なんの脈絡もないのに物語書いちゃった 笑
時間ないのに なにやってんだろ ワタシ 笑
しかも 相変らずだらだら書くから 終ってません ははははは。
いつ続きになるか 未定ですが・・・ せっかく書いたから公開します 笑
あ 小説ブログのほうは １８日から新しい物語になります。
このところそっち書く時間みっけるだけで ていっぱいだったので 息抜きしちゃったわ 笑
デッサンって感じの物語がかけて 楽しかったです。