小説★オット+ツマ=? 3 | みみぴちがってみみぴいい

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オット+ツマ=?     の続きです





4人で過ごすようになって 5回目の金曜日を迎えていた。


直人も一緒に食事をしたり 帰宅が9時を過ぎて食事もせず大急ぎで帰ったりと


色々な過ごし方をしながらも 4人で過ごす時間というのが生まれる金曜日は


誰にとっても目新しい 新鮮な緊張を持たせる曜日となった。




5回目だな と数えていた紗江子が直人を迎え入れると


初めて手土産にケーキを買ってきたよ と言いながら中にはいってきた。




2回目の金曜日、紗江子は直人への期待を 極力小さくしないと傷つきそうだわ


と不安になった。


礼儀正しい父親としての直人の顔しか見せてこない直人に 不服を言えるはずもない。


傷つかないノウハウなら ちょっとは覚えてる。 妄想したり期待しなければいいのよ。


そう言い聞かせ始めた2回目の金曜日の真夜中に 紗江子の心は女としての期待より


慎吾の母親としてのメンツを表面に出すことを 意識しようと誓っていた。







『ケーキいただこうよーー』


慎吾と優は 毎週金曜になると2人でボードゲームを作ることに夢中になっていた。


モノポリーの小学生版を作るのだといって 知恵を絞りあっている2人は


遊びたいことやしたいことが似ているらしく 喧嘩もしない。


夏休みの自由工作を合作にするのだと 張り切っていた。





4人でケーキを食べ始めた時 直人が コホン と咳払いをした。


3人は これみよがしな咳払いに手を止め 直人を見つめた。


『えーーーーと。みんなに聞いてほしいことがある。えっと ですね。

 とーちゃんは あ 慎吾君にしたら おじちゃんはですね。そのですね。

 慎吾君のお母さんと 恋愛をしたいと思ってるんですが みなさんはどう思います?』



『レンアイって 恋人ってことでしょ?』


慎吾がまず聞き返した。


『そうそう。 そう言った方がよかったか。 恋人になりたいんだよ。』


『今 違うの?学童で 女子にうちのママと優のお父さんって恋人なんでしょって

 聞かれたから そうだよって言っちゃったよ。俺。』



『そうなのか? そんな噂になってるのか? 早いなーー子供たちの情報は。

 けどな まだとーちゃん 紗江子さんに 付き合ってくださいってちゃんと言ってないんだ。

 お前たちの気持ち 聞いてからじゃないといけないよなって思ってたからさ。いいのか?』



『おじちゃんとママが結婚したら 俺と優は兄弟になるんでしょ? 女子が言ってた。』


『そうだね。』


『俺 よくわかんね。 毎日こういう感じになるってこと?』


『ケーキは毎日はないけどな。』


『いらね。ケーキよっかゲームの方がいいよなーー慎吾。』


『ママは。。。 ?? れ? ママ?』


3人の男が紗江子を見つめると 紗江子はフォークを握ったまま ぽろぽろと涙をこぼしていた。



『どうしたの? どっか痛いの? ママ??』




直人は 席を立ち上がると そっと紗江子の隣にかがみこんだ。



『なんの相談もしてなくて ごめん、 先走るのが怖くって 子供たちの許可を得てからでないと

 動き出せなかったんだ。これで 堂々とプロポーズ付の告白が出来るんだけど・・・

 一番聞きたいのは あなたの返事です。 付き合ってくれますか?』




紗江子は声を出して泣きだした。

直人は 困ったように紗江子の背中をさすり そして頭を撫でた。



子供たちが大人たちのケーキを食べようと手を伸ばした途端


『ママのよ! ママに恋人が出来た記念のケーキなんだから 食べさせて!』



直人の肩が ぐっと落ちた。


『よかった。 ありがとう。』



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この2人の恋の成就が とっても嬉しいみみぴです。


この物語は こちらの続きとなっております


興味がある方 どうぞ







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