小説★あっちの水は苦いぞ 8 | みみぴちがってみみぴいい

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最近あげた自分へのご褒美は? ブログネタ:最近あげた自分へのご褒美は? 参加中
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『65歳の義父の愛人は 32歳だったわけ。 認知してくれって来たわけよ。


 旦那は お義父さんのこと 65にもなって勃つのかよ っていうからさ

 
 あの女も65に濡れるのかよって言い返してやったわ。


 もうさ 親子揃って ホント 下半身に理性がなさすぎ!』




『そういう意味でなら うちは 樹里に兄弟ができる可能性は絶対にないから よかった。』




『みんな お盛んだねーーーー びっくり・・うちなんて 下が生まれてからだから


 そろそろ8年は エッチなんてしたこともないわーー。もう しないかも ははは。』




3人は それぞれに家庭の事情から だんだん 肉体的事情に話が及んでいった。


特定の相手としか してはいけない彼女たちと そこらへんが自由な私とでは


会話が成立しないな と思うので 黙って聞いていた。 


既婚者の性生活は たいてい 退屈だ。


ドキドキするような内容だと まずい流れになるんだし 退屈であることが 幸せの


シンボルなのだ。





そこで うすらボケた顔してる 独身女 と麗子に指を指された。


『最近 いいエッチ してるか? をいっ!! してるのかっての!!』




お洒落でセンスのいい お料理研究家の顔は シャンパンとワインで落ちきった。


強くもないのに 呑みすぎている麗子は ただの 絡み上戸だ。




『おかげ様で・・・ そっちは なんとか。』


『彼氏もいないのにーーー?? なんだそれーー おっかしいじゃん!!』


美鈴も麗子も お風呂に入るのは 明日かな と思いながら 洗い物をしに


キッチンに立とうとしたら ヒカリに腕を掴まれた。



『どういうこと? 相手が いるの? まさか 若いでしょ?

 肌が きれいになったって思ったの。若いんでしょ?ね?』






すっかり おばちゃんの覗き趣味軍団だよあんたたち と笑ってごまかそうとすればするほど


3人は 夢中で私の話を聞きたがった。  困ったもんだが 可愛い。


結婚は窮屈なことだと思うけど 退屈ではないのかな と思ったりする。




誰かを心配したり 振り回されたり 闘ったり 勝ったり負けたり・・・



遊園地のアトラクションみたいだ。 乗り物を選べないのが辛そうだけど


人生 たいがい そんなもんだろろう。





『やるこた やってますが 繁殖のための性を知りませんので 未熟者です。

 快楽であり 娯楽です。 すみません。 飽きるまで 同じ相手としてるって

 きっと 幸せなんだわ。 そんな暮らし 知らなくて すみません。』



本音だった。 


いつか 私の身体や 性格や 仕事や 貯金なんかではなく



私の過去や 現在や 未来や 親兄弟や 友達に興味を持つ相手を 探そう。


本気で、 そう思った。



2人だけで出来上がった関係では いつだって 終わりばかりを探してしまう。


別れても繋がってるような そんな関係を一度でいいから 作ってみたい。




波乱万丈な平凡家庭人たちを眺めながら 私はそう思った。




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これ 反響弱かったんだけど 笑 ワタシ的には楽しかったです。



で 連載モノを じっくり書いてみたいって思わせてくれました。



来週 ちょっと 準備期間として 小説はお休みします。



で 週末あたりから 以前のキャラを使った連載を始めたいとおもいます。