小説★涙のわけ 1 | みみぴちがってみみぴいい

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『そろそろ そっちに行きます』



敦からのメールに 麻美は呆れ返った。 この男は 男の中で 一番のバカだな。



『来るな』 と返信したが きっと あいつには沁みてないのだろう。







麻美は 仕事で疲れきった足を投げ出して ソファーに横たわった。


テレビのリモコンを 押す気にさえならないほど 疲れていた。


天井を眺めながら 明日の授業の段取りを考え 資料を出しに行かなきゃ と


立ち上がりかけたとき ドアのベルが鳴った。



半年前に婚姻届を破り捨てた 元婚約者の 敦だ。 






事実上 婚約破棄したその日に このマンションの鍵は 敦から奪い取ったので


自力では 入ってこれないのだ。


『ただいまーーー』


『その言い方 間違ってるって 何万回いえば わかるの?』


『お邪魔しまーーーす』


『なにしにきたわけ? 私 用事ないけど?』


『なんだよ 忙しいそうだから 夕飯作ってきたのに。 ほら メンチカツ。』






半年前 敦は 完璧に出来上がった婚姻届を前にして こういった。


『これを出したら 全てが終わるのかな?それとも 始まるのかな?』


『全てっていうくくりにすると 限界があるんじゃない?』


理屈っぽい麻美は 直情的な敦の言っている真意がわからず 適当に答えた。



『結婚って なんだろうね。』



『祝福は するものではなくて されるものだわ。』



『誰の言葉?』



『ワタシのオリジナル』



そう答えた瞬間 敦は 目の前で 婚姻届けを 破りだしたのだった。



驚きすぎて というか 何が起きたかわからなかった麻美は 破き終わるまで黙っていた。



『これはさ 出したくない』


『あんた なにやってんのよ!!!!!!』



その紙を埋め尽くすのに どれだけ 気持ちと j時間整理を必要としたことか。


幸せな 舞い上がった気持ちだけじゃなかった。



転勤で 香港にいる両親のところに サインを貰いに2人で行き


祝福を受け みんなで涙して 約束をして そして 抱き合った日のことを 忘れたのか?



2年前に亡くなった 敦のお父さんの墓前にお母さんとお参りし 挨拶をして


仏壇にこの紙を乗せて 泣きながら 『ありがとう』 と言われ


『どうか 幸せになってね』 といわれた あの日の涙の痛さを 忘れたのか?



半年をかけて 紙切れを埋めた。


紙切れに行き着くまでに 4年の時間が 重ねられている。



その 全てを 一瞬にして 破り捨てたこの男を どうして許そうと思うのだろう。


許してるのだろうか? 



少なくとも メンチカツで釣られてるわけでは ないのだ。



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さあさささささ また なーーんも考えてないの 話を書き始めましたよーーーー


なんだったら この先の話が こうなったら 面白いんじゃん


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