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彼の唇が 私の首筋から 乳房へと下りていく。
鈍っていたはずの感度を取り戻した私の身体は 恥じらいもなく 乱れる。
自分でも 酔いしれるほど 感じている時の声が こぼれる。
ああ 私は 久しぶりに感じているんだわ。
この男とだと 私の身体は まるで 弦楽器のようになる。
指に弾かれ 奏でられ そして クライマックスを合奏できるんだわ。
自分の声を合図に はたと どこかの部屋に 置き去りにされた。
夢か。。。
楓は 驚きすぎて キョロキョロした。 間違いなく 自宅マンションの寝室にいる。
隣には 見慣れた夫と 子供が2人 いつも場所で 寝息を立てていた。
『どうかした?』
夫の雅彦の声がした。 ぎょっとして 思わす 掛け布団を身体に巻きつけたのは
自分が すっかり裸でいると 思っていたからだった。
『な なんか 言ってた??』 奇妙な罪悪感を持ったまま 楓は夫に尋ねた。
『なんか 寝苦しそうだったけど。』
あああああああああ 声は 出ていたんだわ。 しかも 喘ぎ声。
『なんか 変な夢 見たみたいだわ。』
『2回も蹴られたし。 もう 寝るよ。』
そっと 胸元に手を当てる。 まだ 鼓動が早い。
焦ったからではない。 きっと 興奮していたからだわ。 身体の芯が まだ火照っている。
深呼吸してから 子供たちに布団をかけなおし 自分も身体を潜り込ませた。
夢で 抱かれていた男が 誰なのかも 分りきっていた。
傷つけ合って 裏切りあって 罵り合って別れた 金山だ。
別れの当日まで お互いの性欲を満たしあったほど 身体が反応した男。
結婚してから 何度目の夢なのかさえ 記憶にないほど 繰り返し見る夢。
彼の重さも 熱さも 匂いまでもが 10年前のまま 楓の五感に甦る。
恋愛の最終章に 結婚を掲げ 結婚の序章に 妊娠を思い描き
結婚のエピソードに 波乱万丈を求めたくなかった 楓にとって 金山は風来坊だった。
未来予想図に 微笑を描くことさえ できない男。
今朝 テレビで 山の山頂に降った雨が 山のどちら側に流れるかというラインを
分水嶺という、 という説明を 一生懸命に聞いた。
その用語を聞いたとき 楓は 金山を 思い出したのだった。
恋愛感情という 当時の楓にとって 最上級の愛情の峰に 金山は立っていた。
しかし 彼が楓の峰にもたらす雨は 優しさより 嫉妬の海を創り上げた。
切なさより 苦しみの海を深くし 信頼の海より 猜疑の海に水を注ぎ込んだ。
それでも 心の膿を切開するためかのように 身体を求め合い 当てはめあった。
布団の中で 深呼吸を繰り返し 夫の口下手で 不器用な生き方と
経験値の低そうな 前戯を思い出してみた。
そして 私の心の海は 子供と家庭という 穏やかな入り江さえも 持っている。
凪もあれば 嵐もあるが 自分の感情に 分水嶺という ギリギリのラインがないという
安堵感があるのだ。
夢で よかったんだわ。
もし 金山といたら 今頃 安全地帯を夢に見て 絶望の悲鳴をあげていたはず。
そう 言い聞かせて 再び 夢に導かれたのだった。
先日 ピグをしながら 熟女たちに 聞いた話を 物語にしてみました 笑
午後の記事で みなさんにアンケートするかも。
今日 マニアわなかったら ← すげーー変換だわ。
明日にでも・・・ 今から ご協力 願っとくっす。