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こちら と
こちら
の 続編です
直人は 会社の同僚に聞いた ちょっと小洒落た居酒屋に 紗江子を誘った。
『いつも 子供といける店しか行かないから いい店なんて知らなくて。』
直人が店を探しながら キョロキョロしているのを 紗江子は 笑いながら見ていた。
『うちなんて 外食する余裕も時間もないから・・・』
『お互い様ですよ。 最近の小学生は 忙しいですからね。
宿題だ ゲームだ テレビだって。 優は僕が帰ってくるまで起きてるから
ゲームのクリアーキングだなんて言ってました。不名誉な称号だな。ははは。』
ようやく入った店で メニューを紗江子に向ける直人に 紗江子の心は ぐっと動いた。
さりげないが この人は私を尊重してくれる。 きっと 意識してのことではないのだろう。
スマートな人間とも 思えない。 そんなとこから魅力だと思うなんて と下を向いた。
『僕は 九州男児のくせに ほとんど飲めないもので。不調法で すみません。』
『あら あの時も 全然?』
学校の父兄の飲み会に 初めて参加したとき 直人もいたことを 話題にした。
今年のPTA会長は 酒豪らしく 飲み会が多いと 誰かが言っていた。
『コーラを飲んでました。ははは。』
『私はいけるクチなんですけど 飲んでいいかしら。』
もちろんもちろん と言いながら 直人は携帯をテーブルに置いた。
『すみません。携帯を置いといていいですかね。
いや 保育園のお泊り会のとき 熱出して迎えにいったことがあるもんで』
3歳の頃から 父子家庭だと聞いていた。
さぞかし 大変だろうと 自分のことを棚に上げて 心配した。
メニューが揃うまで 2人は お互いの仕事の話や 子供の話をしていた。
離婚の経緯について 聞きたい願望を遠慮しあっている と どちらも気付きあいながら。
紗江子にとって 異性に 恋愛の話をする ということは 特別な意味を持っていた。
自分の彼氏の愚痴を言う相手には 少なからず期待を含めていたし
夫の浮気を相談した相手にも 同情と恋愛感情を練り上げた感情で接していた。
たまたま 希望通りにならなかっただけで もし あの時の相手が 紗江子になびいていたら
その相手と 恋愛の対象として向かい合っていただろうと 思うのだった。
真っ赤に揺れる炎のような激情が 自分の中に 潜んでいると 知っている。
しかし 慎吾と真正面から向かい合って暮らし始めて 紗江子は気付いたのだった。
赤々と燃える火の芯にある 青い火こそ 熱くて 一番熱を持っているのだと。
まだ その芯に触れる関係を 持ったことがない自分は どこか 欠けているのだろう。
慎吾が与えてくれる 絶対無二の信頼という関係。
慎吾に見せてもらっている 代えの効かない 唯一の存在という喜び。
慎吾が いつか 自分以外の誰かを 愛し 愛される時期がくる。
その時 喜んで手を離すには 自分の存在を無条件で受け入れてくれる相手が
必要ではないのかと 怖くなるのだ。
いや 相手そのものより 一度でも 真の愛情を与え合ったという確信さえ
知らない自分が 怖いのだった。
GW最後の一日ね。
お天気もすっごーーーく良いみたいだし 今日も お出かけします。
結局 ずっと 遊んでいた気がする 笑
ちなみに 結婚前は33画
いまは 40画 だと思うわ。
とーたんが書くと 39画だろ!! っていうんだけど??
どの文字を あいつ 間違って書いてるんだ??? すっげーーー不思議 笑