小説★過去と夫と子供 5 | みみぴちがってみみぴいい

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連載をしてますので できたら 4・26の記事から お読みください。

1234 ってありまっせ。






笠原との 経済的に満たされすぎた生活で 若い千奈美が得たものは


いつもどこか欠けた心を 見つめる強さだった。


自制心の強い千奈美は 黙って家庭を守る笠原を 責めたことも 責めようと思ったことも


なじったこともなかった。


笠原と自分の間に 自分の意思で線を引き そこから遠ざかることはあっても


それ以上 笠原に入り込むことはしなかった。




2人の関係を 続けて行きたかったからかもしれないし 笠原に入り込まれるのが


嫌だったのかもしれない。 




会えば 必ず重ねる身体は いつだって千奈美の意志を取り越して 


笠原の思いのままに濡れ 乱れ 反ったが 心の欠片はいつだって


千奈美の掌に握られていた。







N市の不動産屋を3軒回り 間取りや住環境の説明を受けながら


娘のマリアに お引越しの話をしてみた。 4歳に 何がわかるのだろうか?


『えーーーマリア わかるよ。 パパがおしごろ かわるから マリアおしっこしでしょ?』


そうそう と吹き出しながら マリアの頭を抱えた。



この子といると あの頃 握っていた欠片が掌にないことを 実感する。


あの欠片は 千奈美の意地だったのか 寂しさだったのか 母性だったのか・・・


きっと その全てだったのかもしれないし 全く違うものだったのかもしれない。





浩輔は 経済力も 男の甲斐性も 度量も セ●クスのテクニックも なにもかも


笠原と較べるラインに立っていない。


そのことが もどかしく思う時もあるが 笠原が千奈美に与えられなかった


いや 与えようともしなかった最大のものを 無条件で与えてくれる男なのだ。




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夕方の飛行機で 羽田に到着予定の日。


荷造りより こっちを仕上げるほうが 重要だったワタシ・・・(・∀・)


果たして 旅行は無事に楽しめてるのかどうか・・・笑


うっかりしてたけど ネタと絡めるの 忘れてました・・・


明日が 最終WAです。