小説★彼女のもみかた | みみぴちがってみみぴいい

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凄腕マッサージ師に、今すぐほぐして欲しい部分は? ブログネタ:凄腕マッサージ師に、今すぐほぐして欲しい部分は? 参加中
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結婚して2年。 俺は絶対にない と思われた 『出世』 をし 昇給した。


年棒が 1500円上がったのだ。 1500円。 とほほ・・・


そして 残業手当が外され ありがたいことに 部署内の飲み会の会費も 上がった。


踏んだり蹴ったりだが 幸せだから いいことにする。




それもこれも 妻の美佐緒のおかげだと 風呂上りに感謝をしたら


『今日さ ほんっとに むかつく客がいて・・・ くったくた。


 感謝してるなら マッサージしてーーーー!!!』


美佐緒は 結婚のコンサルティングだか コーディネーターだかをやっている。


『イメージのいい言葉と おめでたい言葉だけで桃色ムーディーな会話してると

 脳みそが ブラックに染まるのよ!!』


と言いながら 俺の前に横たわった。



テレビに目を向けながら 美佐緒の腰を揉んでみた。


『もうちょっと右。 そそそ あ~~ん そこそこ』

『肩の方も。 そそそ。うま~~~~い。 そこそこ』



テレビから目を逸らし 妻の顔を覗き込んでみた。


化粧を落としきった素顔は 眉毛が気の毒なほど 貧弱である。


シミが 点在し 唇には 艶も発色もなく かさつきが目立っている。


洗いざらしの髪は 雛鳥の体毛にも見えた。 




俺が若い頃 欲情していたオンナの図とは 天と地以上に かけ離れている。


露出度の高すぎる真っ赤な水着から はみ出しそうな乳房。


雌豹のような 鋭くて怪しい視線。 すらりと伸びた 体毛も体臭も纏わない美脚。


くびれたウエストを持ち上げ 突き上げたヒップ・・・


そんな女たちが 俺の抑え切れない欲望を放出させてくれる かけがいのない


イメージトレーニングのパートナーだった。






それが 今 俺の目の前で 卑猥な快感の感嘆詞を洩らす妻は


色気の『い』 もなきゃ 新鮮さの『し』 もない。


ないというのに 俺に 最高の欲情感を 抱かせてくれる 世界一の存在だ。




肩をほぐしてやりたいとも 思うのに 腰だって 楽にしてやりたいと 思うのに


どうしても 背中をなぞりたくなる。


肩から うなじへの産毛を 逆撫でたくなる。


うつ伏せているその身体を ごろりと転がして 俺は 美佐緒に抱きついた。





『もう!! して欲しいことしてよ!!』


『したいこと させて。』


『だめ!! 私のしたいことのほうが 大事じゃない??』


『マッサージなんて どっかに行けばいいだろ。俺の担当は こっちだし。』


『ああああ!!! 今度結婚するときは マッサージ師の人にしよう!!!!』




美佐緒の言葉に 1500円分の名誉さえ 崩れ落ちた。

『30分 揉んでくれたら あとは 一樹のお望みどおりにしていいから』




いいのだ。 聖なる性行為が したいわけぢゃない。


いつ触ってもいい存在が 俺に微笑んでくれて 隣にいることが 一番の幸せなのだ。


俺だけのモノだと 確信がある。それが 最高の快感なのだ。




『重いってばーーー』


と 俺の身体を押しよけようとする美佐緒の腰を ぐっと掴んで 押さえてみる。


『ほら 最高の牽引だろ?』


『もう。先に歯を磨いてきて!!』


妻 という愛おしい関係の女は 時として 母であり 教師であり 看護師であり


娘のようだったりもするのだが 情婦でもある。


俺は 七変化の美佐緒を 人生と言うアルバムに刻みつけ


墓標に 『幸せだった 平凡で そして 非凡なる妻と暮らせて』 と


刻み付けるのだ。


そうだ そして 美佐緒の心に 俺と言う ちっぽけな男を宿し続けてもらうのだ。


憎しみも 悲しみも 苦しみも 美佐緒の感情と言う感情が 全て 俺で出来上がるように。


どの感情の琴線を奏でても 俺が 鳴り響くように。





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男 目線で 2回書いてみたら 私 なんか すっげーーー いい男になった気分 笑


面白くなってきたけど 笑  読んでる方々には 面白いのでしょうか?? 笑