日本語フォントの「Std/Pro/Pr5/Pr6」と「N」の意味 | 35歳未経験から! WebデザイナーになるBlog。

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同じ小塚ゴシックなのに、後ろに「Pr6N」「Pro」「Std」がついてるけど何が違うんだろう?
違いもよくわからずになんとなく選んでいたので、調べてみました。

「Std/Pro/Pr5/Pr6」はアドビが決めた規格で変わる

モリサワをはじめとするフォント製品は、アドビシステムズ社(以下アドビ)が日本語フォント製品用に決めた規格「Adobe Japan Character Collection for CID-keyed Fonts」に添って作られています。
その規格は、Adobe-Japan1-3やAdobe-Japan1-4のような文字セットのバージョンのようなものがあって、その文字セット(Adobe-Japan1-3以降)のどれを基準に作ったかによって「Std」「Pro」「Pr5」「Pr6」と名前が変わります。
モリサワではこれをPr6仕様やPro仕様と表現していました。
「Std」
Adobe-Japan1-3
総合計:9,354文字
縦組用にプロポーショナル
(※1)と半角をあらかじめ90度に回転させた文字を追加など。
「Pro」Adobe-Japan1-4
総合計:15,444文字
主に商業印刷で必要と考えられる漢字、異体字、記号類、ルビ専用文字、プロポーショナル(※1)かなの文字を追加。
「Pr6」
Adobe-Japan1-6
総合計:23,058文字
補助漢字とU-PRESS(共同通信社)用の文字を追加して、Pr5から2,741文字増えている。
※1:プロポーショナル・・・文字ごとに最適な幅を設定したフォントのこと
※Pr5をProと呼ぶフォントメーカーもあるので注意!

Proとついていたらプロ用・商用?

フォント名の一部にProやPROといった表記がつけられていることがしばしばあります。
これらの表記の意味するところがProfessionalなのは想像に難くありませんが、これらはプロ用・商用という意味ではなく、多くの場合は文字数の多さを表します。
基本的には「収録文字がたくさん」の意味のようです。
フォント名に「Pro」をつけた製品は昔からあり、ほとんどの場合それらは「他の姉妹品よりも収録文字数が多い」ことを意味しています。
しかし、最近ではPro = Adobe-Japan1-4以上 という命名が、最近根付きつつあるようです。
近年では、OpenTypeフォント製品を中心に、より厳密な意味で「Pro」の呼称を使うことが増えています。
千都フォントライブラリー(ヒラギノ書体)、モトヤ、タイプバンク、モリサワ、といった大手ブランドでは現在、Adobe-Japan1-4以上の文字を収録した製品にのみ、Proの呼称を用いるようになっています。
これは、JIS第1・第2水準漢字を大きく上回る、商業印刷にも耐えられるレベルの収録文字があることを表しています。
製品名のつけかたに統一ルールがある訳ではありませんが、このような命名はフォント業界の習慣となりつつあります。

Adobe-Japan1規格について参考にさせていただいた記事。
Adobe-Japan1なんとかって何?

ProNとかStdNのNとは?

NがつけばJIS2004字形 ── いくつかの漢字が旧字風デザインになるようです。
Std・Proなど、Nのつかないフォントでは略字風の「JIS90字形」
StdN・ProNなど、Nつきのフォントでは旧字風の「JIS2004字形」


このように、「辻」のしんにょう部分の上の点が、Pr6だと1つ、Pr6Nだと2つに、「食」の部分が旧字体風に変更されています。
このように、微妙に字形が変わる (可能性のある) 漢字が全部で168字あり、これが、NつきフォントとNなしフォントの違いです。
StdやProなどの後にNをつけることでJIS2004字形のフォントであることを表すこの方式は、大手フォントメーカーの販売するOpenTypeでは半ば慣例となっています。
※あくまで慣例のため、必ずしも名前だけでJIS2004フォントなのかどうか区別できるとは限りません。

まとめ

「Std,Pro,Pr5,Pr6」の違いに関しては、収録されている文字数。
「N」に関しては、旧字体風の漢字に変更されたもの。



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