第1話はこちらから → ★
現パロにて設定、いつものようにキャラ崩壊あり。
それでも宜しければどうぞ。
司会の人が進行を始め、主役の二人が姿を現す。
会場からわぁっと上がった歓声。
平助の白いスーツは最初は笑ってしまったけど、
しゃんとした姿勢で、柔らかな表情で、エスコートしながら降りてくる姿は様になってた。
そして、千鶴。
Aラインの綺麗なレースがふんだんにあしらわれた純白のふわりとしたドレス。
髪はエアリーな感じで歩くたびにふんわりと緩やかに弾む。
会場が一層華やかになる。
何よりもとっても可愛くて綺麗だった。
私はすぐさまお千ちゃんと顔を見合わせ、また二人の姿に見入る。
最初は緊張した面持ちで降りてきた二人だけど、
自然と顔を見合わせて微笑む二人を見るとこちらまで幸せな気分になって。
この二人の表情を見ただけで、今日来れてよかったなと思う。
二人を見ながら、二人がお互いを片思いだと思ってた頃の時とか、
付き合い始めた頃の様子とか思い出せば、私の涙腺は自然と緩みだす。
ヤバイと思って、お千ちゃんを見れば既に泣いていて二人で顔を見合わせて笑った。
もうこれだけで今日の式は素敵な時間になると確信した。
階段を下りた二人がゆっくりと会場を縫うようにして、
止まない拍手を浴びながら各テーブルに挨拶しながら歩く。
こちらに視線を移した千鶴が一瞬びっくりした表情をしたけど、すぐさま笑顔を向けてくれた。
きっと私たちが既に泣いていたせいだ。
私たちがぶんぶんと手を振れば、千鶴は平助に合図して平助も嬉しそうにこちらに向かってニカっと笑った。
「千鶴、綺麗!」
「千鶴、可愛いよね~!」
私たちはうんうんと頷く。
そんな私たちに風間さんは少し呆れた顔。
「千、お前の方が綺麗だったぞ」
なんて言っちゃうもんだから、お千ちゃんはすぐさま頬を染めた。
総司や土方さんたちは私たちの反応を見て、少し呆れたように笑ってる。
隣にいる一を見れば、目を細めて優しく微笑んでくれてた。
嬉しくなってテーブルで隠れるように一に手を伸ばせば、繋いでくれた手。
きゅっと握ってくれた手が嬉しくて、思わず笑みを零す。
好きって気持ちが自分の中から溢れてくる。
『いつか、一と…』
そんなことを思いながら、今日の主役の二人に視線を移した。
お披露目パーティは進んで、お天気も良いということでガーデンへと場所を移す。
私とお千ちゃんは主役の1人である千鶴を囲んでいた。
「マコちゃんもお千ちゃんも今日はホント来てくれてありがとう!」
「来るに決まってるじゃない!」
「そうだよ!今日はいいお天気になったし、何より千鶴が最っ高に可愛い!!!」
「ほんとだよ~!藤堂くんには勿体無い!」
千鶴の幸せオーラにつられるように私たちの笑顔も弾ける。
「お世辞でも嬉しい!ありがと!」
「お世辞なんかじゃないって~!いいなぁ、こういうドレスも素敵よね。私ももう一度着たい~」
「何ならもう一度披露宴をしてやろうか」
いつの間にか現れた風間さんに私たちはビクンと身体を揺らした。
「わ!千景!いきなり現れないでよ…。あんな人数の披露宴はもう勘弁してほしいわ…。
でもこのドレスもほんと素敵」
「だよね~」
「次はマコちゃんだね!」
「へ?」
千鶴からの言葉に目を丸くした私。
「そうね!斎藤さんからプロポーズはないの?!」
「え…と、その…具体的には…まだ…ない、かな」
「えーーーー!そうなの??!」
「ちょっと、お千ちゃん。あんまり大きな声出さないで」
お千ちゃんを制止しながら、私は一をチラ見して口元に人差し指を置く。
「そうなのか、マコ。ならば俺が側室としてお前を迎えて…」
「ふざけるのもいい加減にしなさいよ」
「…」
お千ちゃんの睨みは風間さんを黙らせた。
私は慌てて口を開く。
「風間さんのは冗談だよ、お千ちゃん。何だかんだいってお千ちゃんに一番優しくしてくれてるのって風間さんじゃない」
「そう…なんだけど」
照れくさくなったのか、少しそっぽを向くお千ちゃん。
そんなお千ちゃんもいつまでも可愛い。
「でもマコちゃんと斎藤さんも結構長く付き合ってるよね。年齢的にもそろそろって思ったりしない?」
「あー…、それはあるけど…。まぁ、一のことだからタイミングとか考えてるんじゃないのかな?」
千鶴の言葉に平助を囲んでいる一たちに視線を移す。
平助をからかう皆を優しく笑みを零しながら見ている一。
「そうなのかしらね~」
「私の話はもういいよ!千鶴、お幸せにね!」
「ありがとう!」
「また家にも遊びに来てね!」
「赤ちゃんももうすぐだもんね!またすぐにでも遊びに行っちゃう」
「私も何もなくても遊びに行く~」
「いつでも大歓迎よ」
晴れ渡る青空の下。
新緑に囲まれ、柔らかな風が舞う中、私たちは笑いながらとても楽しい時間を過ごしていた。
二人が切り分けてくれたケーキをもう一度食べようとそのテーブルに近づけば、隣にある気配。
顔を上げれば総司が笑顔で私を見下ろしていた。
「総司もおかわり?このケーキすんごく美味しいよね」
「そうだね。ねぇ、マコちゃん。気になってたんだけど、その胸元の何?
一君にキスマークでもつけられた?」
その言葉に目を丸くすれば、ニヤリと口角が上がるのを見て、
思わずその場所を隠すように生地を引っ張る。
「一君でもマーキングみたいなことするんだね。ねぇ、僕もつけていい?」
「な…」
「マコちゃんの肌って白くて滑らかそうだからキスマークを身体中につけるのも楽しそうだね」
伸びてきた手がスッと首筋を撫でる。
「い、いらないからっ!」
クスクスと笑う総司に固まりそうな身体を無理やり動かして、一の元へと急いだ。
…きっちりおかわりは確保して。