第1話はこちらから → ★
現パロにて設定、いつものようにキャラ崩壊あり。
それでも宜しければどうぞ。
「マコちゃん!」
弾むような声が耳に届いて、その方角を見ればそこには久しぶりに見る姿。
その姿を見ればつられるように零れる笑み。
「やーん、お千ちゃん!久しぶり!元気してた?」
「うん、元気元気!」
「わ!お腹大きくなってきたね!ね、触っていい?」
「うん、もちろん!」
そっとお腹に触れれば、確かにそこにある存在。
「わー。赤ちゃんいるんだよね~。不思議な感じ」
「もう元気すぎるくらい」
「もし気分悪くなったりしたらすぐ言って?無理しないでね」
「ありがと。もう話したい事一杯あるんだから!!」
「ふふふ。楽しみにしてる~」
顔を見合わせて笑えば、ゆったりとした声が届く。
「久しいな、マコ。斎藤」
顔を上げればそこにはお千ちゃんの旦那さま、風間さん。
「久しぶり。…何か…相変わらずだね」
「何だ、その意味を含めたような物言いは」
「何でもない。風間さん、今日はお千ちゃん無理しないように見張っててね」
「…口が休まることはなさそうだがな」
「否定しない」
既に諦めているかのような口調に私も笑ってしまう。
「風間、ここに名を書け」
「…何故お前に命令されなければならない」
「…千景。一々つっかからないの」
呆れたように制止するお千ちゃん。
うん、この関係も変わらない。
「じゃあまた後でね」
「うん、後でね~」
手を振りながら二人の後姿を見送る。
風間さんがお千ちゃんの腰に手を当ててそっと支えていてあげてる姿が微笑ましい。
「何だかんだで仲良いんだよね、あの夫婦」
「そうだな」
視線を上げれば一と目が合う。
その絡んだ視線が優しくて、はにかんでしまう。
もうそろそろ受付の時間も終わりかななんて思っていれば、現れた大きなシルエット。
「おお、受付はお前らか」
「左之さん!」
「久しぶりだな」
「よぅ、相変わらず可愛いな~、マコちゃん」
「相変わらず口が上手いなぁ。新八さんもお久しぶりです」
久しぶりに会う二人に私も笑顔で応える。
「左之、新八。さっさと名を書け」
「あ、ああ…」
一が低い声で二人を睨む。
左之さんが書き終え、慌てて新八さんが書いている間に左之さんが私にこそっと耳打ちする。
「おい、マコ。何か斎藤の機嫌が悪くないか?」
「ははは…。まぁ、色々とあったような、なかったような…」
「お前も大変だな。ま、久々にお前に会えて俺も嬉しいぜ」
左之さんが笑みを浮かべながら大きな手で私の頭をポンポンと撫でる。
「左之!」
「おー、怖い怖い。じゃあ後でな」
一にニヤリと笑いながら、私にも視線を送って手をヒラヒラとさせながら去っていく左之さん。
怒ってるのがわかって訪れた沈黙。
「…」
「…あの…」
「易々と身体を触れさせるな」
「…はい…。ごめんなさい…」
謝りつつも、妬かれてることが少しだけ嬉しかったりした。
「あ、時間だね。もう出席者も揃ってるし片付けよっか」
「ああ」
会費や記帳されたノートをスタッフさんに預ける。
会場に向かう通路を歩いているとグッと引かれた腕。
「一?」
間近に迫るその整った顔。
まっすぐな視線が私の唇を捕らえていた。
「ちょ、ちょっと待って!!」
「…どうした?」
「もう時間ないし、一にもグロスついちゃうから」
明らかに不満気な表情を浮かべた一。
「わかった」
そう言った一は腰に腕を回してぐっと引き寄せ、耳元に舌を這わせた。
そして壁に押し付けられる身体。
「…ゃ!ちょ、一!ゃだ!」
肩をグッと押しても引かないその行為。
液を含んだその音と温かい舌の感触と吐息が耳から身体の奥を疼かせる。
いつの間にか私の両足の間に片足を割り込ませ、私を煽るかのようにその場所を太腿で摺り寄せる。
一の右手がゆっくりとワンピースをたくし上げながら、私の太腿を上ってくる。
「…ゃ、めて…」
私の声で止まることのないその熱さをもった舌が首筋を通り、
一がプレゼントしてくれたネックレスを掠めながら、
少し開いた胸元へと降りてくる。
「…は、じめ?」
指でドレスワンピースの襟元を引っ掛けたかと思えばすぐさまその場所に吸い付いた。
「一っ!」
ちくっとした痛み。
少し口を離し、紅くなったのを確認してそこをぺろっと舐めた。
「一っ!もう!!何で?!!」
「マコは俺のだ」
「だからってっ!そんなこと皆知ってるじゃない!」
「念のためだ」
「もう!一なんて知らない!私化粧室行くから先に行ってて!」
「…ああ」
一に怒りながらも踵を返して入った化粧室。
大きな鏡に映った自分を見て、ドキリとする。
化粧室に来て良かった…。こんな火照ったような顔、皆に見せらんない。
ワンピースで見えるか見えないかの場所につけられたキスマークに思わず溜め息する。
一の独占欲は嬉しかったりするけど、こんな場所へのキスマークは今はいただけない。
「!!もうすぐ始まるんだった!」
慌ててキスマークをファンデで隠して、急いで会場へと向かった。
「どうかした?遅かったじゃない」
「ううん、ちょっとね」
「もう始まるわよ」
「うん、楽しみ」
隣を見れば、ふっと薄い笑みを零した一。
私は軽く一を睨みつけて、お千ちゃんの方に顔を向けた。
隣のお千ちゃんと話をしながらその時を待つ。