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いつものようにキャラ崩壊、設定無視などございます。
かなりのお目汚しとなりますが、それでも宜しければ。
君の名を呼ぶ 第28話 【完全版】はこちら → ★(フォレストの別サイトのページに飛びます)
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あ、でもちゃんとしたサイトですし、お話はちゃんと読めますのでw
18歳未満の方、大人表現が苦手な方は、
このまま読み進めていただければ
お話的には何の支障もありませんので、どうぞ。
土方からの用件を済ませた冴は、木刀を持ち、息を整えながら一人道場で佇んでいた。
「…みぃつけた」
その声に身体をビクッと震わせ、振り返ると沖田が笑みを携え道場に入ってくる。
「…」
「一人で何してるの?稽古?」
沖田は腕を組みながら、壁に持たれ座り込む。
「…うん」
「じゃあ、久々に見てあげるよ。やってみせて」
「…。総司、部屋で休んでなよ」
冴は目を細め、沖田を促す。
「冴、部屋で寝転んでいるほど暇なことはないんだ」
冴の言葉に目を伏せて応える沖田。
「…ね。見せて?」
沖田の笑顔に眉根を寄せながら、小さく頷いた冴は前を見据え、静かに息を吐いた。
道場内に響く踏み込む足音。
空を切る木刀の音。
小さな冴の息遣いでさえ道場内に広がっていく。
『ああ、綺麗だね。やっぱり冴は僕の舞姫だ』
眩しそうに冴を見つめる沖田。
しばらく続いていた力強い音が止み、冴は木刀を下ろす。
冴は汗を流しながら静かに息を整えていた。
そんな冴を見つめながら沖田が口を開く。
「踏み込みがいくつか浅い部分があった。もっと踏み込んでもいいくらいだよ。あと、突きが弱いとこもあった」
「…厳しいね、総司は」
沖田の言葉に苦笑いを浮かべながら、冴は言葉を零した。
「…でも格段に前とは違うよ。僕の組にいたころとは段違いだ」
「…」
二人の視線が交わる。
「…冴。おいで」
冴が木刀を離すと床に落ちた木刀がカランカランと大きな音を鳴らし、道場内に響かせた。
壁にもたれるようにして座っていた沖田の胸元に飛び込む。
「…何、泣いてるの?」
「…泣いてない」
「胸の奥で泣いてるよね?」
黙る冴に沖田は優しく冴の髪を手で梳る。
「僕に甘えてこないで溜め込むからそうなるんだよ」
「…だって、どうしたらいいのかわかんない」
俯いたまま応える冴。
「やきもち…焼いてたんだね?」
「やきもち…なの?」
「そ。だから辛かった。そうじゃない?」
ようやく顔を上げた冴を優しく見つめる沖田。
「だって…。だって…。二人とも凄くお似合いに見えたし…。千鶴ちゃんはきっと総司のことが…」
「そんなことないよ。あのコは皆に…」
「わかるから。…私も総司の事が好きだから」
眉根を寄せて訴える冴の頬を優しく包む。
「…僕の好きなのは冴だよ?」
沖田の言葉に冴はきつく眉根を寄せた。
「…でも…私は人斬りで…そんな資格なんか…」
「…僕だって人斬りだよ?人を好きになるのに資格なんているの?」
「…それでも!…私は…人斬りで…もう…あのくらいのことで…ヤキモチを焼いちゃうし…、どうしていいか…っ!」
顔を両手で覆い、嗚咽を上げて、泣く冴。
沖田は黙って抱きしめ、背中を優しく撫でた。
少しの時間が流れ、泣き止んだ冴に沖田が口を開く。
「…落ち着いた?」
「…ごめんなさい」
「僕はね、冴以上にやきもちをいつも焼いてるよ?出来れば僕以外の人と話して欲しくないときだってある」
「そう…だよね。ごめんなさい」
沖田の言葉に眉を上げるも、眉根を寄せ沖田に謝る。
「ま、冴が黙っちゃたら皆が余計心配するよね。冴とあのコ以外は男ばかりだし、多少は仕方ないことだと思ってるけど」
クスリと沖田が笑うも、冴は小さく首を横に振った。
「冴、随分と不安にさせていたんだね。僕が悪かった。ごめんね」
「…総司のせいじゃない。私が勝手に…」
眉根を寄せて謝る沖田に冴は大きく首を横に振る。
「僕のせいだよ。…冴を人斬りにしたのも僕だ」
切なげに冴を見やる瞳と言葉に冴は目を見開いた。
「違…っ!」
「きっかけを与えたのは近藤さんだけど。皆の様に僕は冴の入隊を拒まなかった。
もうその時から…、冴に見惚れていたのかもしれないね」
冴の指に自身の指を絡めるのを見ながら、冴の瞳に視線を移す。
「総司…」
眉根を寄せた冴はその瞳に微かに笑いかけた。
「冴。僕はただの風邪じゃないらしいよ」
「…」
「労咳…だって」
「…」
沖田の言葉に静かに目を伏せる冴。
風邪の割には長引くとは思っていた。
脳裏に労咳という言葉が浮かんだがそれでなければいいと願っていた。
「…僕と一緒にいると…うつるかもしれないね。もう…うつってるかもしれない…」
冴の顔を少し覗きこみながら、沖田は絡めた指を動かし、優しく冴の手を撫でた。
冴は目を開き沖田の瞳をじっと見つめる。
「…一緒に…いさせて?」
「どうして?」
「総司がいないと…駄目なの」
眉根を寄せて口元に笑みを浮かべた冴。
「冴に言われたら突き放せないじゃない」
同じように眉根を寄せた沖田は冴を抱き寄せる。
「知ってた?僕たち、相思相愛らしいよ?」
抱きしめたままおどけた様に言う沖田に冴はクスリと笑う。
「そっか…。嬉しい」
見つめあい互いが微笑んで、唇を重ねた。
二人は本能のままにお互いを熱を求め、溶かしあった。
沖田は冴を抱き寄せた。
「冴。出来る範囲でいいから、僕の世話もしてくれないかな?」
「うん…。私もしたい」
見つめあう二人は唇を重ねる。
乱れた着物を整えた二人は道場を後にしようとする。
「冴…」
眉根を寄せた沖田がその名を呼ぶ。
「冴にうつるかもしれないね」
「気にしないで…。私は大丈夫だから」
いつもの冴の笑みにつられるように沖田も笑みを零す。
「僕のこと、愛してくれる?」
「ん…」
はにかむ冴を抱き寄せる沖田。
その耳元で冴に言葉を紡ぐ。
「じゃあ刹那でもいい。出来るだけ一緒に…傍にいさせて?またこうして冴を抱かせて?冴を感じていたい」
「…うん」
沖田の腕の中で冴はしっかりと頷いた。