薄桜鬼・妄想小説【君の名を呼ぶ】第22話 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

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第1話はこちらから → 








いつものようにキャラ崩壊、設定無視などございます。



かなりのお目汚しとなりますが、それでも宜しければ。














土方と山南が大阪に出向いてた際。


藤堂、沖田が千鶴を引き連れて大広間へとやってくる。


藤堂が千鶴をここで食べるよう提案したと言う。



「えーっと、じゃあ席は…」

藤堂が場所を思案する。


「あ!ならここ座って!私、一の横…」

言いかけた所で、沖田と目が会う。


「…じゃあなかった、総司の横に行くから」

冴の言葉に沖田は目を細める。



「んあ?何でだよ、忠司。ここにいりゃあいいじゃん」


「そうだぜ、忠司。寂しいじゃねぇか」

藤堂と永倉が声をあげる。


「毎っ回の新八さんと平助の争いに、いい加減うんざりなの」

大げさに溜め息を吐きながら膳を持ち、斎藤が空けた場所に移動する。




「ごめんね、一。場所移動させちゃって」


「気にするな」

斎藤に小声で話しかけ、斎藤は目を伏せ口元に軽く笑みを浮かべた。


「何話してんの?」


「何でもないよ」

少し不機嫌そうな沖田の問いに眉根を軽く寄せて笑う冴。




その後、井上から山南が左腕を負傷したということが伝えられる。


大坂から戻ってきた山南の様子に皆暗い影を落とした。

左腕に受けた傷は深いという。




それから山南は自室で過ごすことが多くなった。


土方は広間で食事を取る千鶴の姿に戒めるだけで咎めはしなかったが、
冴の場所を斎藤の横へと移させた。




大広間から出て、廊下を歩く沖田と冴。


「あんな嫌がらせいなくたっていいよね」

沖田が不満そうに口を開く。


「私達が恋仲だからでしょ?」

沖田を見上げて冴は言葉を投げる。


「そんなことされたらさ、黙っちゃいないよね」


「…程ほどにね?」

沖田が正面を見据えて口角を上げたのを見て、冴は眉根を寄せ苦笑いを浮かべた。







冴は非番の日、山南の部屋を訪ねた。


襖越しに山南に声をかける。


「山南さん?入っていいですか?」


「どうぞ」

山南の応えに冴は部屋に入る。



「松原くんがこんなところに。珍しいですね」

身体を冴に向けながら少し驚いた表情の山南。


「今日は非番ですから。島田さんがお団子分けてくださったんです。一緒にどうですか?」

盆に二つの湯のみと竹の葉に乗せられた団子を差し出す。



「お気遣い感謝します。たまにはいいですね」

山南は優しい口調で笑みを零す。


「出来れば縁側とかがいいんですけど」


「…」

冴の言葉に言葉を詰まらせる。


「じゃあ、せめてこの部屋の戸をあけていいですか?」

冴は口元に笑みを浮かべて山南に伺う。


「どうぞ」

それに応えるように目を細めた山南。




障子戸を開け放てば、春の香りを漂わせる風が部屋に滑り込む。


「いい天気です。暖かくなってきましたよ」

空を覗いた冴は空に向けて笑顔を零す。




「…皆さんに様子を見てくるように言われたんですか?」

冴の背中越しに言葉を投げる山南。


「いいえ。私が最近話せてなかった山南さんとお話したかっただけですよ」

冴は振り返り、笑みを浮かべた。


「そうですか」

山南は視線を畳へと落とした。



「随分と疑心暗鬼、ですね」


「そう見えますか?」

冴を見やる表情は先程よりも少し冷たさが加えられたようだった。


「ええ。あ、お団子どうぞ」

山南の向かいに座りなおしながら笑みを向ける。


「ではいただきましょうか」


「はい」

ふわりと笑った山南に冴は小さく頷き微笑んだ。





「…何か研究されてるんですか?」

団子を食べながら、山南の背後にある書物を見やる。


「ああ、これですか。綱道さんが残していった資料などを基に、改良を加えることが出来ないか日々錯誤しているのですよ」

目を伏せて、冴に説明をする。




「山南さんは『もう一つの新撰組』が必要…だと?」


「そうですね。彼等がきちんと実用できれば新撰組にとって、多大な成果をもたらすでしょうね」

静かに頷いた山南は冴に笑みを向ける。


冴は静かに眼鏡の奥の瞳を見つめた。




少しの沈黙が訪れる。


二人は団子を食べ進め、茶を飲む。



口を開いたのは冴だった。


「山南さん…。腕の調子は?」


「これといって良い様には転んでませんね」

眉根を寄せて苦笑いを浮かべる山南。


「そう…ですか。石田散薬も効きませんね」

神妙な顔をして顎に手を置き、考え込む。


「…それは土方くんや斎藤君の前で言ってはいけませんよ?」


「承知してます」

二人は顔を見合わせ、クスクスと笑った。




「お団子美味しいですね」


「島田さん推薦ですから」

山南の言葉に冴も笑顔で応える。


「私の腕が悪いのを気遣って、片手でも食べやすい団子を持ってきて下さったのでしょう?」


「買いかぶりすぎですよ」

二人の頬を優しい風が撫でていく。




「風もすっかり春ですね」


「季節が移り行くのは早いです」


二人は開かれた障子戸から空をのんびりと見つめる。





「松原くん。いい気分転換となりました。ありがとう」

食べ終えた山南が湯飲みを持ちながら冴に微笑む。


「良かったです。また機会があえば来てもいいですか?」


「はい。ですが、沖田くんが良からぬ心配をしそうです」

嬉しそうに応えた冴に山南が言葉を零す。


「そう…ですかね」

その言葉に少し顔を赤らめ、視線を畳へと落とす。



「またいつかこうしてのんびりとお話しましょう」


「はい!」

山南の言葉に冴は破顔した。







「お。障子戸が開いてるなんて珍しいじゃねぇか」

入ってきた土方が言葉を投げる。


「土方くんが松原くんに指示したのではないのですか?」

身体を向けつつ、土方に問いかける。


「俺が松原に?いや、何も指示してないが」

眉を上げて応える土方。


「そうでしたか。松原くんがお団子とお茶を持ってきてくれて、一緒に食べたんですよ」

山南は口元に笑みを浮かべながら目を伏せる。


「へぇ…あいつがね」

山南の表情を目を細めて見やり、喉の奥でクッと笑った。


「全く、人の懐に上手く飛び込んでくる方ですね、松原くんは。困ったもんです」

眉根を軽く寄せて、土方に笑みを向けた。







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【お知らせ】




今週は本当に多忙 & 御用改め(実母父が来る)が入るため、

毎日のお話アップは難しいと思われます。


努力はしますが、時間の問題、適当な話は出したくないので。。。


コメ返も遅れていて申し訳ありません。



楽しみにしてくださってる皆さんには本当に申し訳ないのですが、

ご理解いただけますようお願い致しますm(_ _ )m


お話をアップした際にはまたお時間あるときにでも読んでいただけると嬉しいです。


よろしくお願いします。






みふゆ