小説設定はこちらをご覧下さい → ★
第1話はこちらから → ★
いつものようにキャラ崩壊、設定無視などございます。
かなりのお目汚しとなりますが、それでも宜しければ。
梅雨の合間の晴れ渡った空の下。
山中の少し湿った落ち葉を踏みしめながら軽快に家に向かう冴。
そんな冴を沖田も嬉しそうに見つめる。
「この道も久しぶり」
「屯所に来て二月になるっけ?」
「そう…。そうだね。あっという間。あ、お花摘んでいい?」
道沿いに咲いていた花を摘む姿はあどけない少女のようだった。
「…よかった。荒らされた様子もないみたい…」
久々に訪れた家を眺めて言葉を零す。
「ただいま」
冴はまだ光の届いていない家に入ると、少し大きな声で呼びかけた。
「総司は待ってて。私、戸とか開けてくるし」
玄関に向かいながら顔だけ沖田に向け、言葉を投げる。
「手伝うよ」
口元に笑みを浮かべる沖田。
「…ありがと」
照れくさそうに沖田を見つめ、応えた。
一通りの戸を開けた二人。
山特有の少しひやりとした風が家の中を通り抜けていく。
「ありがと!じゃあ、待ってて。軽く拭き掃除だけさせて?」
生き生きとした表情の冴がパタパタと走る。
「そこまでやるの?」
眉を上げる沖田。
「…うん…。誰も住んでないけど、私の家だから。私がやりたいし。
あ、先に縁側拭くから、その後総司はのんびり庭でも見てて?」
「わかった」
冴の笑顔につられる様に沖田も笑みを浮かべる。
急いで縁側の拭き掃除を終えた冴。
着ていた着物に目を向けた。
『あ~、男装の着物、これ以上汚したくないな。着替えようかな』
奥の部屋に入り、そくささと着替える。
「…着替えたんだ」
冴の姿を見た沖田が眉を上げる。
蝦色の女物の着物を纏う姿は普段以上に女を感じさせるものを漂わせていた。
沖田は普段とは違う冴の姿に熱が篭るのを感じる。
「うん、男装の着物汚したくないから」
「…冴、ここに来て?」
手でちょいちょいと呼ぶ沖田。
「なぁに?」
沖田の横にちょこんと正座した冴。
沖田は右手で冴の頬を包み、唇に口付けを添えた。
「っ!…どうしたの?」
「ん?冴が可愛かったから」
途端に顔を赤らめた冴にクスリと笑って応えた沖田。
冴はすぐさま立ち上がり、拭き掃除に向かう。
沖田はその様をクスクスと笑いながら見送った。
「あ、冴。お布団ある?」
「あるけど…。どうしたの?」
冴は不思議そうに首を傾げる。
「あとで昼寝したいなと思って。干しておこうよ」
「わかった」
微笑む冴。
「…何で二組干そうとしてるの?」
「へ?あ…何となく…」
「一つでいいよ」
「はーい」
少し恥ずかしそうにしながら冴は押入れに布団を戻しに行った。
「終わった~!」
冴が両手を挙げて嬉しそうに声をあげる。
「お疲れ様」
「やっぱり掃除すると気持ちがいいね」
「スッキリしたね」
冴の弾むような声と笑顔に沖田も応える。
「久しぶりに皆にお供えも出来たし、報告も出来たし。お昼にしよっか」
「うん」
冴の言葉に頷く沖田。
庭を眺めながら縁側で食事を取る二人。
「ごめんね。屯所で貰ってきた握り飯と漬物しかなくて…」
「いいよ。充分」
「良かった」
沖田の言葉に笑みを零す。
「…庭が鬱蒼としてるなぁ…。仕方ないんだけどね」
少しの苦笑いを浮かべて庭を見渡す。
「は~、気持ちいいな」
「お昼寝しようか」
「わかった。待ってて」
干していた敷き布団を取り入れ、庭が見える部屋に敷く。
「この着物汚れてるから男装の着物に…」
「まだ女物の着物はないの?」
立ち上がる冴に問いかける沖田。
「…あるけど」
「じゃあ、それがいいな」
口元に笑みを浮かべる沖田を『その顔がずるい』と思いながら、小さく息を吐いて別部屋に入る。
今度は常盤色の着物を纏った冴。
眩しそうに目を細め、手を伸ばす。
「冴、おいで?」
ふふふと笑みを零す冴。
「何笑ってるの?」
「いや、ここで斎藤さんと総司と3人で寝たんだなって思って」
沖田の手を取った冴が身を寄せながら隣に座る。
「川の字でね」
「ね」
二人は顔を見合わせ笑う。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
お待たせしました。
明日、です。
アップ時間がいつもとは違うかもしれません。
ご了承ください。
とかいいつつ、何てことないエリョだったらごめんなさいねwww
またアップ時にフォレストのリンクも貼ります。
エリョ広告、間違って押しても、責任・苦情は受け付けませんm(_ _ )m
気をつけてくださいね?