薄桜鬼・妄想小説【月に捧ぐ】第12話 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

小説設定はこちらをご覧下さい→



第1話はこちら→







いつものようにキャラ崩壊、設定無視などございます。



かなりのお目汚しとなりますが、それでも宜しければ。

















島原の一室。


土方と綺月は寄り添っていた。


「…綺月、最近薩長の奴等の席に出たか」

「いえ…。最近は武士の方の席にはあまり…」


綺月は土方に気を使ってか商人などの相手をすることが多くなっていた。


原田も相変わらず通っているが、綺月はなるべく二人になるのは避けている。

原田もそれを察したのか、綺月を呼び出す回数も減ってはいた。



「そうか…。少し気になる情報があってな。それを確かめたいんだが…」

「私が席に出ましょうか?」

「…いや、お前なら上手く出来るとは思うんだが…。
お前も売れてる身だ。それに俺の相手をしていることも向こうには知られていないとは限らない」

「…はい」

「それでだ…。前にもここに来ていた雪村千鶴って奴がいるんだが…」

「ああ…、あの可愛らしい方」
千鶴を思い出し、口元に笑みを浮かべる。


「そいつに潜入させようと思っている」

「…君菊にもこの話は通して宜しいですか?」

「ああ、頼む」

「ではその千鶴さんには君菊か私が一緒に付きます。
それなら大丈夫かと思いますが」

「ああ」

そっと綺月を引き寄せる土方。


「済まねぇな。お前を巻き込むつもりはなかったんだが…」

「いいえ、お役に立てるなら喜んで…」

「喜ぶな。何が嫌でお前を薩長の連中の中に飛び込ませなきゃいけねぇんだ」

眉間に皺を寄せて綺月を見つめる。


「…お気持ち、ありがとうございます」

ふわりと笑う綺月。

土方はその唇に軽く口付けを落として緩く抱き締める。


「その席の斜めの向かいの部屋も取っておいてくれ。
部下を二人置いておきたい」

「わかりました。…ではその方達が集まりそうな日にちがわかればお伝えしますね?」

「頼む」


はぁ…と溜め息を吐いた土方。


「どうかされましたか?」

「島原は御用改めも出来る場所じゃねぇ。わかってはいるんだが…。
雪村の潜入には賛成していた総司がお前は巻き込むなって煩くてな」

「沖田様が…私をですか…?」
少し目を丸くする綺月。

「お前がここで何かしら巻き込まれたら立場が難しくなるだろうからな。
俺もそれはわかってはいるんだが…。
こういう運びになったら、また煩いだろうなと思ってよ」
溜め息混じりに言葉を吐く。

「まぁ、原田も反対はしてたがな…」

「副長様は大変ですね」
口元に笑みを浮かべる。

「…綺月…」
綺月の言葉に呆れるように言葉を吐いた。


「はい?」

「まぁ、いい。仕事の話は終いだ」

土方の片手が綺月の頬を包む。


「会いたかった…」

「私も会いたかったです…」

どちらともなく唇を寄せ、啄ばんだ。











千鶴が島原に潜伏した3日目。


綺月が千鶴と共に席につく。


『千鶴さんももう慣れてらっしゃる』

酌をしつつ、愛想良くしながらも交わされる会話に耳を傾ける。


やはり新撰組襲撃の話を匂わせていた。

だが、肝心の具体的な言葉が出てこない。


宴も酣になり、千鶴が綺月に目配せをする。

微笑んで軽く頷く。


千鶴が部屋を出てしばらくした頃、一人の薩摩藩士が綺月に絡んできた。



「それにしても綺月、久し振りだなぁ、おい」

「相変わらず綺麗じゃねーか」

「ありがとうございます」
変わらず愛想を振り撒く綺月。


「そういや…最近、新撰組の席にばかりついてるって話、あれは本当か?」
藩士たちの雰囲気が変わる。


「それはたまたま…」

「しかもあの土方のお気に入りらしいな」

「綺月、お前今日…何しにこの部屋に来た」

じわじわと綺月に近寄り、低い声で顔を覗きこむ。


『…さて、どうしたもんかしら』




「おい、立て。綺月」

真後ろからゆったりとした低い声がした。


見上げると白い着物に黒い羽織を着た長身の男が綺月に声をかけていた。


『…誰…』

見上げたままでいると二の腕を掴まれ無理矢理立たされた。



「風間…何をしている」
藩士が唸る。

綺月の肩を抱き寄せ、胸に閉じ込める。


「綺月は俺様の女。新撰組の席につかせていたのは間者としてだ。何か問題でもあるか」

黙る男たちに鼻で笑い、綺月の肩を抱いたまま部屋を出ていく。




隣の使われていない部屋に連れ込まれる。

戸は開けられており、月の光が部屋に差し込んでいる。


「ありがとうございます…」
風間を見上げる綺月。

「何、あやつらの事が気に入らなかっただけのこと」

変わらず肩を抱きよせたまま、窓際に行き窓辺に綺月を座らせ、風間も腰を置く。





月が二人を見つめる。


暗闇から二人を覗く影が動いた。









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やっぱりね。



土方さんがこれだけ出てるなら、ちー様出さないとw








みふゆ