薄桜鬼・妄想小説【月に捧ぐ】第7話 | 浅葱色の空の下。

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薄桜鬼に見事にハマってしまったアラサーのブログです。
拙いですが、お話描いてます。
まだゲームはプレイしてません!色々教えてやってください。

少しずつフォレストにもお話を置いていっています。お楽しみいただければ幸いです。

小説設定はこちらをご覧下さい→


第1話はこちら→



エリョ要素あります。

苦手な方、18歳未満な方は戻ってくださいね。






いつものようにキャラ崩壊、設定無視などございます。



かなりのお目汚しとなりますが、それでも宜しければ。
















いつもより早い時間に綺月の元を訪れた土方。



「お疲れのようですね?」
土方の表情を見るなり声をかける綺月。

「ああ」

「池田屋に御用改めに入られたとか。この島原もその話で持ちきりです」
口元に笑みを浮かべる。

「そうか」
酒を煽る土方。


「うちの連中も昂ってんだか知らねぇが、煩くて休んでらんねぇ」
眉間に皺を寄せて目を伏せる。

「それは困りましたね。翌日には早速永倉様がお部屋を取られてましたよ」
綺月はクスクスと笑う。

「ったく、たかがあれくらいで浮かれすぎなんだ」
長い溜め息を吐く。



土方はふと窓から見える空を見上げる。

闇夜に浮かぶ満月。

「…満月、か」
呟いた言葉は揺れた風に消えた。


月に見入る土方の手にそっと自分の手を重ね、肩に軽く凭れる綺月。

「忘れちゃいねぇよ」
土方は口元に笑みを浮かべた。手を返して綺月の手を握る。

綺月も笑みで応える。



「綺月、添い寝しろ」

「はい」
強引な物の言い方にクスリと笑う綺月。


長襦袢姿になった綺月を自分の元に導き、そっと抱き締める。

綺月の香が鼻を掠め、首元に頭を埋める。


「…綺月、俺も昂ってるのかもしれねぇ」

「悪ぃが今日は優しく抱いてやれねぇからな」
綺月を見据える瞳。

「はい。お気に召すがままに」

ふわりと笑った綺月。



噛みつくように唇を貪っていく土方。

綺月の形の良い胸を荒く揉みしだく。

首筋に鎖骨に次々と花を咲かせ、
長襦袢の上からもわかる突起を甘噛みする。


次第に漏れていく綺月の声。

片胸をさらけ出し、吸い付く。

右手は身体の線をなぞるように下りていき、
蜜処へ辿り着く。

そこには既に溢れでる液が滴っていた。


「綺月…」
囁くように名前を呼び、耳朶を甘く噛む。

蜜処と蕾を撫でると綺月の腰が土方の自身をを待ちかねるように浮く。


「次にはたっぷりと可愛がってやるからよ」

素早く取り出した自身を蜜処に捩じ込む。


二人の熱が交わり、漏れる吐息も交わっていく。


最奥を目指す土方。

悦びに身を捩る綺月。


次第に速まる打ち付ける音と止まらない液音に
二人が一つに熔けていくのを感じた。







綺月は隣で眠る土方の寝顔をずっと見ていた。


スースーと小さな寝息。

自分だけが見れる穏やかな顔。

綺月にとって何よりも得難い至福の時。


土方の顔にかかる髪をそっと避ける。


ピクっと瞼が動き、うっすらと目が開く。


「すみません、起こしてしまいましたね」

「…構わねぇ」
掠れた小さな声。


「まだお時間ありますからゆっくりとお休みくださいな」

「あぁ…」
消えそうな小さな声と共にまた聞こえてきた穏やかな寝息。


揺るかやに抱き寄せられる。



遠くに聞こえるはお囃子や笑い声。

静かなこの部屋で寄り添う二人。


飽きることなく綺月は土方を見つめ続けていた。










季節も変わり日も短くなり始めた頃。


「あれ、左之さん。出かけるの?」
玄関を出て行こうとする原田に声をかける沖田。

「ああ。一杯ひっかけてくる」

「一人で?」

「ああ、たまにはな」
沖田に背を向け歩き出す。

「へぇ」

「左之。門限までには帰ってくるのだぞ」
居合わせた斎藤も声をかける。

「わぁってるって」
手をヒラヒラと振り、去っていく。



「左之さんてさ…、最近土方さんに対しておかしくない?」
原田の背中を見ながら呟く沖田。

「…どういうことだ」

「うーん、まだ確信がないから上手く言えないな」
目を細め、口に三日月を作る。





島原での薄暗い一室。

いつもは雰囲気を楽しむかのように言葉を紡ぎながら抱く原田が

今宵は綺月の名だけ呼び、何かに焦るように綺月を貪っていた。


「今日は随分と荒く抱かれるのですね」
綺月は胸元にいる原田に声をかける。


綺月の言葉に動作を止める原田。


原田は一つ溜め息を吐く。

「…綺月、お前あの人を好いているんだな?」

「…どうかしました?」
問いには応えず、問いで返す綺月。

「…」
目を伏せる原田。


少しの沈黙が続き、原田が口を開く。

「…俺はあの人の変わりにはなれねーのか」

「お前を抱く度にお前の頭の中でちらつくあの人が俺にも伝わってくる」


「それが嫌で他の女も抱くが、今度は俺の頭ん中でお前がちらつく」
次第に眉間に皺を寄せ、吐露する原田。


「身も心もお前を求めてるんだ」

「綺月、俺はお前を…」
言葉を飲み込む。
苦悩に満ちた表情。


少しの沈黙。

「…俺に抱かれている時くらい、俺を見てくれ」
まるで懇願するような原田がそこにいた。


「私は原田様を見てますよ?
今、目の前の私は原田様だけのもの」


遊女としての正論。
綺月の胸のうちにじんわりとした痛みが走る。


原田が言うことは間違ってはいない。

どの男に抱かれても、ふとした瞬間に土方が頭に浮かぶ。


胸のうちに秘めていた感情がばれてしまったのは原田も新撰組として生きる身だからか。


「…貴方がそう思うなら私は遊女失格ですね」

綺月は自嘲した。



「…ぃや…、お前に馬鹿になってんのは俺の方か。
最初にお前が忠告した通りだったな」
小さく溜め息を吐く。


「…今日は言わせてくれ」

「…俺はあの人よりお前を想っている。あの人よりお前を抱いて…」

綺月の目を見て訴えるがその目に何の揺るぎもない。

その目に言葉を失う原田。


「…確かにそうですね。実際あの方より原田様とは身体を重ねてますし、
原田様の方が私を思って下さってるかもしれません」


「でも…こういう生業だからか…」

「私は愛の重さとか…どうでもいいんです」

そう呟いた綺月がまた綺麗で原田は息を飲んだ。


目を見つめたまま、しばらく続いた沈黙。


「悪ぃ、変なこと言っちまったな」
目を背けた原田。

「今日は帰るわ」


「…また来たら相手してくれるか」
襖に手をかけた原田が背を向けたまま、言葉を投げる。

「勿論です」
綺月は目を伏せて応えた。




一人部屋で暫く佇む。


乱れた着物を整え、立ち上がり戸を開ける。

『…半月』


窓際に腰掛ける。



最近も土方は忙しく、もう20日も会えていない。

会えぬ日数を自然と数えてしまう自分が嫌になってしまう。


毎日土方以外の男に抱かれる身体。

それでも空くことなく『会いたい』と願ってやまない身と心。



『いっそ忘れられれば…この痛みは楽になるかしら』


忘れられるわけがない。

わかっているのにそう思う自分を自嘲した。












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イメージ曲にさせてもらってる

吉井さんの「おじぎ草」から

歌詞を一文拝借しました。

「私は愛の重さとかどうでもいい」

です。


ホントかっこいい曲です。





みふゆ