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いつものようにキャラ崩壊、設定無視などございます。
かなりのお目汚しとなりますが、それでも宜しければ。
新撰組が解散したと聞いてから2年が過ぎようとしていた春。
店の引き戸が開く。
「いらっしゃ…!!?」
手から滑り落ちた盆がカランカランと音を立てて弾む。
「よぉ」
手を上げながら口角を上げる。
「…新八?」
目を丸くして、呟く。
「何だよ、幽霊見たような顔しやがって…」
「だって…新撰組は…」
「大きい音出して何や…。えっ!永倉さん!あんた生きてたんか!」
奥から出てきた小夜の父も目を丸くする。
「ああ、おやっさんも元気そうだな」
ニカっと笑う新八。
「食べてくかい?奢らせてもらうで」
小夜の父が笑顔で応える。
「ああ。ありがとよ。あ、今日は一杯でいいや」
「そうか?じゃあ待っててや」
席につく永倉。
「何だよ、突っ立ったまんまで。お茶持ってきてここ座れよ」
「…え?あ、うん」
促されて気づき、慌てて茶を入れる。
「やっぱ、おやっさんの蕎麦は美味いなぁ」
蕎麦をすすり、満足げな表情をする。
「…何で生きてるの?新撰組は箱館で…」
小夜が少し眉間に皺を寄せながら問う。
「俺は江戸で袂を別けたんだ。俺は俺で戦っていた」
目を伏せて一息つく。
「…何で京に?」
「戦も終わったしな。忘れもんがあるのを思い出したんだ」
小夜とは目を合わさず、茶を飲み、再び蕎麦を啜る。
しばらく二人の間に言葉はなかった。
最初に口を開いたのは新八だった。
「…ごちそうさん」
静かに手を合わせた。
「…小夜、お前まだ一人か」
新八は小夜を見据える。
「は?久しぶりに会ったかと思えば何をいきなり失礼なこと…」
「で?一人なのか」
まっすぐに小夜を見つめる。
「…一人やけど?何や、喧嘩売ってんの?」
怪訝な表情になる小夜。
新八は奥にいる小夜の父に言葉を投げる。
「おやっさん、俺が小夜貰ってっていいか?」
「へ?」
目を丸くする小夜。
「おー。持ってってくれー。永倉さんなら安心やー」
奥から小夜の父が応えた。
「はぁああ?!意味わからんしっ!何やねん、アンタ!父さんもっ!」
小夜は立ち上がり、勢いで椅子を倒す。
「おやっさん、こいつちょっと借りてくぜ?」
小夜の目を見ず、奥に声をかける。
「あいよー」
新八は小夜の手を取り、店を出た。
どんどん小夜の手を引きながら歩き出す新八。
「ちょっと!何処に行くんよっ!手ぇ痛いから!」
足を止めて小夜に向き合う新八。
「花見だよ。…相変わらずうるせー女だな」
「意味わからんしっ!何でアンタなんかと…!!?」
ぐいっと引き寄せられたかと思えば、力強くも優しい口付け。
小夜は驚きのあまり目は見開いたまま。
「…俺に付いて来るのか、来ねーのか」
すぐ目の前にあるあんなにも会いたかった顔。
「…ズルい。こんなんズルい。
…もう少しでアンタのこと忘れられそうやったのに」
小夜の声は震え、目には涙が溜まっていた。
「待たしちまったな」
小夜を強く抱き締める新八。
その胸の中で小刻みに震える小夜。
「俺と一緒に来てくれるか」
俯いたまま胸の中で頷く小夜。
「すまねぇな。気の利いたことも言えなくて」
「…あたしのこと、好き?」
小夜は上目遣いで新八の顔を覗く。
「だから迎えに来た」
「好きかって聞いてるん」
「…好きだ。お前は?」
口元には笑みを浮かべ、優しく小夜を見つめる目。
「…」
小夜は恥ずかしそうに頬を染めて、新八の胸に顔を埋めた。
新八の腰に緩く小夜の手が回る。
「おいおい、俺だけに言わせんのかよ」
「…花見、見終わったら言うてあげるわ」
ふわりと笑う小夜。
「可愛いこと言うじゃねーか」
にやりと笑う新八。
「アンタに言われても嬉しないわ」
「変わんねーな、小夜」
「新八もね」
互いに見合い、笑う。
「行くか」
「…うん」
手を繋ぎ、歩きだす二人。
風が通り、桜舞う。
小路の脇で青い小花が揺れた。
終
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どう…でした…かね?
あ、あれ?
私の中でめちゃくちゃ格好いい新八なんですけど( 〃▽〃)
…あれ、ダメ?
…やっちゃった?
…逃げた方がいい?
すみませんでしたぁああーっ!!!m(_ _ )m。。。ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ
…あとがき需要ありますかね?(汗)
みふゆ