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mi-column(ミコラム) ~時事ニュースから社会を読み解く~

法律事務所職員(福祉系NPO法人担当)が
話題の時事ニュース(主に法律・社会・福祉関係)を中心に、
実(み)のあるコラム記事を発信します!(^▽^)/

 

 時間に余裕が取れないと、「先祖調査に挑戦してみよう!」という気持ちには、なかなかならないものかもしれませんが、私はぜひ多くの方に、この体験をしてもらいたいと思っています。
 

 私の場合は、親族の相続手続きの際に、たまたま古い戸籍を見かけたことが、「先祖調べ」を始めるきっかけとなりました。確かに少し手間はかかりましたが、今は調べてみてとても良かったと思っています。
 
なぜなら、過去の時代と自分とが確かに繋がっていることを確認することにより、歴史(特に近代史)に関する興味が、以前に比べてぐっと湧くようになったからです。テレビなどで歴史的事件が取り上げられていると「この事件はひいひいおばあさんの○○さんが何歳のころに起きたのだなあ…。」と、先祖に思いを馳せながらその時代の様子を想像するようになったため、その時代に対する親しみを深く感じられるようになりました。「歴史モノ」のドラマや映画についても、以前より容易に感情移入ができるようになり、素直に感動できる機会が増えました。多様な歴史作品との出会いを、より豊かに楽しむことができるようになれた気がします。
 

 また、過去に親しみを持てたことは、単に作品を楽しむという効果だけに留まらず、現代社会を生き抜いていくための力を磨くことにも繋がったように感じています。現代の日本社会のシステムに近代日本の歴史や文化が深く関係していることは、頭では分かっているつもりでしたが、それが想像していた以上であったということに、今更ながら気が付くことができたのです。これは、時事ニュースを読み解いていく上でも、非常に重要な要素となってきます。「未来をより良いものにしていくために、社会や自分自身は、今、どの選択をしていくことがベストといえるのか。」こうしたことを考えていくうえで、大きな一つの道しるべを得ることができたのではないかと思います。

 

 そしてさらにもう一つ、「先祖調べ」から得た大切なことがあります。それは、頭でっかちに本で勉強するよりも、具体的な体験をすることのほうが、その後の学び(興味や吸収力の向上)に大きく繋がるのだと気づけたということです。半ば強制的に歴史の本を読むよりも、自発的に戸籍をたどって自分のルーツを知ることのほうが、余程身に付く良い勉強となったのです。「百聞は一見に如かず」とは、本当にその通りなのだと痛感する体験となりました。

 

 さて、ここまでご紹介してきた、とっておき「歴史モノ」苦手意識克服法、いかがでしたでしょうか。「自分の先祖を調べてみる」ことは、歴史モノ苦手意識を克服したいという方にだけでなく、現在起きている様々な問題をより深く考察したいという方にとっても、必ずや良い効果をもたらしてくれるものだと思います。そしてまた、人生をより味わい深いものに変えていく貴重な体験にもなるはずです。

 とりあえずは、気軽に始められる過去の戸籍集めから、少しずつでも作業を始められてみることをおすすめします。興味を持たれた方がいましたら、この機会に、ぜひとも挑戦してみてください。



(おまけ)
 …話は大分逸れますが、最後にもう一つ。
 来月(11月9日)からは、三谷幸喜監督の戦国時代劇映画「清須会議」が公開予定です。どうやら今回も、相変わらずの豪華な役者さん揃いの作品となっているようです。作品を重ねるごとに笑いのセンスに磨きがかかる三谷監督ですので、さぞかし愉快な喜劇になるのだろうと、個人的にとても期待をしています。
 歴史モノが苦手な方は、「歴史モノはマジメである」という既成概念があることも、大きな原因の一つになっているような気がします。こうした作品に触れることによって、その既成概念を少しずつ壊していくことも、苦手意識克服には重要なことといえるのかもしれません。
 歴史モノが好きな方も苦手な方も、この秋はひと味違った戦国時代体験をしてみませんか?…もしかしたら貴方のご先祖様にあたる人物も、映画に登場するのかもしれません!



 第二回目コラム 完


※最後までお読みいただき、ありがとうございました きのリンゴ


 「歴史モノ嫌い」とは、要するに、その時代背景にリアリティが感じられず、それが抵抗感となってしまっていることが原因なのだと思います。日本の文化は、明治維新・第二次世界大戦敗戦という二つの大きなターニングポイントを挟んで、大きく様変わりしてきた経緯があります。そのため、生活様式も、思想も、過去と現在では大きく異なってしまっています。若者に「どちらかといえば西洋の歴史モノの方が好き」という方が多いのも、西洋の文化の方が現代の感覚に馴染みやすく、抵抗を感じにくいからではないかと思います。例えば、「この道を150年程前までは“ちょんまげ”の人が歩いていたのですよ。」と、映像や言葉で説明されたとしても、簡単にはそれをリアルに感じられないのです。
 もし、苦手意識を持つ原因が、こうした“リアルさを感じられない”ことにあるならば、そうした過去が本当に存在していたことを実感できる“リアリティのある体験”をする必要があるでしょう。そして、その方法の一つが、「自分の先祖を調べてみる」ことであると思うのです。


 自分の先祖を調べてみるというのは、実はそんなに難しいことではないので、まずはその方法を簡単に説明します。

 まず、自分の現在の戸籍を手に入れます。これは、自分の本籍地の市町村役場で簡単に手に入れることができます。(手数料は450円。請求の際には、免許証などの本人確認資料の提示が必要です)。一般生活上では、パスポートの交付申請のときや、婚姻届提出時、相続手続時などに取ったことのある方が多いことと思います。
 戸籍をよく見てみると、そこには必ず、その戸籍が作られた日付とその理由が記載されています。(例えば、それが両親が婚姻したときに作られた戸籍ならば「婚姻の届出により○年○月○日夫婦につき本戸籍編成」などというように記載されています。)この、現在戸籍が作られた日付と理由を手がかりに、戸籍を隅々まで読んでみると、現在戸籍が作られる前に使われていた過去の戸籍(例えば婚姻前に父や母が入っていた戸籍)の本籍地や筆頭者の名前などが分かります。そこで、今度はその過去の戸籍を、過去の本籍地の市町村役場へ請求します。(除籍となっていれば手数料は750円です)。この作業を、何度も何度も繰り返していくことで、父母、祖父母、曾祖父母・・・と、直系尊属の戸籍を順々に辿っていくことができるのです。(市町村役場まで出向くことが難しい方は、郵送によって請求することも可能です。)

 

 この作業は、一見難しそうですが、コツをつかめば誰でも挑戦できることだと思います。大きな書店に行くと、関連した書籍が入門書から販売されていますし、分からないことは役所で聞いてみると解決することもあります。また、専門に調べてくれる業者さんもいるようですので、お金に余裕のある方は業者さんに依頼してみるのも一つの手だと思います。
 関東大震災や第二次世界大戦時の空襲等によって戸籍の原本が焼失してしまい、遡ることが難しいケースもありますが、上手くすれば「明治19年式」と呼ばれる戸籍まで遡ることが可能です。(それより前の戸籍(明治5年式(壬申戸籍))は、身分・宗派・病歴・犯罪歴などの記載があり、差別問題に繋がる関係から、現在は非公開となっています)。ここまで遡ってみると、嘉永・安政・万延・文久・元治・慶応など、大河ドラマや歴史小説の中に登場する年号をその先祖の生年月日欄などで確認することが可能です。
 

 このようにして過去の戸籍類を辿ってみると、明治維新頃から現在に至るまでに、確かに存在していた先祖達の名前・出生日・死亡日・婚姻や離婚歴・家族構成など、実に様々な情報を自分の目で確認することができます。自分の名前が載っている現在の戸籍と、幕末・明治・大正・昭和の時代を生きてきた先祖達の戸籍が、きちんと繋がっていることを形として目の当たりにすることで、過去から現在までの時間の流れに実感をもつことができるのです。それは、歴史の流れというものが、「教科書」の白黒の世界から飛び出し、とたんに色づき出すような、とても不思議な体験です。


 「過去の時代の人間も、現在生きている人間も、同じ時間の流れの中に存在している。その先頭が「今」であり、これからもその時間の流れが刻々と未来へ続いていく。」

 この時間の流れを感じることは、世界や宇宙が存在している“神秘さ”までをも彷彿とさせる、貴重な体験になることでしょう。(業者さんに依頼して先祖調査をした場合であっても、きちんと自分で戸籍が読めるようになった方が、ここで味わえる感動が大きいのではないかと思います。)

 

 ちなみに、このようにして手に入れることのできる過去の戸籍(除籍等)は、保存期間が閉鎖から150年となっており、その期間を過ぎた戸籍は手に入らなくなる可能性があります。興味がある方は早めに調査を始められたほうが無難かもしれません。また、戸籍が震災や戦争で焼失してしまった場合や、明治19年式戸籍以前の先祖についてももっと調べてみたいという場合には、お寺の過去帳などを調べることによって、さらに先祖を辿っていく方法もあるようです。様々な方法で熱心に調べてみることにより、なんと室町時代や平安時代にまで先祖を辿ることのできるケースもあるようです。



 →次回:先祖調査をすることで得る「3つのメリット」を紹介します。


 

 最近、幕末~昭和(近代史)をテーマにした映画やドラマなどがブームになっているようです。
 NHK大河ドラマ「八重の桜」は幕末から明治にかけてが舞台となっていますし、映画も「風立ちぬ」「少年H」「おしん」「永遠のゼロ」など、近代が舞台の作品が次々に公開されています。また、現在放送中の朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」も、明治後期から昭和中期にかけてが舞台です。(朝ドラは、放送時間を8:00に変更してからは、明治~昭和中期の話を取り上げることが増えています。現在までに放送決定が決まっているものまで含めると、全9作品のうち、「ゲゲゲの女房」「おひさま」「カーネーション」「梅ちゃん先生」「ごちそうさん」「花子とアン」と、6作品がこれに当てはまります。)


 さて、これら近代日本を舞台にした映画やドラマですが、「ちょっと苦手だな…」と感じている方もおそらく多いことかと思います。かくいう私も、歴史モノ(近代史に限らず全般)について、ずっと苦手意識を持っていたものの一人です。
 
歴史モノ(中でも近代史モノ)について苦手意識がある方の理由としては、主に次の二つが挙げられると思います。
 まず、一つは、「戦争などの血生臭い話が多く、また震災や貧困などの暗い話が続くため、見るのが辛い」という理由です。これは、各作品上における、それらの取り上げ方によっても大きく変わってくる部分ですし、また、個人の感性の問題であるとも言えるので、苦手意識があったとしても仕方がないことであると思います。
 もう一つは「時代背景がなかなか掴めないため、観ていてあまり感情移入ができない」という理由です。映画やドラマ鑑賞をする上では、「感情移入ができない」のは致命的です。その状態で無理矢理に良作と呼ばれる作品を鑑賞したとしても、作品の良さを深く味わうことは難しく、余計に苦手意識に拍車がかかってしまう可能性すらあるでしょう。

 

 私自身はどうであったかと言いますと、特に二つ目の理由で歴史モノが苦手だと感じていました。歴史モノをあまり面白くないと感じてしまうのは、時代背景に対する自分の教養のなさが原因だろうと考え、様々な歴史の本で勉強してみようと試みたこともあったのですが、何度チャレンジしても、なかなか当時の様子を上手くイメージすることができず、また、読んだことが知識として頭の中に定着しないため、結局は三日坊主状態で終わってしまう…、ということが多々ありました。

 

 そんな歴史モノに苦手意識を持つ私でしたが、最近は「あること」をしたことによって、その苦手意識が克服されつつあります。歴史モノに(特に後者の理由で)苦手意識があるという方には、ぜひ試していただきたい方法です。それは、たとえ時代背景が理解しづらくても、映画やドラマに感情移入がしやすくなる、とっておきの苦手意識克服法なのです。


 ずばり、その方法とは…、





 

 「自分の先祖を調べてみる」というものです!


 

 →次回:自分の先祖を調べる方法を、簡単にご説明します。