時間に余裕が取れないと、「先祖調査に挑戦してみよう!」という気持ちには、なかなかならないものかもしれませんが、私はぜひ多くの方に、この体験をしてもらいたいと思っています。
私の場合は、親族の相続手続きの際に、たまたま古い戸籍を見かけたことが、「先祖調べ」を始めるきっかけとなりました。確かに少し手間はかかりましたが、今は調べてみてとても良かったと思っています。
なぜなら、過去の時代と自分とが確かに繋がっていることを確認することにより、歴史(特に近代史)に関する興味が、以前に比べてぐっと湧くようになったからです。テレビなどで歴史的事件が取り上げられていると「この事件はひいひいおばあさんの○○さんが何歳のころに起きたのだなあ…。」と、先祖に思いを馳せながらその時代の様子を想像するようになったため、その時代に対する親しみを深く感じられるようになりました。「歴史モノ」のドラマや映画についても、以前より容易に感情移入ができるようになり、素直に感動できる機会が増えました。多様な歴史作品との出会いを、より豊かに楽しむことができるようになれた気がします。
また、過去に親しみを持てたことは、単に作品を楽しむという効果だけに留まらず、現代社会を生き抜いていくための力を磨くことにも繋がったように感じています。現代の日本社会のシステムに近代日本の歴史や文化が深く関係していることは、頭では分かっているつもりでしたが、それが想像していた以上であったということに、今更ながら気が付くことができたのです。これは、時事ニュースを読み解いていく上でも、非常に重要な要素となってきます。「未来をより良いものにしていくために、社会や自分自身は、今、どの選択をしていくことがベストといえるのか。」こうしたことを考えていくうえで、大きな一つの道しるべを得ることができたのではないかと思います。
そしてさらにもう一つ、「先祖調べ」から得た大切なことがあります。それは、頭でっかちに本で勉強するよりも、具体的な体験をすることのほうが、その後の学び(興味や吸収力の向上)に大きく繋がるのだと気づけたということです。半ば強制的に歴史の本を読むよりも、自発的に戸籍をたどって自分のルーツを知ることのほうが、余程身に付く良い勉強となったのです。「百聞は一見に如かず」とは、本当にその通りなのだと痛感する体験となりました。
さて、ここまでご紹介してきた、とっておき「歴史モノ」苦手意識克服法、いかがでしたでしょうか。「自分の先祖を調べてみる」ことは、歴史モノ苦手意識を克服したいという方にだけでなく、現在起きている様々な問題をより深く考察したいという方にとっても、必ずや良い効果をもたらしてくれるものだと思います。そしてまた、人生をより味わい深いものに変えていく貴重な体験にもなるはずです。
とりあえずは、気軽に始められる過去の戸籍集めから、少しずつでも作業を始められてみることをおすすめします。興味を持たれた方がいましたら、この機会に、ぜひとも挑戦してみてください。
(おまけ)
…話は大分逸れますが、最後にもう一つ。
来月(11月9日)からは、三谷幸喜監督の戦国時代劇映画「清須会議」が公開予定です。どうやら今回も、相変わらずの豪華な役者さん揃いの作品となっているようです。作品を重ねるごとに笑いのセンスに磨きがかかる三谷監督ですので、さぞかし愉快な喜劇になるのだろうと、個人的にとても期待をしています。
歴史モノが苦手な方は、「歴史モノはマジメである」という既成概念があることも、大きな原因の一つになっているような気がします。こうした作品に触れることによって、その既成概念を少しずつ壊していくことも、苦手意識克服には重要なことといえるのかもしれません。
歴史モノが好きな方も苦手な方も、この秋はひと味違った戦国時代体験をしてみませんか?…もしかしたら貴方のご先祖様にあたる人物も、映画に登場するのかもしれません!
第二回目コラム 完
※最後までお読みいただき、ありがとうございました きの
※