- はじめに
今日、PS5 Proの発売が発表されて話題になっている。
巷では「高い」というもっぱらの評判だ。ただ、何をもって「高い」というのか、という話になってくる。
- PS5の価格とスペック
まず前提として、PS5無印について検討しよう。
PS5無印は、もともと54,978円で発売されていた(ディスクドライブなしだと43,978円)。そもそもこの価格設定自体が破格といっていい。というか、おそらく赤字だ。なんでそんな破格で売り出したかというと、おそらくPS5の発売直前に、Xbox Series Xが 54,978円で売り出すと発表したからだろう。
普通に同等スペックのPCを組もうと思ったら、10万円近くはする。
現在のPS5は79,980円(ディスクドライブなしだと72,980円)になっており、値上げした当時話題になったが、Xbox Series Xも現在は66,978円になっており、そこまで大きな差にはなっていない。要するに、PS5無印の価格も、市場価格に照らせば妥当だということ。客観的なスペックからすれば、むしろだいぶ安い。
では、PS5 Proは高いのか。正直いって、10万円程度になるだろうと思ってたので、12万円までいったことには驚いた。PS5 Proのベンチマークスコアなどが分からないので、客観的な評価は難しいが、おそらくこの価格もスペックからすれば適正だろうと思う。そもそも現在のゲーム市場は、ゲーム機で稼ぐのではなく、ソフトで稼ぐのが主流だ。だから、PS5 Proの売り上げて利益をあげようとは考えてないだろう。同等スペックのPCを組もうとしたら、17万とか20万くらいいくのではないだろうか。
PS5 Proでは、PSSRという機能が搭載されるらしい。おそらく、DLSSのようなものだろう。
DLSSは、NvidiaのGPUを積んでいないと使えない。PS5 ProはNvidiaのGPUを積んでいないから、DLSSではなく独自のアップスケーリングテクノロジーを搭載したということだと思われる。
なので、PS5 Proは価格相応というか、価格以上の優れた能力を発揮するとは思う。
- モンハンワイルズをするのにPS5 Proは必要か?
ただ、「PS5 Proのスペックが価格に見合ってさえいれば、とにかく買う」という人は、世の中ではごく少数であろう。自分のやるゲームとの兼ね合いで、買うか否かを決める人がほとんだと思う。
このブログは、モンハンをプレイしている人が見ているだろうから、ワイルズを無印で遊べるか、それともProが必要なのか、という点が気になっている人が多いのではないか。
ワイルズの推奨スペックが公式で発表されていないのでなんともいえないが、Game8で以下のような考察がなされている。
割と当たっている気がするのだけど、快適に遊ぶならRTX 4060くらいは必要になってくる気がする。PCだと、大体20万円くらいは必要になるスペックだ(PS5 Proもこのくらいのスペックな気がする)。
ここでいう「快適に」というのは、処理落ちせずにフレームレートが確保できる、という趣旨。
モンハンライズは、Switchだと最大で30fps. しかも、固定ではなく30fpsを確保できていないこともあるので、正直いって快適とは言いづらかった。
モンハンワールドは、可変30fpsなので、PS4無印だと30fpsを確保できない場面もありえた。PS4 Proだと、さすがに30fpsはクリアするが、たぶん60fpsが出る場面は多くないはず。
いずれにせよ、30fpsがまともに遊べるギリギリ、60fpsあればストレスなく遊べるライン、ということになるだろう。もちろん120fpsとか出れば快適だとは思う。
モンハンワイルズは、PS5で発売すると謳っている以上、PS5無印でもきちんと動作するように最適化しているはず。そうでないとSONYに怒られる。
だから、モンハンワイルズは、PS5無印でも問題なく遊べるはず。「起動したけどロクに動かない」なんてことはないはずだ。ただ、「じゃあ快適にストレスフリーで遊べるってこと?」と聞かれると、それは微妙な気がする。
モンハンワールド×PS4のときのように、「まあ一応ちゃんと遊べるけど、快適かというと微妙かもね」というラインに落ち着く気がする。快適にプレイしたかったら、PS5 Proや、それと同等以上のPCが必要になるだろう。というのが私の予想。
- PS5 Proは高いのか
PS5 Proが高いのか、という点について書いてみる。
これまで書いてきたように、単純なスペックからすれば、PS5 Proは高くないし、むしろ安いだろう。メジャーなゲームの多くを快適にプレイできるという点では、コストパフォーマンス自体は高いと思う。
ただ、それでも私はPS5 Proは高いと思っている。
それは、PS5 Proがぼったくりだという話ではなく、「メジャーなゲームを快適にプレイするためには、10万円以上払わなければいけない」ということ。要するに、ゲームはもはや高級な娯楽の部類に入りつつあるということなのだろう。
今後はおそらく、ゲームはPS5 Proのような高品質・高価格路線と、Switchのような低価格路線に2極化していくように思う。中間の価格帯がなくなっていくのではないと感じる。
多くの人が「PS5 Proは高い」というのも、ぼったくりだというよりも、「メジャーなゲームを快適にプレイするためには、こんなに払わないといけないと時代なのか」ということなんだろうと思う。
- PS5 ProではなくPCにするメリット
私は、たぶん自分のPCの方がPS5 Proよりもスペックが高いので、PS5 Proは買わずにPCでゲームをするだろうけど、ゲームできるPCを持ってない人は悩みどころだろうと思う。
「PS5 Proに12万払うくらいならPC買うわ」という人も見られるけど、12万で同等のPCは買えない。というか、PS5無印相当のPCしか買えない。PS5 Proと同等のPCを買うなら、20万円は欲しいところ。なので、「PS5 Proに12万円を出すか、PCに20万円を出すか」といった選択肢になるのではないか。
その差額8万円(仮)に対する評価次第だけど、「予算が厳しいから20万は出せない」という人もいるだろうし、「PCだったら色んなことができるから+8万出すわ」という人もいるだろう。
PCのメリットは何かというと、
でも書いたのだが、
- ゲームタイトルに幅がある
- 設定の自由度が高い
- 高画質・高レートで遊べる
- MODが使える
といったところだろう。
同人ゲームみたいなゲームとか、タルコフのような高スペックでないと動かないゲームは、PS5では発売されないから、PCの利点ということになる。
設定に関しても、PCだと自分のスペックに応じて画質などの設定を微調整できるが、PS5だと「画質優先」「フレームレート優先」「バランス」くらいの大雑把な調整しかできないことが多い。
この他には、FF14のように文字入力を頻繁にするゲームだと、PCの攻略サイトからコピペできるだとか、文字変換がまともだとかいったメリットもある。あと、PS5は入力遅延がきついので、それが小さいのもうれしい。
ただ、ゲームによってはPCはチートが多かったりするし、トラブルが起きた際も自力でどうにかするしかない。PS5だったら環境がほぼ全員同じなので、問題も対処法も見つけやすいが、PCは環境が人によって違うので、解決策を見つけるのが大変だったりする。
ということで、PCとPS5のどちらが良いかは一概になんともいえない。やりたいゲームやプレイスタイル、PC知識次第です、ということになる。
昔と違って、ゲームの選択肢が増えたぶん、取捨選択が悩ましい時代になっているともいえる。選択肢が増えた点を捉えて良くなったとみるか、分断が加速化されるとみるかは、難しい問題だ。