七月七日、今日は七夕ですね。小学校の頃は、学校の体育館に大きな笹の葉があって、たんざくを書きました。何を書いたかは、すっかり忘れましたけど。

一年に一度の七夕の日に、おりひめと彦星があえるなんて、そんなお話を子供の頃は無邪気に聞いていたような気がします。その七夕の物語を現代バージョンにしたらこんな感じかなというのを、ちょっと書いてみます。

 

おりひめとひこぼしは、マッチングアプリで出会いました。会ってすぐに、二人ともまずは顔が気に入り、話してみたら、会話も盛り上がり、すぐにつきあうことになりました。

二人は、日々の仕事をそこそこに、毎日会って遊んでばかりいました。そんなことをしているうちに、とうとう仕事をしなくなりました。怒った天の神様は二人を離れ離れにし、七月七日の日だけ、一年に一度会えるという契約を結ばせました。

二人は、天の神様に猛抗議しました。「コンプライアンスに反するわ。いつでも会える権利を勝手にうばうなんて。」

しかし、天の神様はそんなことに負けず、二人を離れ離れにしました。

それから二人は、毎日ラインのやりとりや、テレビ電話で連絡を取り合っていました。

しかし、ひこぼしもおりひめも、お互いさみしさをまぎらわすために、マッチングアプリをし、お互い隠れて浮気をしました。

そんなこんなで、七月七日に待ち合わせをすることをすっかり忘れてしまった二人、その日は大雨が降っていました。天の川に橋がなかったので、白い大きな鳥がやってきて、二人のために橋になってくれました。しかし、いくら待っても二人はあらわれなかったのです。白い鳥のリーダーは、起こって二人に高額の請求を求めました。「一時間いくらというオプションの倍の金額を支払ってください。」

その請求が二人のもとに届いて、二人は今日が一年に一度会える日だと気が付きました。

あわてて、会いに行った二人。なんだか感動的な再開とは、なりませんでした。白い鳥の高額請求、どちらが払うかでもめました。ついに、二人は「こんなことになったのは、天の神様のせいだ。」という結論に至り、その請求書を天の神様につきだしました。

「そもそも、七月七日に会えるようにしてくれなんて、こっちは一言も頼んでなかった。支払いはそっちでしてくれ。」

困った神様はそれから、白い鳥にとりあえず支払いをし、二人に言いました。

「二人は、このまま一生離れ離れになっていてもいいのか?」

すると、二人は言いました。

「リモートでつながってるから、べつに合わなくてもいいわ。」

天の神様は困ってしまいました。これでは、なんのために罰をあたえたのか、わかりません。しかも、ふたりはそれぞれに浮気までしています。

「おまえたち、それぞれ浮気をしているなら、いっそう別れたらどうだ。」

天の神様に言われ、二人はちょっと考えました。そして、一番大切な人は誰なのか、ようやくそれに気が付きました。

「天の神様、ごめんなさい。」

おりひめもひこぼしも謝り、そして二人は一途にお互いを愛し合う事をちかいました。

「でも、一年に一度しか会えないなんて、この時代にちょっとねぇ。」

二人はぶつぶつ言いました。それを聞いて天の神様も考えました。

「じゃあ、二人ともきちんと仕事をしなさい。仕事をきちんとしているなら、いつでも会ってもいい。」

「やったわ。でも、働き方改革があるから、残業はしないわよ。」

おりひめがいいました。「やれやれ。」天の神様はため息をつきました。

二人は、それから一緒に暮らすようになりました。しかし、どちらがご飯を作るとか、どちらが掃除をするかで、もめました。そして、結局二人は天の神様の言っていたように、一年に一度、七月七日に会うという道を選びました。愛し合っていても、そこそこ距離があった方がうまくいくのかもしれませんね。

   おわり