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昭和世代が気まぐれに語る世界

動画全盛時代にあえて文章で語ります。教育、社会、音楽(クラシック)など雑多な内容なので興味のあるもののみ閲覧ください。

テレビというのは、昭和時代の田舎中学生と似ている。東京ではもう流行遅れになったものを得意げにひけらかす。テレビでこれがブームと言った場合、もうはるか昔に廃れたものだと断定していいのだ。

 

ゴールデンウィーク報道もその典型例だ。報道の仕方は昭和のテレビが天下を取っていた頃と変わらない。多少は外国人観光客騒動など取り上げて変化をみせるものの本質は変わらないのだ。

 

まずゴールデンウィークは工場やホワイトカラー従業員が大部分だった昭和時代の思考である。今は暦通りに休日をとる人は減少傾向にある。それでもそのような人が観光地に殺到すると混雑となるため、うまく切り取り報道すれば昭和と同じニュースが作れるのだ。

 

テレビは毎年斬新な報道などできない。したがってゴールデンウィークでは、取材の前に駅や観光地で混雑しましたといった原稿をあらかじめ作っておき、あとでそれに合わせた絵を持ってくるのだ。視聴者は別に10年前のニュースを流しても気づかないであろう。

 

根本的な問題は、日本の有給休暇制度が機能していないことだ。祝日は最低限のものにとどめ、各自が自由に休暇をとれるようにすべきである。

 

すると祝日が減ると困る。なぜならわが社では有給が取れないからと言い出す人がいる。話は逆である。祝日が大幅に減れば、それを口実に各自有給休暇を取りやすくする空気が生まれる。学校も同様である。皆勤賞などというものは犯罪的である。

 

テレビではこのような議論はできないので、是非ともネットで議論が進むことを望む。

例えば歴史好きの小学生が、テレビ番組欄を見て、織田信長を取り上げる番組があるぞと期待して視聴しても失望する。なぜならテレビでは、歴史の好奇心は一切満たされないからだ。

 

では何かと言えば、芸能人が織田信長を話のきっかけとして、雑談したり悪ふざけをする番組になっているのだ。これはあらゆる芸術・紀行番組なども同様だ。

 

美術作品を取り上げる番組なども存在しない。実は美術にまったく興味のない女優などが、感動したふりをして台本を読むだけなのだ。

 

NHK大河ドラマで歴史を学ぼうなどと、昭和のようなことを言う人が今でもたまにいるが、歴史が好きなら本を読むべきである。今では初心者でも理解できて、しかもそこそこ専門性のある本があるのだ。現にドラマの感想では、秀吉を演じた俳優の中では誰が好きかといった話題しかない。つまりアイドルオタクの会話と同じなのだ。

 

テレビは公共の電波を使用しているのだから、芸能人という一部の職業のみを優遇するのは、法に反する。例えば芸能人が出るのは各局週に10時間以内などと決めればよい。局のアナウンサーがナレーターや司会をするのは時間に入れない。ニュース番組では1人でも芸能人が出れば、芸能番組とカウントするのだ。

 

とはいえ、いまさら滅びゆくテレビを改革しても仕方がない。あくまでも個人の妄想である。

 

 

それでは興味ある教養分野を動画で楽しむにはどうするか。ネット配信している動画を探せばよい。出演者は専門家、あるいはそれに準じた知識と教養を持つ人を選ぶ。無駄な茶番劇が10秒以上ある動画、非専門家が茶化す場面があるものは避ける。このように高品質動画だけ見て時間を有効に過ごすことが大切なのだ。

 

そんな高品質の動画があるのかと疑問に思うかもしれないが、全体の5%程度はどんなジャンルでもある。日本人の能力も捨てたものではない。

 

歴史・地理に関してはカス動画が多い。しかし物理・数学・クラシック音楽・建築などの分野は見る価値のある動画が5%以上ある。あくまでも私の主観である。

日本では故人のことを悪く言わないという美徳がある。例外は嫌いな政治家や学者が亡くなったときの左翼活動家の言動くらいのものだ。しかしこれは場合によると美徳ではないこともある。

 

最近亡くなった芸能人が問題なのだ。大御所とされているお笑い芸人、時代劇、あるいはアクション映画などで活躍した俳優、あるいはやたらきれいで美しい心に染みるヒット曲を歌った歌手。これらの中には生前、セクハラ、性犯罪の加害者であった人が多数いる。

 

しかし亡くなるとそんなことは話題にせず、素晴らしい人だったという設定になる。どこまで事実か不明だが、泣けるエピソードなどもマスコミを通じて流れる。

 

亡くなった人を惜しみ、懐かしがるのはいいが、彼らの性犯罪被害者はどう思うだろうか。彼らを称えるテレビ番組や雑誌記事を見るたびに嫌な気持ちになる。いまさらセクハラを訴えても、もう亡くなった人なのだから水に流そうじゃないかと言われる。

 

ジャニーズ事件は加害者死亡後も追及しているのだから、他の性犯罪も同様にすべきだろう。

 

昔は時代が違うのだから、性犯罪に対する意識も異なる。だから今の感覚で裁くなという意見もある。確かに戦国時代の出来事を今の法律でどうこう言うのは滑稽だ。しかし昭和後期は刑法も現在と大きく変わらない。飲酒に甘い、喫煙に甘いといったような意識の違いはあるが、昭和時代も飲酒運転は犯罪だったのだ。

 

故人の犯罪もきちんとこの行為は犯罪でしたと発表し、けじめをつけることによって、以後の社会がまともになるのだ。