グルメ番組のリスク等 | 昭和世代が気まぐれに語る世界

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動画全盛時代にあえて文章で語ります。教育、社会、音楽(クラシック)など雑多な内容なので興味のあるもののみ閲覧ください。

最近異常に多いグルメ番組は、犯罪的な存在である。

 

政府は万一の状況に備えて、食料の安定供給を行うための法整備をすすめている。そのような状況にお構いなく、テレビでは物を食う場面が異常に多い。その理由は製作費節約だけだ。その他の理由はない。どんな豪華な料理を食べても、大作映画や気合のはいったドキュメンタリーに比べれば、製作費は只同然なのだ。

 

普通の料理を普通に食べるだけならまだまし。しかしテレビの視聴者の知能レベルに合わせるには早食い、大食い、ゲテモノ食いをせざるを得ない。先の戦争中や直後のような食糧危機が突然来るとは思えないが、食料供給が世界的な課題になると、必ずテレビグルメ番組はやり玉にあがる。そもそも面白くないし、道徳的にも問題があるので、いったん問題になるとあっという間になくなりそうだ。

 

そして飲食店はグルメ番組のせいで、印象が悪くなりつつある。飲食店、それも高級店は芸能人が行くもの、怪しい犯罪者や水商売の人が行くものというイメージがついてしまうかもしれない。ラブホテルのように顔を隠して来店するのが普通になるかもしれない。

 

芸能人はちょっと売れたからといって、いきなり豪邸は立てない。知識・教養もないので、文化的なことに金を使うこともできない。もっとも自慢しやすいのは高級料理店の来店だ。よって高級レストランは馬鹿芸能人・成金のイメージがついてしまい、本来行くべき人が入りづらくなるのだ。

 

料理には地方の名物料理でも、平凡な家庭料理でも深く歴史的に掘り下げれば実に興味深いはず。そのような魅力を殺してしまうのもグルメ番組の害なのである。