4月18日付けで意見陳述書を提出致しました。
しかし、その後、裁判官から弁護士さんへ連絡があり「意見陳述の内容は5分以内にする事」を告げられたそうです。

争点になっていない厚労省との交渉などについて長々と書くのは控えて欲しい、等と言われたそうです。

この裁判の争点は「初診日はいつになるのか」です。
ですが、根本的にこのような裁判を起こさなければならなかったのは、最初から年金機構の審査が不正だったからです。

そしてその削除しろと言われた厚労省との交渉の中身にこそ、

ME/CFSの専門医が診断書にこの日が初診日ですと書いたにも関わらず、それを審査において確定診断日に変更するのであれば、年金機構に説明責任があるとも言って頂きました。

と書いてあるのです。

そして、私の審査では専門医に照会した事実もなく、専門医がこの日が初診日だと意見書を書いているのに、医学的根拠も説明もなく、棄却されているから問題だと言っているのです。

それも、確定診断を先にされていたのに、2度目の確定診断の日を初診日だとして棄却してきたことは、なぜ1度目の確定診断が無視されるのか?の説明が今でもありません。

報道では「確定診断前から認めて欲しいという裁判」としか書いて貰えませんが、それも違います。
確定診断されていたのに、それも無視されて棄却されたから裁判をしているのです。

なのになぜ、争点と関係ないから控えろという事になるのでしょうか?

私にとっては地方裁判の時に最初の意見陳述でも書いている内容なのに無視されたまま棄却され、もう一度書こうと思った内容でもあり、とても大切な部分で削って良い箇所など有りません。

しかし、5分以内に削らなければ、意見陳述書そのものさえ取り扱って貰えない可能性もあるとの事なので、意見陳述からは外し、証拠としての陳述書の提出となりました。

また申請時に担当して頂いた、故・藤原社労士さんからのメールを発見致しましたがその中にも社労士さんの質問を無視し勝手に棄却したこと、
「なぜ最初から資料を出さなかったのか」と地方裁判で聞かれましたが、このメールを読む限り、申請理由すら提出させてもらえなかった、という事になります。
また、班目クリニックで意見書を取れと言ってきたので提出したという事も書かれておりました。

なので、傍聴に来て頂いてもこの内容は公開されないのです。
ですので、ブログで本当に言いたかった事を、
最初に提出した意見陳述書をそのまま公開致します。

尚、5分以内に訂正したものは既に提出済みです。

その他に、削除させられた部分を陳述書として別に提出。
そして、NPO法人有明支縁会の理事長である草野様にも意見書を提出して頂きました。

残されたできる事は、傍聴席を1人でも多く埋める事しかありません。

相手側がどうしてもの反論が無ければ、5月9日の裁判のみで、次回判決が出ることになるそうです。

これで負けてももう最高裁はしません。
体力も財力も限界な為、続けるのは無理です。
治療に専念させてください。

最後のお願いになります。
どうぞ、皆さまのお力をかしてください。
よろしくお願い致します。

5月9日(火)14:00~
東京高等裁判所101号法廷
での傍聴にご参列お願い致します。



※以下意見陳述書の内容を公開致しますが、順序的にわかりやすくする為に、資料となるURLとメールのスクショ画面を文面の間に挟んでいます。
視覚障害をお持ちの方にはご不便おかけ致しますがご容赦ください。

尚、社労士さんからのメールの内容については写真を見なくても本文に引用されておりますので内容はわかるものとなっております。





意見陳述書


令和5年4月18日

 

 

1 一番伝えたいこと

初回障害年金の申請から一貫して申し上げている事は、「専門医の判断をなぜ認めないのか」という点です。

 

現在筋痛性脳脊髄炎(ME)/慢性疲労症候群(CFS)は未だ原因不明で治療法が確立されていない病気である為、研究の途上にある病気であり、日本では十数名しか専門医が居ない為に、殆どの患者は確定診断に辿り着けずに重症化してしまうケースや、精神疾患と決めつけられ運動療法や必要のない抗うつ薬処方で悪化してしまうケースが多い状況です。 

 

障害者手帳、車椅子、障害年金の申請において、正しい知識を持った医師の判断無しに審査をされる事で使えるはずの制度も使わせて貰えない状態となっています。 

 

意見書添付資料①にあるように、

18/4/9障全協の中央行動で年金課と交渉


19.5.17厚労省年金局事業管理課との交渉




2019年5月17日、NPO法人筋痛性脳脊髄炎の会(ME/CFSの会)と年金局事業管理との間で行われた交渉では、年金局側から、「日本で数少ない専門医が初診日とした日を認めない問題について、通常は認定医から診断した医師に問い合わせ等をして適切に判断している」との説明がありました。さらに、年金局側は、「ME/CFSの専門医が診断書にこの日が初診日ですと書いてあるにも関わらず、それを審査において確定診断に変更するのであれば、年金機構に説明責任がある」と発言しました。

 

それにもかかわらず、私の場合は、認定医が私を診断した専門医である班目先生や申先生に問い合わせを行った事実はありませんでした。

 

さらに、裁判では、申先生が意見書において、初診日が平成24年9月25日であること、感染後CFSの診断要件を満たすと述べているのに、これを否定するその明確な理由を1度も教えて貰えていません。

この裁判で意見書を作成していただいた、申先生と澤田石先生は、現在日本では国立精神・神経医療研究センターのME/CFS研究班のトップである山村隆先生 と患者のデータを共有し論文執筆にも協力している先生方です。日本で数少ないME/CFSの最先端の情報と御自身で診察された体験とデータをお持ちの先生方です。 

この裁判においても、一審において申先生の意見書を提出ましたが、専門医の判断を尊重しないばかりか、後述するようにME/CFSについて誤った理解にもとづいて判決がなされていることを疑問に思います。

 

2 障害年金申請段階、不服申立段階における専門医軽視

障害年金の申請時に代理人をしてくださった藤原社労士からのメールを、意見陳述資料として添付しました。藤原社労士は、日本で初めて障害年金を専門に扱う社労士として新聞に載り数多くの申請をしてきた障害年金の専門家です。添付資料②のメールには、








「本当に認定医が審査をしたのであれば慢性疲労症候群という非常に特殊な傷病を扱う点で社会通念上、専門医に照会も確認もしないまま判断をするはずがない」ので医師免許を持たない者が判断したのでないか、と疑念を持つほどのずさんな審査だったこと、そのため、審査請求を行うに際して社会保険審査官に「判断した医学的根拠・理由、及び認定医の専門分野」について審問を行うように申し立てたとのことでした。しかし、「それを無視して私に審査請求の理由も提出させないまま一方的に審査請求を棄却してしまいました。」とあります。 

 

もう一通のメール(添付資料③)では、










再審査請求の公開審理が終わった直後の藤原社労士からの報告です。 

再審査請求でその場にいた参与が3名全員積極的に原告の初診日を認める発言をしています。参与は一定の専門的知識を有する者の中から専任されており、参与の意見は尊重されなければならないとされていますが、全く反映されずに棄却されました。

また、仮にこちらが申し立てた初診日が認められないとするならば、病歴・就労状況等申立書から判断すれば、初診日は関町内科クリニックになるはずなのに、年金事務所の指示でまだらめリニックの受信状況等証明書の提出を求められ、その結果、まだらめクリニックの受診日が初診日となってしまったことが分かります。

 

このように、当時の障害年金申請における、ME/CFSの初診日判断はきわめてずさんであったことを、裁判所にもぜひ理解していただきたいです。

 

3 判決における専門医軽視 

次に、一審の判決文について、医学的にみて誤っている箇所、専門医の判断を軽視している箇所を申し上げます。 

 

判決P20は、「6ヶ月以上持続ないし再発を繰り返す疲労」があった事を認めることは困難であることの理由として、マイコプラズマの症状が治ったのちの3ヶ月の通院履歴が無いことをあげています。しかし、診断基準によれば、6ヶ月以内に再発していれば足りるのですから3ヶ月の通院履歴が無いことは平成24年9月25日を初診日とすることと矛盾しません。 

今回証拠として提出した、澤田石先生の意見書にある通り、CFSを診断するにあたり6ヶ月以内に再発が繰り返されていればCFS症状が現れていない期間があっても問題はないので、そもそもその3ヶ月間の倦怠感を証明出来ないので棄却という判決自体が、ME/CFSの診断基準を正しく理解出来ていないものであり、証明する必要はない事柄の証明を要求する誤った判決であったことは明白です。 

 

なお、既に一審でも述べたことですが、通院履歴の無い3ヶ月間も倦怠感は続いておりましたが、私自身倦怠感だけで通院する習慣が無かったこと、市販薬を飲んでも治らない感冒様症状が酷くなって初めて病院へ行ったことも説明済みです。 

 

加えて、判決P2016行「立位や座位を保てない程の疲労感・倦怠感が継続していたことを訴えていたとは認められない」という点も、この病気についての誤った理解を前提としております。CFSの診断にはPS3以上で足りるとされており、立位や座位も保てないのであればPS8以上の重症患者となります。PS8以上の症状の継続が無いとCFSの診断ができないというのであれば、初期症状でCFSの確定診断されることは無く、病名がつかないまま病院にたらい回しされ続けるという現実を受け入れろと言われているに等しいです。私自身、そのような誤診が原因で4年間に15箇所もの病院に通いましたがCFSの確定診断を受けることができないまま重症化しました。 

繰り返しになりますが、初期症状を正しく判断してくれる医師が日本に殆どいない現状を正当化するような一審判決は不当です。 

 

さらに、判決P21下から6行目「原告の慢性疲労症候群が感染後CFSであるかどうかは定かでは無い」 と記載されていますが、ここにも専門医の意見を軽視する一審判決の姿勢が現れています。

班目先生、申先生、澤田石先生と、3名の専門医が「感染後CFS」と認めている意見書を書かれているのに、それを「定かでは無い」と言うのであれば、何を持って定かである証拠が出せるのでしょうか。なぜ、多数の臨床経験を持つ専門医が、その経験にもとづいて感染後CFSであると結論づけた意見書を、裁判所が無視するのでしょうか。 

 

4 専門的な医学知識に基づく判断こそが「公平性の担保」のために必要

判決P22最下行「公平性を担保する趣旨にあることからすれば」とありますが、不公平な判断を行っているのはむしろ国の方です。 

 

公平性と言うからには、正しい知識を得ている医師の意見書が必要不可欠なはずです。障害年金申請の際に自治体の認定医は上気道炎が慢性疲労症候群CFSとは因果関係が無いと答えてきましたが、一審では、国側の意見書を書いた豊原医師も初期症状に「咽頭痛」がある事を認めています。障害年金申請の段階で十分な専門的知識に基づいた判断がなされていれば、このような裁判もせずに済んだ筈です。豊原医師から見てもその行政段階の審査が誤りであったことは明らかなはずですが、それでも専門医になんの照会もなく誤った審査をした事を認めず、更に間違えた知識のままに誤った判決が出されてしまいました。 

 

このままでは、ME/CFS患者は立位も座位も保てないほどの寝たきりにならないと確定診断がつかないことになってしまいます。これからも誤った審査のままに棄却される患者が続出することになってしまいます。 

 

日本の現状ではまだまだME/CFSの知識を持たない医師が殆どです。 

それを責めているのではありません。 

だからこそ、正しい知識のある専門医の意見書を無視しないで下さいと言っています。 

 

5 ME/CFS患者の立場からみた専門医の重要性

東京地裁での意見陳述の際にも述べましたが、ME/CFSでは通常の血液検査では項目に入っていないコルチゾールとACTHの数値が低下します。しかし、専門医以外の医師にはコルチゾールの低下は重篤な病名でのみ起こることだと思っているので、宇都宮の病院では検査もしてもらえず、何度も説明してようやく検査したところ、コルチゾールの数値が命に関わるレベルの2まで低下していたことがありました。

昨年コロナで入院した時にも、ME/CFSの資料を持参しましたが受け取って貰えず、糖尿と喘息持ち以外は重症にならないから大丈夫だと、聞き入れて貰えませんでした。 

 

しかし、1度目のコロナ罹患の入院から後遺症が強く残り、今までのME/CFSの症状が更に強く悪化してしまい発熱も繰り返し半年間苦しみました。 

 

半年後に2度目のコロナ感染により、班目先生に連絡をした所、専門医のいない宇都宮での対応が余りにも酷いのでそれではCFSが悪化してしまうとして処方薬を出して頂いた所、10日間で完治しました。 

 

CFSの症状を把握して対応してくださる専門医と、そうでない医師では雲泥の差があることを知ってください。 コロナ後遺症からME/CFSに移行している患者が増えている今、誤った知識で審査を続けられては沢山の患者が困ります。 

 

それでも、感染後CFSである事も、初診日も認められないと言うのであれば、申先生、澤田石先生の知識と経験に裏付けられた意見を不適切と判断するに足りる明確な根拠を提示してください。 

 

「公平性」という言葉を使うのなら、本当に公平な裁決をして下さい。 

以上