並立と併立のどちらを使うべきか。
軍港と商港が並んで存在する場合の表現としてイメージしていた。
文字ではなく、音で「へいりつ」と聞いてきた。
いざ、文字で表現する場合はどちらにするのか。
私の使い方は「並立」だった。
だが、佐世保市職員から「併立」ではないのかという意見をもらった。
その理由は次のようなことである。
佐世保市の市制50周年の式典が昭和27年4月に行われ、当時の市長の中田正輔氏が佐世保港は「平和産業港湾都市としての立志の悲願は『併立』し得るものと信じる旨」を述べた。
それ以来、佐世保市では「併立」と使っているという
この場合、「並立」と「併立」でどちらでもいいのか。
中田市長の発言を「併立」として記録した理由はわからない。
私の今後の研究課題である。
佐世保港はもう軍港としてやっていけない。
終戦直後の市民感情。
敗戦で軍港は米軍基地しかない。
造船、観光を地域経済の柱にすえたい。
その頃、私は佐世保のまちに生まれ、育った。
SSKを佐世保経済のかなめにする。
西海国立公園を観光の基本にすえる。
佐世保社会はそう考えたはずだ。
だが、米軍基地は残った。
自衛隊が発足し、近年では水陸機業団までつくられている。
佐世保港の80%は米軍の管理水域になっている。
数年前、前畑弾薬庫移転後の利用方策を市役所内の勉強会があった。
第2次産業と観光開発の構想があった。
佐世保港内をどのように使うのかの議論。
その際に、軍商併立のことも語られなかった。
まして、軍と商のウエイトづけの協議はされなかった。
明日の長崎新聞に「軍商併立港の未来」というタイトルでコラムを書いた。
コラムでは表題も文章にも「併立」と書いた。
コラムのポイントは2つ。
1つは国際クルーズ船寄港への期待。
もう1つは国立佐世保高専のAIやロボット技術教育への期待、
新たな「商」都市の佐世保どうつくるのか。
そんな期待を込めた。
併立か並立か、ここではどうでもいい。
市民の港の領域を明らかにしたい。