1998年2月25日
タイのバンコクは猛暑だった。
午前6時30分、タイ国際空港に到着。
まずは今日から4泊分の宿泊先を決めるため、インフォメーションセンターへ向かい、紹介された「First House」というホテルを予約。
1泊1,200バーツ(約3,600円)と少し高い気もしたが、イタリア旅行からの疲れもあり、このホテルに決めた。
タイは蒸し暑く、まるでサウナのようだった。
つい先日までイタリアのコモ湖付近で、マイナスに近い気温を経験し、厚手のジャンパーを着ていたので、冬物の服を捨てようかとも思ったが、記念に持ち続けることにした。
まずは草履を買い、次にジーンズを膝丈に切ってもらって購入。
これでタイ旅行の準備は整った。
次はタイで一番有名な「カオサンロード」に行こう。
バスに乗り込んだ。バスにはエアコン付きとなしの2種類があり、暑さと交通渋滞を考え、エアコンバスを選択。
運賃は70バーツ。
バスの中には卒業旅行中の日本人男性2人と、イタリア人の乗客がいた。
タイの交通事情は悪いと聞いていたが、空港からカオサンロードまでは1時間ちょっとで到着。カオサンロードはバックパッカー憧れの地だ。
初めてこの場所を知ったのは、高村耕太郎の『深夜特急』だった。
実写版ドキュメンタリードラマでも登場している。
実際に歩いてみると、変な日本人や欧米人、野良犬が多かった。
飲食店の軒先では、無精ひげの人たちが昼間からビールを飲んでいる。
その雰囲気に圧倒されながら歩いていると、買ったばかりの草履で犬のふんを踏んでしまった。
幸先が悪い。
とりあえず、カオサンロードの雰囲気を味わえたので、次の目的地であるベトナムに入るためのビザを取るためにチケットショップへ。
ビザの価格は店によって異なり、日本人はぼったくられる可能性がある。
手続きには3日かかり、その間パスポートを預けないといけないため、慎重に店を選んだ。
『地球の歩き方』に載っていた安心できるチケットショップに行き、ビザとベトナム行きの航空券を注文。
しかし、タイバーツの現金が足りなかったので、結局何もできず、後でまた来るを約束し店を出た。
タイはこの時期、暑季であり、3月から5月にかけて非常に高温になる。
そして、イタリアからの飛行機でもあまり寝られなかったので、とにかく眠かった。
ホテルに戻るためタクシーに乗り込んだ。
料金は80バーツだったが、目的地が「First House」ではなく「First Hotel」に降ろされ、約300メートル歩くことに。
ホテルは広くてきれいで、部屋の広さは10畳以上。
1,200バーツ払っただけのことはある。
少し仮眠を取ることにした。