2月9日に名ジャズ・ピアニストのチック・コリア氏が79歳で亡くなられました。

 
1970年代のマイルス・デイヴィスのグループから今日まで50年近く第一線で活躍され、グラミー賞を23回も獲ったいうのは驚きます。
近年も来日され、ブルーノートなどで講演されていたので一度は聴きに行きたいと思ってましたが残念です。
 
心からご冥福をお祈りいたします。
 
下記は2016年7月に書いた記事(一部編集)ですが、このアルバムは今聴いても新鮮で、69年前にフュージョンの幕開けを告げるこれを制作したのは彼の先見の明を示すもので、ほんとうに凄いですね。
 
 
「新しいジャズの始まり !   リターン・トゥー・フォーエバー / チック・コリア」 
 
これからジャズを聴き始めようという人への「お勧めのこの一枚」、今回は新しいジャズの時代を開いたクールなアルバム「return to forever /Chick Corea」です。
 
ジャズにエレクトリックを熱心に持ち込んだのは御大マイルス・ディビスであり、その頂点が1970年・昭和45年の大作アルバム「ビッチェス・ブリュー」であった。しかしその音楽は所謂フリージャズで一般のファンには難解であった。私自身もこの時代のマイルスにはついていけずほとんど聞いていない。
 
そんな時代に颯爽と現れたのがこのアルバムで「ビッチェス・ブリュー」でエレクトリック・ピアノを弾いていたチック・コリアがリーダーとなって1972年に作った、ポップスやラテンのテイストを取り入れた、メロディアスで爽やかな親しみやすい曲目が当時非常に評判となった。
 
永遠の海を気持ち良さそうに滑空するカモメがこのアルバムの気分を象徴している。通称「カモメのアルバム」
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トラック・リスト[編集]

全作曲: 特記以外はチック・コリア。
# タイトル 時間
1. 「"Return to Forever"」
2. 「"Crystal Silence"」
3. 「"What Game Shall We Play Today"」(Corea, Neville Porter)
4. 「"Sometime Ago - La Fiesta"」(Corea, Porter, Stanley Clarke, Joe Farrell)

合計時間:

参加ミュージシャン[編集]

 

「あれっ、これなんだ?」と不思議な浮遊感のある「Return to Forever」

 

素晴らしく叙情的な「Crystal Silence」。ヒヤッとした感じが暑い季節にはピッタリ。

 

今までのジャズヴォーカルとは違うこの歌に魅了された。フローラ・プリムが歌う「What Game Shall We Play Today ? 」
 
次は静かなイントロから徐々にラテンへ、「Sometime Ago - La Fiesta」
 
などなど。
 
 
この時、私は大学2年生、「なんか新しいジャズ、音楽が始まった、判り易くてすごいいいぞー」と、早速ファンになりました。激しかった学園闘争や70年安保が終わりなんとなく重苦しい、すっきりしない気分の時代にこの音楽はまさに新らしい時代の気分を吹き込みました。ジャズ喫茶では必ず聴きましたし、また普段はジャズなど聞かない人も新種のポップスとして受け入れました。
 
今から思えば、フュージョン・ジャズとかクロスオーバー・ミュージックの始まりで、ハービー・ハンコックやアール・クルー、デーブ・グルーシン等々の多くのミュージシャンがその後出てきました。
 
こういう新しい音楽時代の変革にリアルに立ち会えたのは、今思えば貴重なことでした。
 
 
ボーカルとピアノが空間にぽっかり浮くような録音もなかなか良いし、50年近く前のアルバムなのに今聴いても斬新で古さを感じないのが凄いですね。
 
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