これからジャズを聴き始めようという人への「お勧めのこの一枚」、今回は今や珍しくなったジャズ・オルガンの「The Cat  / Jimmy Smith」で、1964年録音です。

ジャケットにも「The Incredible 驚異的な」のクレジットが。
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まずはCMで聴いたことがありそうな、表題曲の「キャット」

どうですか? ちょっとあの空気を送り込むオルガンのイメージとは違いますよね。スタッカートの連続でノリノリの演奏で、これが「オルガン?」と思ってしまいます。それもそのはずでこれは「ハモンド・オルガンで、1934年ローレンス・ハモンド英語版によって発明された。パイプオルガンのパイプの代わりに、トーンホイール英語版(歯車状の磁性金属製の円盤)を回転させて、近接して設置された電磁ピックアップにより磁界変化の波を音源として出力する。このように生成された正弦波を基音または倍音として、パイプオルガンと同様にミックスして音を作り出す。」とWikipediaにあり、先駆的な電子楽器だと判ります。アンプ増幅して大きな音が出せたので、ロックバンドで使われたこともあります。

この写真をみればああ、これかという人もいらっしゃるかも。
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今のオルガン(キーボード)はシンセサイザ方式で電子音を合成したもの、あるいは実音を変調させたものを音源に使っていますので原理的には大きく違う。ただし、安価なキーボードが出て来たおかげで、このハモンド・オルガンも駆逐されほとんど使われなくなって、使っている人も珍しくなってしまいました。今聴くとなんとなく懐かしい音ということになります。

それにこのレコードはラロ・シフリンの編曲・指揮によって15名ものホーン・セクションが加えられオルガンとホーンの掛け合いが聴きものとなっています。トランペットのサド・ジョーンズやギターのケレー・バレルらの名手も参加していますね。

オーケストラの掛け合いを楽しむアップテンポな「セントルイス・ブルース」。

こちらは落ち着いたスタンダードの「ブルース・イン・ザ・ナイト」。

普段ここで紹介しているジャズとはちょっと異なりますが、スウィングもするしグルーブ感もある「驚異の」オルガン・ジャズです。

さらに驚いたことにこのアルバムは発売当時にビルボートのトップ・チャートの12位になったそうです。あの有名なマイルスやコルトレーンらのアルバムでさえ一度もトップ・チャートにはノミネートされたことはないそうなので、いかにこのアルバムが商業的に成功したかが判ります。後に「ダーティー・ハリー」や「燃えよドラゴン」などのヒット曲を連発したシフリンの功績によるかもしれませんね。

本格的なジャズ・オルガン、たまには聴いてみたいものです。

同様のオルガン奏者にワルター・ワンダレイがいて、こちらはヴォサノヴァ中心ですがまたの機会に紹介します。

Jimmy Smith (organ)
Lalo Schifrin (arranger, conductor)
Ernie Royal, Bernie Glow, Jimmy Maxwell, Marky Markowitz, Snooky Young, Thad Jones (trumpet)
Ray Alonge, Jim Buffington, Earl Chapin, Bill Correa (French horn)
Billy Byers, Jimmy Cleceland, Urbie Green (trombone)
Tony Studd (bass trombone)
Dib Buttefield (tuba)
Kenny Burrell (guitar)
George Duvivier (bass)
Grady Tate (drums)
Phil Kraus (percussion)

Produced by Creed Taylor
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ; April 27, 29, 1964

Tracks
01. Theme From "Joy House" (music: Lalo Schifrin)
02. The Cat (music: Lalo Schifrin)
03. Basin Street Blues (music: Spencer Williams)
04. The Carpetbaggers' Theme (music: Elmer Bernstein)
05. Chicago Serenade (music: Eddie Harris)
06. St. Louis Blues (music: William Christopher Handy)
07. Delon's Blues (music: Jimmy Smith)
08. Blues In The Night (music: Harold Arlen / words: Johnny Mercer)