今年は多くの国で選挙が実施されていますが、その選挙によって民主主義が危機に陥る可能性があります。

 

3月にロシアで大統領選挙があって、プーチン氏が再選されました。これは実質的に信任投票であって、異端をあぶりだす効果を持つものでした。

 

ロシアはウクライナ戦線に集中していますが、辺境警備が手薄になっていて反乱がいつ起きてもおかしくない状況であり、年内にどこかで火の手が上がるかも知れません。

 

 

6月に欧州議会選挙が実施されて、与党側が過半数を維持したものの、極右グループの議席も大幅に伸びて、特にフランスでその勢いが増しています。

 

 

そして現在行われているのがイギリスとフランスの選挙です。

 

イギリスは7月4日つまり今日投開票が行われるのですが、与党保守党の敗北は決定的な情勢です。これはブレグジットの反動であり移民の流入を止められない保守党への反感でしょう。ブレグジットはイギリス国民が選んだにも関わらず。

 

フランスも下院選挙の最中であって、1回目投票でマクロン与党は最下位に沈んでいます。マクロン大統領は左派との連携で活路を開こうとしていますが、7日の結果では極右勢力が過半数をとる可能性もあります。

 

さらに11月にはアメリカ大統領選挙が予定されています。

ここではトランプ元大統領の返り咲きが懸念されていて、この支持者も極右思想と言えるでしょう。

 

共通するのは「自国第一主義」で難民やよその国を助けるのではなく、自分たち元からの国民を第一に考えろというものです。

 

90年代からグローバリズムが台頭してボーダーレス化が新たな価値観となりましたが、結局恩恵にあずかったのはグローバル企業やエリートたちであって、庶民は割を食ったのです。そして移民に自分たちの税金が使われることが許せない。

 

つまり世界ではグローバル化の反動が起きていると言えます。確かに経済成長はしたのですが、その恩恵にあずかっていない庶民にとってろくなものじゃないと。

 

日本はこの期間経済成長していないので、欧州やアメリカほどセンシティブではないかも知れませんが、現在の格差問題などもグローバル化の負の部分と言えます。

 

また移民の問題も日本ではまだ大きな問題にはなっていないかも知れませんが、今後は移民の受け入れを拡大しないと社会を維持することすらできなくなります。この問題も着実に日本の課題となっていくに違いありません。

 

さて日本でも恐らくこの秋に総選挙が実施されることになっるのでしょう。

自民党総裁が交代すれば”裏金問題”が刷新されたとして選挙モードに入ります。

すでに1年近くこの問題に付き合っていて、飽きっぽい国民からは禊がすんだとして自民党を勝たせることになるのかも知れません。

 

しかし”多様性”の問題は確実に国民のアイデンティティを破壊し続けており、日本にも極右の台頭が来る可能性はありますし、すでにその兆候は現れています。

 

いずれにせよ今年世界で行われる選挙が”分断”と”破壊”への序章にならないことを願うばかりです。

 

かくいう私は民主主義の恩恵を受けている受益者でありますから現状維持を強く望んでいる一人です。

 

まずは東京都知事選挙結果に注目しています。