人口問題研究所が2050年に96%の市町村で30%以上人口が減少するという予測を発表したのですが、人口が増えるか微減とされるのは相変わらず首都圏だけで、その他の地方は軒並み減少し、中には70%減少してしまうところもあるらしい。
もちろん現在の傾向が続けばそうなるという前提での話ですが、何か大きな変革が起きないと日本の地方はほぼ消滅するということです。
しかし大都市だけが栄えて万骨枯るということが現実にあり得るのでしょうか?
確かにお金を稼ぐのであれば金融関係とかIT分野が手っ取り早いし、モノを製造したりしないのでオフィスの快適な環境で仕事ができ、世界の大都市はほとんどこの方向に向かっています。つまり金にあかせて美味しいところだけを持って行っている感じでしょうか。
一方で都市機能を維持するためには、インフラの整備に始まって食料の確保、水や電気、消費財が湯水のごとく供給される環境が必要となります。都市にこの機能はなく、地方からの供給や輸入に頼っているのが現状です。
もしこの供給が滞ったら一体どうなるのか?
都会に住むことは不可能になるでしょう。
人口問題研究所が指摘するように地方の人口が減り続けたら、戦後の混乱期のようにまず自分たちの消費分を優先して、都会への食糧や消費財の供給はできなくなると思います。輸入分についてもすでに中国等に買い負けている状況が常態化する恐れがあり、近いうちに欲しいものが何でも手に入る時代は終わりを告げる可能性もあります。
そうなると当然食料や消費財の価格が上昇して、流通も都会の業者が買いたたくのではなく、生産者側が価格決定権を持つようになるでしょう。
そして需要と供給の関係から価格が折り合う時、その価格は現在の2~3倍になるやも知れません。そうなると価値の逆流が起きるのでは?
つまり都会に集中していた富が地方に移動して、農業や漁業に従事する人が豊かになれる。
そうなって初めて地方の衰退が止まり、人口減少に歯止めがかかる。
即ち農産物や水産物などの価格を上げることによって初めて都会と地方のバランスがとれて共存共栄が可能になるのではないか。
これまでのように都会が一方的に搾取する構図が成立しない社会が訪れると感じます。
シンガポールなど都市国家は砂上の楼閣でしょう。