NFLの2012/2013シーズンの大詰め、カンファレンスチャンピオンシップが終わった。
昨年のスーパーボウルのあと、どこかに書いたのだが、
今年もそのわりとショックな内容を引きずってしまった。

そう、トム・ブレイディ率いるニューイングランドについてである。
昨年、スーパーボウルでニューヨークジャイアンツに負けたとき、
「もう、ブレイディの時代ではないことが白日の下に曝された」と書いたが、
今年もその思いにダメを押す結果となった。

今さら強調するまでもなく、ブレイディはNFL屈指のQBである。
それはここ何年も変わらない。
レギュラーシーズンの戦いを見ていると、そしてポストシーズンでの冷静なゲームメイクを
見ていると、まるでずっと全盛期を続けているかのような素晴らしいプレイぶりである。

だが、だが....残念ながら、彼はもうスーパーボウルを勝てるQBではなくなっている。

なにが悪いとか、どこが悪いとかの話ではないのだ。

彼は今日もいくつかしてはいけないミスをした。
しかし、それは彼にしてはたまたま起こったことで、
それがまた、たまたま大事なゲームだっただけのことである。

ここが問題なのである。
ブレイディがいなければ、ニューイングランドはこんなに強くはない。
が、同時に、ブレイディがいるから、ニューイングランドはもはや最強にはなれないのである。
栄枯盛衰としか言いようがない。
今年は、ついにスーパーボウルまでもたどり着けなくなってしまった。

たぶん今年は、世紀を代表するLBのレイ・ルイスの引退イヤーとして記憶されるだろう。
だが、最後の年におそらく彼はスーパーボウルリングを手にすることはあるまい。

NFLは本当に、日々進化を続けている。
これまでとは、オプション選択肢の数として異次元のプレイブックを持つ
サンフランが、たぶん勝つのだろう。

キャパニックのように登場するQBは珍しくはない。
かつてのブレイディがそうであった。
でも、マニング弟のあとを継ぎそうな気もする。
今年は勝つかもしれない。でも、来年以降はたぶん、勝てないだろう。
どこまでもQBの存在は重要ではあるが、ここ数年のNFLの最強を決めるのは、
やはりディフェンスの強さのようだ。

今年のシーズン途中で予想したスーパーボウル進出チームは
サンフラン、シアトル、ボルティモア、ヒューストン、ニューヨークGの5チームだった。
特に今年のサンフランとシアトルのディフェンスの強さにはビックリした。

オフェンスでスーパーボウルにたどり着くには、2人のスーパースターが万全なことが
近年にとっては必須条件なのである。
2人の、「スーパースター」である。

この近年の傾向の発端は、私は、ジョン・エルウェイが連覇を果たした
1998/1999シーズンだと考えてる。
この年、MVPはエルウェイだったが、前年の初スーパー制覇のときから
デンバーはテレル・デービスのチームだった。

ニューイングランドは、この近年の方程式を少し取り入れてみる必要があると思う。
もちろん、21世紀の現代にふさわしいアレンジで。

【追記】
サンフラン圧勝と予想していたが、結果はブレイディの独壇場でニューイングランドの勝利!
私も随分と見る目が衰えたものだ・・・というより、NFLを見る目がアップデートされていないのだろう😢

むしろ、自分の感情に全くと言っていいほど、高揚感を覚えなかったことに一番驚いた!
私はもうNFLのゲームを面白いと思っていないのかもしれない。
年齢を重ねてこれではいかにも「老い」が加速している証明の一つかもしれない。

残念な気も少しあるのだが、それほど後ろ髪を引かれる想いも感じないので、ここは思い切って、しばらくNFLは見るのをやめようと思う。
何よりも、長生きほど大きなリスクはないと思っているが、身体より先にメンタルが「老い」の餌食となるあり様を否めないことに驚愕している。